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この書評では、基本的に映画なり本なりのいいところを取り出すことを意識しています。
 作品の中で心に残ったモノを、自分の経験と照らし合わせてストーリーを作るというのがコンセプトです。

 しかし、もりぞおさんが一番得意なのは、人やモノを小馬鹿にすること。

 と、いうわけで、新春特別企画として、2009年度最悪作品との呼び声も高い、「アマルフィ」をDVDで観てみました。

アマルフィ 女神の報酬 スタンダード・エディション [DVD]アマルフィ 女神の報酬 スタンダード・エディション [DVD]
(2010/01/01)
織田裕二天海祐希

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 すごい、日本映画でした。

 日本映画の作り方の特徴として、俳優のブッキングがあります。

 通常(っていっても、アメリカと韓国しか知りませんが)、映画を撮る際には、脚本を用意します。
 1ページ1分の内容で書かれた膨大な量の脚本の、ほんの一握りが採用され、予算が付き、そこから俳優のキャスティングが始まります。

 しかし、日本映画の場合、まずはじめに主演俳優のブッキングが始まります。
 そして、広告代理店を巻き込んでの予算獲得。
 それが終わってから、脚本作りが始まるわけです。

 日本の映画やドラマに漫画や小説の原作付きが多い理由。
 なぜか、その原作と主人公が変わってたり、登場人物の性別が変わってたりする理由は、こんなふうに結構単純明快なわけです。

 さて、このアマルフィ。
 監督インタビューでの作品の動機が
「織田裕二で、サスペンスをやりたかった」
 であることから、上記の流れにのっていることがよくわかります。

 しかし、このアマルフィは、原作なしです。(映画の公開と同時に小説も発行されたようです)
 日本映画で原作がないとどうなるか・・・とんでもないことになります。

 実は、このアマルフィという映画、「脚本」とクレジットされている人がいません。
 監督と、小説の作者が共同で脚本を書いたようなのですが、現場でぐだぐだになりまくったため、双方が責任をとるのがイヤになって、空欄にしちゃったのが真相だと言われていますがよくわかりません。

 しかし、その結果としての物語の脚本は、ひどいことになってます

 犯人は、イタリア語が全くしゃべれない日本人の子供だとわかって誘拐しているのに、連絡してくる電話は全てイタリア語
 犯人の電話で「スペイン広場にいけ!」とか振り回される織田と天海はのんびりバス移動(織田裕二、車持ってるのに・・)
 犯人が織田と天海をアマルフィに呼び出した理由がわからない(一日時間を稼ぎたかったのだろうけど、なんでアマルフィ?)
 イタリアのほとんどの観光地と信号機を管理する警備会社の警備が超ボンクラで、鉄砲もった一人の女性(ふつーの日本の主婦)にあっさり占拠される
 ボタンを一個押しただけで、ローマの町が機能停止になり、挙げ句の果てに警備会社のシステムが1分でハッキングされるほどセキュリティが甘い
 織田裕二が犯人をやっつける方法が、説得。それも「おまえら、そんなことをして何になる?」という滅茶苦茶ふつーの言葉
 この作戦が終わったら死ぬ覚悟の犯人が、あっさり説得に折れる
 
 ざっと思い出しただけでも、こんな感じで、もうどうしようもないです。。
 読み返して、あまりにも多すぎてうざいので、半分カットしました。。

 さらに、演出もひどくて、

 いきなり音楽が止まって画面がブラックアウトする(DVDが壊れたかと思った)
 スペイン広場で、イタリアンジェラートを踏んづける(ローマでローマの休日オマージュだー!)
 イタリア警察のおやぢがキャプテン翼ファン(ボールハトモダチ、コワクナイ)
 なにげなくホテルのテレビでキャプテン翼がやってる(ちなみに、イタリアでは翼くんの名前はオリバーハットンなのだが。。)
 アマルフィの空撮の映像がピンボケ
 福山雅治が、物語に何のからみもない金髪美女を常にはべらしている
 
 など、ダサダサ演出のオンパレード。

 これは、ひどい。

 もう、穴だらけの脚本と、ダサダサの演出から目が離せません。

 キン肉マンとか男塾のストーリーの滅茶苦茶さは、それを上回る勢いがあるため、それ自体が味になります。
 木更津キャッツアイやタイガーアンドドラゴンでは、ダサい演出をギャグとして使っています。

 しかし、この映画は、映画全体として、本格的カッコイイサスペンス映画を作っている感が漂っているので、笑うに笑えません。
 なんでこんなんなっちゃったんだろう。。。

 監督や小説家の人が、どんな気持ちで脚本の責任をなすりつけあったのかを考えると、悲しくて映画中居眠りもできません。

 テレビ局に金がないと言われて久しい今日この頃。
 この映画に費やされた予算を、恵まれない深夜番組に渡していたら、どれほどたくさんの番組が撮れたのか。。どれほどたくさんの制作会社の社員が首にならずにすんだのか。。

 ちゅか、こんなもんばっか作ってるから、金が入ってこなくなるんだよ!

 でも、広告宣伝費が減っている現在、視聴者から直接金を取れる映画を作るテレビ局は増えていくのでしょう。テレビ局バブルの最後のあだ花。もしくは断末魔と考えると、感慨深いモノもあります。

 しかし、このアマルフィの最大の謎は、サブタイトルの「女神の報酬」
 作中に、女神らしいものも、報酬らしいものも、一切出てこない。

アマルフィ 女神の報酬 コンプリート・エディション DVD3枚組 (初回生産限定)アマルフィ 女神の報酬 コンプリート・エディション DVD3枚組 (初回生産限定)
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アマルフィアマルフィ
(2009/04/28)
真保 裕一

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