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そのテーマの重さと、下手でキモい絵柄から話題騒然の漫画「進撃の巨人」

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私もそのブームに乗っかった一人であり、1-2巻を読んだところで、ひとつ記事を書きました。
進撃の巨人 圧倒的な強者から逃げるために、自分で作った壁の中だけで生きることの閉塞感

巨人から身を守るために壁の中で暮らす人類。
彼らの感じる閉塞感を、現代日本の閉塞感になぞらえたわけです。

そして、日本にも3月11日に、50m超大型巨人級の災害が訪れました。
今、4巻まで進んだ物語から見えるものを改めて書いてみたいと思います。

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4巻で語られる物語の中で、重要なシーンが3つあります。
ひとつは、主人公が精神世界の中で、自分がなぜ巨人と戦い外の世界を見たいかを考えるシーン。

「この壁の外のずっと遠くには、炎の水や、氷の大地、砂の雪原が広がっている」
「どうして外の世界に行きたいと思ったの?」
「決ってんだろ、オレがこの世に生まれてきたからだ!!」

 彼の気持ちは私にはよく分かります。
 実際に仕事を辞めて炎の水や、氷の大地砂の雪原を見に行ってきた私なので、

オレ達は皆、生まれたときから自由だ
それを拒むものがどれだけ強くても関係ない
どれだけ世界が残酷でも、関係ない
戦え!

 という言葉に共感します。
 履歴書の職務経歴に一年の空白がある人間に、転職回数が無駄に多い人間に、どれだけ日本企業の採用担当者の評価が残酷でも、関係ねえ!

 しかし、現実問題そこまで割り切れる人間は少ないと思います。
 育ってきた環境も違うし、守らなければならない人や物の数も違いすぎます。

 この巨人に囲まれた世界でも同じような問題が生じます。

 若者は、兵士として国に雇われるわけですが、対巨人用の武器を使いこなす術を熟知した人間は、階級が上がり、国の中心を守る役目に回ることになる。
 つまり、対巨人用の戦闘技術を身につければ身につけるほど、巨人から離れて暮らせるようになる問題。
 
 多くの人間は、自由を求めているけれども、それ以上に自分や、自分の家族の安全を求めている。それ故に、全体にとって最適ではないと分かっていながら、自分の手の届く範囲の経済合理性に則って行動をしてしまう。

 水や食べ物の買い占め、福嶋の人に対する放射能を恐れる差別。

 世の中の多くの人たちは、信念のために命とか安全とかを捨てることは出来ず、自分のすぐ周りにいる人を守ることに手一杯。
 たとえ、国に対して全体最適的な文句を言っても、自ら自己犠牲的に行動することは出来ない。
 それは、恥ずべき事ではなく、多くの人間の普通の行動だと思います。

 そう。人間は、基本的に弱いんです。
 本能のおもむくまま、何も考えずに人を喰らう事だけを続ける巨人よりも。

 しかし、主人公たち一度地獄を見た「強い」人間以外の兵士達。「弱い」兵士達にも転機が訪れます。
 
「君は強い人ではないから、弱い人の気持ちがよく理解できる。
 それでいて現状を正しく認識することに長けているから、今、何をするべきかが明確にわかるだろ?
 大半の人間は弱いといえるけどさ、それと同じ目線から放たれた指示なら
 どんなに困難であっても、切実に届くと思うんだ。

 今…何を…するべきか…

 震災直後の混乱の中、復旧の道筋を作るためには、頭が良くて、情報収集能力があって、表現力があって、多くの人に信頼されている、「強い人間」の意見が必要とされます。

 しかし、その道筋を通って復興を行うためには、「強い人」だけが進める道を作るだけでは足りません。
 
 危険を冒してでも、炎の水を見に行きたくなるような強い意志を持った人間だけではなく、自分と家族を守りながら、恐る恐る進んでいく人たちも通れる道を作らねばならないのです。

 そんなときに必要なのが、弱い人の気持ちがよく理解できて、状況判断が高い人。

 今までのマスコミでは、この様な「弱い人」の出番はありませんでした。
 しかし、blogやtwitterでは、この様な弱い人が沢山の意見を発表し、被災地での体験や思いを書き連ねています。

 そんな文章は、数多くリツイートされ、リンクを張られ、沢山の弱い人の共感を呼びます。

 少しずつ前に進むために、進撃というほど強力ではなくても、ちょっとだけ歩みを始めるために、Webによる情報発信は、多くの人の力になるんだろうなと感じる今日この頃。

 漫画の中の絶望的な世界でも、リアルなこの日本でも、同じような希望が芽生えていることに、この漫画の非凡さを感じるわけです。


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