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 新宿や渋谷のガード下を歩いていると、スプレーで描かれた落書き、グラフティが描いてあります。
 これは、世界中あらゆるところで描かれており、これを描く作家にもカリスマ的人気を誇る人たちがいます。

 そんな、グラフティアーティストの生態を記録に残す映画のはずだった作品が、Exit through the gift shop です。

exit_through_the_gift_shop_contest.jpg


 この映画は、今、東京では渋谷シネマライズのみでしか公開されてないほどのマイナー作品のため、みんなどうせ観ねえだろという予想の元に後半はネタバレ入ってますので、観る予定のある人はこの続きは、観た後に読んでください。


 映像を撮っているのは、映像撮影が趣味の見るからに冴えない、アメリカ在住のフランス人、テリー。
 彼は、子供時代のトラウマからのただひたすらビデオカメラを回しまくり、そのまま観もしないで放置するのが趣味の男。

 しかし、彼がいとこのアーティストに会って感銘を受けるところから話が始まります。
 アートの世界に感動してひたすら撮影するテリー。
 勿論非合法活動なので、夜中に高い屋根の上で作業を行い、時には警察に追い回される危険な仕事。
 しかし、アートにはまった彼は、どんな危険な場所にもついて行き、撮影を行います。
 その命知らずっぷりが評価され、様々なアーティストを撮るようになり、ついには最大のカリスマ、バンクシーを撮ることになります。

 バンクシーは、世界中の美術館に勝手に自分の作品を置いたり、ガザ地区の壁に子供が壁に穴を空けている絵を描くような超大物。

banksy2.jpg

 ついには、彼の映像作品を残すことになります。

 が、テリーには全く映像作品を撮る才能がないことが発覚します。ただひたすら映像を撮ることだけをやってきた男の作品は、ただひたすら観るのが苦痛なだけの何のおもしろみもない映像でした。

 で、映画の企画ががらっと変わり、バンクシーは、このテリーという男を主役にした映画を作りました。
 それが、このExit through the gift shop です。

 何の才能もない、映像を撮ることとグラフティアートが好きなだけの冴えないおっさん。彼をそそのかして、新鋭のグラフティアーティストに仕立て上げてしまうというのがこの映画の後半です。

 誰かの物まねにしか見えない作品。
 グダグタの展示会準備。
 最期はスタッフが適当に並べた展示物。

 しかし、バンクシーによる推薦文がでかでかと掲げられ、ロサンゼルスの有名情報誌がこぞって取り上げた展示会は2ヶ月以上にもわたる大盛況。100万ドル(当時のレートで1億円)以上の売上を上げ、テリー改めMBW(Mr Brain Wash)は、新進気鋭のアーティストとして大成功するのです。

 この映画を通じてバンクシーが訴えたかったメッセージは、

「アートなんて、こんなもん」


 でしょう。

 情報誌やカリスマアーティストの言葉に踊らされ、展示会に列をなす庶民達。
 オークション会場で、何十万ドルという値段で作品を買いあさるセレブ達。

 彼らを撮す映像は、彼らを小馬鹿にしたテイストに満ちあふれています。

 アートなんて、それぞれの人の感じ方によって、一人一人にバラバラの価値を持っているわけですが、自分の感覚に絶対的な自信を持っている人なんてどこにもいません。
 よって、マスコミやカリスマの言葉によって、価値は決められます。

 そして、自分の不安定な価値観を安定させるため展示会に行ったり、作品を買ったりして迎合するわけです。

 これはアート作品に限らず世の中のあらゆる物に言えることです。
 正義とか、愛とかの形に見えない物により顕著に表れます。

 だから、バンクシーはディズニーランドのビックサンダーマウンテンに、アメリカの捕虜収容所で拷問を受けている捕虜の人形を置くんです。

 愛と夢の世界に、正義の名の下に作られた収容所の非人道的な行為を表現する。

 もりぞおさんは、こういう矛盾を皮肉る行為が大好きです。

 もっというと、庶民やセレブがアートの代償に支払うお金も一緒です。
 本来はただの紙切れなのに、国が「これは価値のある物だ」と定めたが故に、命の次に大事な存在となっているお金。

 そんな紙切れを、何の価値もない変なおっさんが作ったアートと交換することが、バカバカしい物とバカバカしい物の交換という、非常に滑稽な姿として映るのです。

 映画のエンドロールでは、こんな一部始終に関して、いろんなアーティストの「やれやれだぜ。。」コメントで締められます。

 こんな映画をみせられた観客も、「やれやれだぜ。。」感満載なのですが、それが人生の本質。
 バカバカしい事をいかに楽しめるかが、人生を楽しむ事の様な気がしています。

 まあ、「芸術は、バクハツだ!」ってことで。



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