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 2001年に流行った、「世界がもし100人の村だったら」という文章。

世界がもし100人の村だったら 総集編 POCKET EDI (マガジンハウス文庫 い 1-1)世界がもし100人の村だったら 総集編 POCKET EDI (マガジンハウス文庫 い 1-1)
(2008/10/01)
池田 香代子

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 この文には、この様な一説があります。

村に住む人々の100人のうち

20人は栄養がじゅうぶんではなく
ひとりは死にそうなほどです
でも15人は太りすぎです

銀行に貯金があり財布にお金があり
家のどこかに小銭が転がっている人は一番豊かな8人のうちの1人です

自分の車を持っている人は7人のうちの1人です

村人のうち
1人が大学の教育をうけ
2人がコンピューターをもっています
けれど
14人は文字が読めません



 この数字の信憑性については、あちこちで検証があり、異論反論が出ていますが、ここではそれは無視します。

 2010年の今になって考えることは、世界は100人の村のように小さくなりつつあるということです。


 2001年は、日本でブロードバンドの普及が始まった頃であり、インターネットで世界が変わるなんてことを言っているのは、アメリカの先端企業だけでした。

 この文章はメールマガジンで広まったのですが、その広まり方も、○日にxxメーリングリストによって△人くらいに広がり・・といった、牧歌的な広がりでした。

 2010年の今では、携帯のパケット定額も含めれば、日本人の80%以上がネットに常時接続可能であり、こんな文章はホリエモンとか宇多田ヒカルがtwitterでリツイートすれば、あっというまに数十万人に広まります。

 物語が広まるスピードが桁違いに変わるのですから、世界の広さも変わってきます。

 当時は、世界とはまだ離れたところにあるもので、外国でどんな暮らしがなされているかは、テレビのブラウン管の向こう側の話でした。
 それゆえに、その想像上の産物である「世界」を自分の眼の届く範囲である「100人の村」に縮小したこの文章が画期的だったと言えます。

 2010年に今、世界が遠く離れているのは今も同じで、外国人の暮らしは相変わらず液晶ディスプレイの向こう側です。
 しかし、最先端の企業ではそんなに離れているわけではありません。

 日本のユニクロの店舗でどの商品がどれだけ売れたかの情報は、あっという間にインターネットを通して中国やバングラディッシュの工場に伝わり、このデータを元に新しい商品を生産します。
 この工場がある場所は、10年前にはたぶん「20人の栄養がじゅうぶんでない人」ばかりが住んでいるところだったと思われます。

 日本人が着る洋服を作る事で、彼らは「財布にお金がある上位8人のうちの1人」になったことでしょう。もしかしたら、「100人のうちの2人しかいない、コンピューターを持った人」になれたかもしれません。

 10年間で村の様子はどんどん変わっていきます。

 少数の裕福な人と、多数の貧しい人がいた村。
 貧しい人の所に仕事が届きはじめ、貧しい人が少しだけ豊かになりつつあります。

 もちろん、逆の出来事も起こっています。
 豊かな人の仕事が、貧しい人に渡ったため、豊かな人が少しだけ貧しくなるのです。

 実際、日本にはほとんどいなかった、「栄養がじゅうぶんではない人」が、ちょっとづつ生まれている気がします。
 これは、良くないことなのでしょうか?

 格差問題、貧困問題と、多くの人が警笛を鳴らしていますが、世界がもし100人の村だったら、村全体を見れば、格差は縮小しています。
 また、日本に住んでいる人は、わざわざ世界を100人の村にしなくても、世界の様子が少しリアルに味わえるようになったわけです。

 2001年には想像上の物語でしかなかった「世界の100人の村」
 これが少しずつ現実に近づいていき、何年か後、ほんとうに世界のどこの100人を連れてきても「100人の村」になるくらい、世界中が平等になったとき、日本はどんな風になるんでしょう?

 面白いような、気持ち悪いような、何ともいえない気分ですが、世界がもし100人の村だったら、80人くらいは今よりも幸せになると思うので、今よりいい世界な気がします。

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(2008/10/01)
池田 香代子

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