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 2009年12月のアバターを皮切りに、7本の3D映画を観てきたもりぞおさん。
 どれが一番3D映画として素晴らしかったかと聞かれたら、この「ヒックとドラゴン」と答えるでしょう。

ヒックとドラゴン スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray]ヒックとドラゴン スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray]
(2011/07/22)
ジェイ・バルチェル (声の出演)、ジェラルド・バトラー 他

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 DVDの表紙を見るとアメリカっぽいダサさを感じますが、実際の映像を観ると、オーソドックスな3Dの爽快感を感じさせてくれる素晴らしい作品です。

「3Dの凄さを感じるなら、ジェットコースターの映像を3Dにすればええやん!」というのを忠実に守ったこの作品。
 ドラゴンに乗ったヒック目線での、大空を駆け回る映像は素晴らしいの一言です。

 この物語は、海賊達が暮らす島でのお話です。
 岩だらけで農地が少ない島の最大の問題は、そこに飛来するドラゴン。
 家畜や農作物を食い荒らすドラゴンに対して、島のバイキング達は日夜戦いを繰り広げています。

 男も女も、老いも若きも、みんながドラゴンを倒すバイキングになることをめざし、優秀なバイキングは惜しみない賞賛が贈られる。
 ドラゴン図鑑には、どのドラゴンの説明にも「極めて危険。すぐに殺せ」

 そんな島のバイキングとボスの息子、ヒックは、身体の弱いもやしっ子。
 ドラゴンと戦う体力がないため、鍛冶屋の手伝いをしているが、そんな彼に対するそこはかとない哀れみや失望に日々傷ついています。

 この話は、現代のアメリカの縮図みたいな話です。

 ドラゴンという異世界の生物に襲われている状況は、イスラムという異世界の人間と戦っているアメリカそのもの。
 その戦いに参加出来ない人をそこはかとなく哀れむ様も大変アメリカンなマッチョイズムを感じます。

 そんなヒックが、ある日襲ってきたドラゴンの大群の中にいた、最強のドラゴンを偶然撃ち落とすことから新しい価値観が生まれてきます。
 ドラゴンと融和する道が。

 ヒックが撃ち落としたドラゴンは、尾翼を失い、空が飛べなくなっていました。
 そんなドラゴンに彼は2つのことをします。

 まず、ドラゴンに餌をやること。そして、ドラゴンに尾翼をつけてあげること。

 ドラゴンに対して巨大な生魚を運んできて与えてみる、ヒック。
 最初は疑心暗鬼だったドラゴンにも段々と気持ちが伝わり、ヒックが敵ではないと思い始める。
 そして、ドラゴンは、生魚の半分をヒックに分けてくれました。

 眼をつぶって、生魚をかじるヒック。

 この光景が異文化交流の難しさを表現しています。

 日本語を喋る外人を日本人が大好きなように、現地語を喋ってくる旅行者を地元の人はことのほか歓迎してくれます。
 現地のお祭りや儀式に積極的に参加してくれる人も。

「敵」の定義が「自分たちに危害を加える人」であれば、「味方」の定義は「自分たちと同じ事をやる人」なのでしょう。
 
 アメリカ人は、自分たちと違う文化、宗教を持っている人を「味方」とは思えず、「味方」ではない人たちの石油を我が物にするために混乱を創り出しアラブに「敵」と判断されました。
 そして、「敵」となったアラブに反撃され、アメリカ人もアラブの国々を「敵」と判断し、泥沼の戦いが今もなお続いているわけです。

 その戦いは、バイキングとドラゴンの戦いのように、泥沼と化し、誰も幸せになれない、不毛な戦いになっています。

 生魚をかじることでドラゴンの「味方」になったヒックは、ドラゴンに尾翼をつけてあげて一緒に空を舞います。
 この時の、空を飛ぶ映像の美しさ。

 映画冒頭の夜中の不毛な戦いと対をなす、青空と蒼い海の間を、気持ちよく疾走する二人。心が通じたことの素晴らしさが、映像と共に伝わってきて、とてもさわやかな気持ちになります。
 
 そして、ドラゴンの習性を学ぶことで、ドラゴンを殺すことなくおとなしくさせる方法を知り、ドラゴンたちが人間を襲ってくる本当の理由を見つけるわけです。

 911後、ブッシュが行った戦争は、襲ってきたドラゴンに対して「非常に危険。すぐに殺せ」に他なりません。
 その戦いが生み出すものはおびたたしい量の死体のみ。
 誰も幸せにしませんでした。

 本当にやらなくてはならないことは、相手の事を理解し、相手と同じ行動を受入れ、相手が襲ってくる本当の理由を探し出すことです。

 しかし、「ドラゴンと戦うこと」が市民の義務であり、英雄の条件である世界では、ヒックのようにドラゴンと仲良くしようとする人間はなかなか受け入れられません。
 厄介者としてつまはじきにされ、社会の主流から外れたところで細々と暮らすことになってしまいがちです。

 今、日本でも、日本以外の国でも、とても沢山の問題が生じまくっています。
 簡単には解決できない問題ばかりであるのですが、それでも何とか解決しなくてはならない。
 そんなとき、実は、ヒックのような主流の外にいる、ひ弱な人間が解決の鍵を握っているのかもしれません。

 社会の常識、価値観だけを信じるのではなく、それ以外のアプローチを試してみること、そういう人を応援することはとても大切な事です。

 それが成功したときの素晴らしさを感じるためにも、是非多くの人にみて欲しい映画です。

ヒックとドラゴン スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray]ヒックとドラゴン スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray]
(2011/07/22)
ジェイ・バルチェル (声の出演)、ジェラルド・バトラー 他

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