上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
Check
 さて、オザケンコンサートに関して、まだ書き足りないことがあるので、おまけの文章です。
 本編はコチラなので、ヒトツヨロシク。

あと、もう一回警告を。

警告
 小沢健二13年ぶりのコンサート。
 このコンサートは、絶対に内容を知らないで観た方が楽しいため、これから行く予定がある人はとりあえずブックマークをして、このブラウザを閉じてください。
 あと、コンサート行くとき、開演には絶対に遅れるな!仕事なんて休め!
警告終わり

 今回のコンサートの中で、何度か文章を朗読していたのですが、そのうちのひとつで、こんなことを言っていました。

アメリカのお笑いは大味であると言われているけれども、実はそうではない。
彼らのお笑いには、その人種ごとに、その人たちだけしか分からないようなネタがたくさん仕込まれている
その、自分たちしか分からないようなネタで笑うとき、人々は最高に楽しそうな笑い方をする

 これは、たぶん世の中の非常に多くの人が思っていることでしょう。

 女子高生が変な言葉を使うのも、
 プロレスマニアが遠い昔の試合について語り合うのも、
 旅好きが、共通して行ったことがある国の思い出話に花を咲かせるのも、

 みんな、こんな気持ちからだと思います。

 そして、今回のコンサート会場はまさにそのものでした。

 演奏曲の中心となったアルバム、"LIFE"は1994年8月発売。16年前。
 それ以外にも、絶版となっているCD、8cmシングルでしか出ていない曲など、今では入手困難なあれこれを奏でるオザケン。

 彼は、たびたび、歌うのを止めて、客席に歌うように促しました。

 今夜はブギーバックのラップ部分を歌詞なしで歌う人々とオザケンの間には、十数年の時を経てもしっかりと覚えている、音楽という絆があったのです。

 そして、その絆を確かめるように、何度も客席をあおるオザケン。

 彼が歌っていない部分を歌う観客は、最高に楽しそうな歌い方をしていたのだと思います。

 今、テレビとか雑誌とか新聞とかがボロボロになっています。
 いわゆる、マスメディアというものから、どんどん客が逃げて行っている状況です。

 この理由はいろいろあると思うのですが、ひとつは、自分たちしか分からないようなネタを共有することが出来る友人を、mixiやtwitterでかんたんに見つけられるようになったからではないでしょうか。

 昔は、共通の話題がテレビ中心だったから、人と繋がるためにテレビを見ていたけど、今は、世の中のあらゆる話題に対して共有できる仲間を見つけることが出来るので、自分が好きなことをやって、ネットで繋がる人を探せる。
 テレビは、コミュニケーションの中心的地位から落ちているわけです。

 オザケンは、ハリウッドの笑いについては、「ハリウッドは非常にたくさんの人を笑わせなければならないので、大味にならざるをえない事もある」というようなことを言っていました。

 それは、多くのテレビ番組そのものです。

 逆に言うと、人々をテレビに引き戻すには、ある程度絞った範囲の人々の「自分たちにしか分からないようなネタ」を提供し、テレビを共通の話題にしてくれる人を、少しずつ増やすしかないのではないかなと思います。

 さらに彼は、事前の文章で、彼らの取り組みを、「小さな舟」と言っています。
 確かに、中野サンプラザは(彼の動員力から言えば)比較的小さな会場だし、大々的な宣伝や、タイアップした曲やCDの発売もありません。
 テレビでどれくらい報道されていたのか分かりませんが、おそらく非常に小さい扱いだったのではないかと。

 彼が作ろうとしているものは、こんな風に非常にたくさんの人に届かなくてもいい。対象範囲を狭めて、その中の人の最高の笑顔を引き出すことだったのではないかと思います。

 そして、そのもくろみは見事大成功。
 完璧な一体感があふれる会場。
 最高の笑顔の前で涙ぐんだ彼の姿は、本当に素敵でした。

♪美しい星に訪れた夕暮れ時の瞬間。切なくて、切なくて、胸が痛むほど。

関連記事
スポンサーサイト
Check
警告
 小沢健二13年ぶりのコンサート。
 このコンサートは、絶対に内容を知らないで観た方が楽しいため、これから行く予定がある人はとりあえずブックマークをして、このブラウザを閉じてください。
 あと、コンサート行くとき、開演には絶対に遅れるな!仕事なんて休め!
警告終わり

 と、いうわけで、行ってきました、中野サンプラザ。
 
 中野駅からサンプラザまでのわずかな道には、ダフ屋がいて、「チケット譲ってください」の看板を持った人がおり。
 こんなの見たの、北京オリンピック以来だよ・・・。

 そして、会場。
 満員御礼。

P1000018.jpg

 売店でTシャツは売り切れ。

 平日の午後6:30開演という、サラリーマンにはキツイ時間にもかかわらず、会場には人がびっちり。
 男女比3:7ってところか。スーツ姿が思ったよりも少ない。 年齢はやはりアラサーまわりが大多数・・・

 なんてことを考えていたら、会場が暗転しました。

 非常灯や足下灯まで消え、天井のライトの小さな光が、軽く雲がかかった夜の星空のように、ぼーっと光っています。

 真っ暗で何も見えない舞台の上に、人が歩く気配が。(もりぞおさんは前から6列目)
 そして、唐突に音楽がはじまります。

 流れ星ビバップ



 真夏の果実のような過去の楽しい思い出の、堅い種だけ心の中に残る日々
 しかし、時が流れ傷は消えてゆき、もどかしさと共に思い出の中に消えてゆく
 そんな曲。

 13年間、イライラを越えてあきらめを越えて思い出の中に消えていった。
 このライブが決るまでの、ファンと小沢健二の関係を予見したような曲。

 姿の見えないオザケンは、あのときと変わらぬ声で、以上に音符が多いハイテンションの曲を、元気に歌い上げます。


 突如音楽が止まり、舞台の真ん中にろうそくの明かりのような小さな光が。
 
 何かの文章を朗読し始めるオザケン。

 大停電のNYの夜の話。
 その夜、大混乱する人々の中で、街の隅っこをよく知る浮浪者や、小さな電力で細々と放送する小さなラジオ局は大活躍。
 スーパーは肉や野菜をタダで振る舞い、家ではたくさんの人のために料理が作られる。小さなラジオが音楽を奏でる。

 NYの特別な夜。

 その話は、中野に集まったみんなを、特別な夜に招待する話でした。

「流れ星ビバップ」に続いて「ぼくらが旅に出る理由」


 NYを舞台に、離ればなれに暮らす恋人同士の歌。

♪僕らが住むこの世界では太陽がいつも昇り、喜びと悲しみが時にたずねる!

 一番が終わったところで、ぱっと明かりが!

 オザケン!変わってない!

 太ったとか、禿げたとか、未確認情報がネットの隅っこで飛び交っていた彼ですが、13年前と全然変わっていませんでした。
 どうやら、村上春樹が提唱した「海外に行っている間は歳を取らない」説は本当のようです。

 そこから、幸せの王子様全盛期、アルバムLIFEおよびその周辺の曲が次々と奏でられる。
 微妙にアレンジが変わってたりするものの、歌声は変わらないオザケンくん。

 しかし、曲と曲の合間に、謎の朗読が入ります。

 知人の金持ちの人は、靴を2回履いたら捨ててしまう。
 一般人は、お洒落が出来なくてかわいそう。。
 でも普通の人は、こう言う。あんなに靴ばっか買ってバカみたい。

 同じことが日本でも起こる。
 途上国の国の人の写真を見て、靴に穴が空いててかわいそう。
 でも途上国の人は、こう言う。あんなにものが高い国で暮らしててかわいそう。

「幸せの定義」の違い。
 私がキューバで感じたことと一緒の話です。

 そして、その続きでこんな話を。
 イスラム教徒の友人が、マツダの中古車を改造して、格好良く乗っている。
「俺は他のどの車よりも、この車が大好きなんだ。」

 そこで、流れてきた、インド風の音楽・・・が続いて、インドアレンジで歌い出した曲は・・・

♪カローラⅡに乗って、買い物にでかけたらー 
 
 その後も爆音で続くヒット曲。
 十数年ぶりのライブなのに、ドアノックダンスという特殊な踊りを踊れる人々。
 十数年ぶりのライブなのに、ブギーバックのラップ部分を歌詞なしで歌える人々。

 ここは、十数年前の同じ音楽体験を共有している人々の幸せな集まりです。

「幸せの定義」は人それぞれであり、同じ笑いや同じ音楽を知っているという連帯感は、その人たちの幸せを喚起する。

 メキシコのプロレス。キューバの音楽。ブラジルのカーニバル。
 そして、日本のオザケン。

 彼は、こう言っていました。
「日本の、大衆音楽であることを誇りに思います。」

 小沢健二の楽曲を媒介に、十数年前のオザケンと、十数年前の自分たちと、楽しかったあの頃をみた連帯感が幸せを喚起する。

それは、完璧な絵のように。

 小沢健二の代表曲のひとつにラブリーという曲があります。
 ライブの中で、「ラブリー」の練習をしました。

「あと1時間後にこの曲をやるので、一緒に歌ってください。
 歌詞が変わっているので練習します。」

♪LOVELY LOVELY WAY, Can't you see the way? It's a
 この部分を、
♪LOVELY LOVELY WAY, 完璧な絵に似た
 と。

 はじめは違和感が残っているのですが、何度目かにはすっかり詞が音に乗るようになります。


 本編の最後、この歌を歌う、舞台の上と観客席の姿。
 やっぱりよくよく見ると、歳をとってる小沢健二。さすがにもう王子様とは呼べない。 
 もちろん歳をとってる観客席の人々。さすがにもうオリーブ少女とは呼べない。

 十数年前と比べれば、ちょこっと日に焼けて色あせてたり、絵の具が酸化して色が変わっているかもしれないけれど、
 そこに向けられた情熱や、そこから感じられる感動、ぎゅっと詰め込まれた気持ちは変わらない。

 完璧に幸せに描き込まれた絵のように

 13年ぶりの小沢健二が表現したかったのはこんなコトだったのかと思います。
 長い間いろいろなことがあったけれど、またひとつの所に集まって、自分の音楽を媒介に幸せを共有することが出来る。

 音楽ってそういうもんだし、幸せってそういうもんだし、もっと言えば人生ってそんなもん。

 アンコールが終わり、舞台から姿を消す前に彼はこう言っていました。

 この街と、みんながいなかったら生まれていなかった音楽です。
 本当にありがとう。


 こちらこそ、ありがとう。幸せの王子様と、素敵な音楽に。



関連記事
Check
世界は我々に無関心だ
 だから我々は撮影する


もりぞおさんが、渋谷のガラガラの映画館に観に行ったのは、ビルマの2007年の暴動のドキュメント映画でした。

ビルマ2

ホームビデオをカバンに隠し、草陰に隠れ、撮った映像。
これが、政府関係者に見つかれば即逮捕。場合によっては終身刑。

命がけ感漂う、恐ろしい映画でした。

もりぞおさんは、2006年にビルマに行っています。

もりぞお世界紀行 ビルマ編

 もちろん、当時もビルマ経済は軍事独裁政権によりえらいことになっていました。
 例えば、100ドル(1万円)を、現地通貨チャットに両替するとこんなことになります。

ビルマ1

 通貨の価値は日々下落しており、さらに国民は外貨を持つことを法律で禁止されています。
 映画の中でも政府が突如ガソリン価格を倍にするという話が出ており、庶民の生活が悲惨なことになっていることが分かります。
 日本人旅行者であるもりぞおさんが、現地の物価を「タダ同然」と感じるということは、ビルマ一般市民からみれば、日本(および先進国)の製品は「手の届かない高級品」となるわけです。

 グッドピープル・クレイジーガバメント(良い国民、狂った政府)といわれるこの国の様子はblogの記事を読んでいただければと思います。

 そして、帰国後も、いろいろ情報を追いかけ、この映画に出てくる暴動や殺害された長井さんについての記事を書きました。

もりぞお世界紀行 ビルマ民主化運動編

そして、代々木公園でのイベントでは、ビルマの難民と話をしました。

眞鍋さんと、ビルマ難民に会ってきた

 彼がこんなことを訴えていました。

「私は、日本の人達に、もっと私たちの状況を理解して欲しいんです。
軍事政権に最大の援助をしているのは日本です。
日本の人達がもっと理解して、政府にもっと圧力をかけて、援助が少なくなれば、ビルマは変わる可能性があります。」


 ビルマへの援助が民主党政権になり、どう変わったのかはわかりませんが、この映画館の客入りを見る限り、日本人がビルマやビルマで亡くなった日本人ジャーナリストよりも、不思議の国に興味があることは確かなようです。

 しかし、彼らが命がけで撮影した画像は、衛星やインターネットを通じCNNやYouTube経由で世界中の人に届きました。

僧侶が蜂起し、何十万の市民が続き、映像が世界に放映される。
世論を受けて、ブッシュ大統領がが声明を出す。 
世界が少し動き、軟禁されていたアウンサンスーチーが姿を現す。

 世界がこの国に感心を持つことは、この国の状況を変える力を持っているのです。

 しかし、事態は酷い状況に向かいます。

 僧侶が、市民が、日本人ジャーナリストが、兵士に撃たれる映像。
 今のバンコクからの映像がそうであるように、ラングーンの街並み、バカ仏が並ぶ寺院。見たことのある光景の中で、銃声が響き人が倒れるのを観ることの辛さ。
 しかし、これが現実です。

ビルマの報道に興味を持つのは、ビルマのためだけではありません。
私が、ここから学んだのは、

組織や国は間違いを犯すこと
その間違いにより、自分たちが被害を受けること
そして、これを実感として持って置かねばならないこと
 です。

私は元々、国や会社に依存してはいけないと肝に銘じていましたが、ビルマに行ってから、自分の思想が強固になりました。

国も会社も、それなりの確率で、駄目になる
そのために、自分でどうやって生きていくか考え、準備をしなきゃいけない


会社も国も、駄目になる寸前まで、いや、駄目になった後もきれい事を繰り返します。
ミャンマーも北朝鮮も、政府声明的には、国民は幸せに暮らしていることになっています。

疑いの目を向けなければ、疑いはない。しかし、現実はそこにある。

この映画の語り部になっている男は、序盤に政府に捕まり、釈放され、バンコクに身を隠しています。
映画の中には、現地に行くことの出来ない悔しさが詰まっています。

そして、終盤。

実働部隊は見つかり、潰され、数名は終身刑になったとされています。
その後、ビルマに関する情報は極端に減っています。
今、あの国はいったいどうなっているのか・・・。

主人公はバンコクで新たに組織を作っているそうです。
自ら望んで外に出たわけではないですが、結果的に外に出ていたからこそ、映画を作成でき、組織の命脈も絶たれずに済んだ。
彼は、ビルマに残ったわずかな希望なのかもしれません。

いつでも外に出れるようにする。そんな準備は必要です。

 
関連記事
Check
 もりぞおさんの中でにわかに起こったプロレスブームから生まれた、プロレス書評最終回。
 もりぞおさんの2009年ベスト映画、レスラーです。

レスラー スペシャル・エディション [DVD]レスラー スペシャル・エディション [DVD]
(2010/01/15)
ミッキー・ロークマリサ・トメイ

商品詳細を見る


 私が青森で観てkamiproでAV出演を否定した、ザ・グレート・サスケは、この映画を観て、主人公ランディを自分と重ね合わせ、コスチュームから必殺技まで全て真似て試合をしています。

 そして、サスケだけでなく、ランディを演じているミッキーロークも主人公そのものです。

 80年代、テレビで、マジソンスクエアガーデンで、スポットライトを浴び続けたプロレスラー・ランディ。21世紀の今、彼はすっかり落ちぶれています。
 それは、80年代一斉を風靡したミッキーロークそのものです。

 プロレス人気がすっかり消え失せた今でも、小さな会場で暖かいプロレスファンの間でヒーローを演じるランディ。

 この映画の中ではプロレスの全てが出ています。

 試合前の打ち合わせ、
 流血のために自分の額を切る用に仕込むカミソリ、
 歳をとっても筋肉を衰えさせないためのステロイド、
 ホームセンターで楽しそうに行う、凶器選び。

 そして、平日はスーパーでバイト。

 仲間で協力して、身体を傷つけて、命を縮めて、創意工夫をして、
 全力でリングの上でヒーローとなっている彼は、平日はなんでもないただのアルバイター。
 住む家はトレーラーハウス。しかも家賃滞納。

 元スーパースターのランディでさえこうなのですから、他の人は大変です。
 がらんとした会議室で行われる、レジェンドレスラーのサイン会では、あちこちに障害を抱えた元レスラーたちが、退屈そうにサインを求めてくる客を待っています。

 
 プロレスという、沈みゆく業界で必死に生き延びていこうとする男の物語。
 これと同じ物語は、出版や新聞、テレビ業界でも起こりうる話かもしれません。

 もっというと、日本人全体が、沈みゆく国で必死に生き延びていこうとする人々か。

 ランディは、リングの下では完全な駄目人間です。
 妻には逃げられ、
 娘にはガチで嫌われ(嫌われる理由も最低)、
 子持ちのストリッパーに逃げられ、
 バイトをクビになり。

 それでも、リングの中ではスターであり続けようとするのです。

「俺にとって痛いのは外の現実の方だ。」

 プロであり続けようとする強さ。
 現実から逃げ続ける弱さ。
 ファンを愛し続ける心。
 自分を愛することの出来ない心。

 成功体験を忘れられないのか、
 自分の選んだ道を進み続けるしかないのか。

 彼の生き様は、人生の光と陰に彩られ続けます。
 それを、悲惨と言うのか、幸せと呼ぶのか、それすらも分からなくなる生き様。

 どんな人生でも、上手くいかないことはたくさん出てきます。
 そして、日本社会が思いっきり下り坂にある今、上手くいかないことの方が普通になっています。

 そんななか、どうやって生きていくのか。

 ハッキリ言って、彼の生き方は成功とはほど遠いモノがあります。
 彼のようになりたいとはとても思えません。

 でも、そうしなくてはならない。そうすることでしか自分であることが出来ない。

 この不器用すぎる生き様を観ると、例え自殺するくらいまで追い込まれてもそれでも働き続ける日本のお父さんのことを考えてしまいます。

 そのお父さんたちには、小さな会場で大声援で迎えてくれる暖かい観客はいたのでしょうか?

 最近、山手線のホームの隅っこには、青い光が灯っています。
 これは、電車に投身自殺をしようとする人の心を少しでも落ち着けようとするための施策だそうです。

 朝、ふらふらと山手線の線路に飛び降りる人。
 その姿は、命がけで必殺技のラム・ジャムを繰り出すランディの姿に重なります。

 いつ負け犬になるか分からない時代。
 負け犬の中の負け犬の生き様を見て、生きる目的を考える。

 21世紀の日本人、必見の映画です。
 
レスラー スペシャル・エディション [DVD]レスラー スペシャル・エディション [DVD]
(2010/01/15)
ミッキー・ロークマリサ・トメイ

商品詳細を見る



 関係ないのですが、21世紀の勝ち組の祭典、上海万博に行ってくることにしました。
 現在、こちらのサイトで、上海万博でやって欲しいコトリクエスト募集中です!

突如上海万博に行くことにしました。やって欲しいこと募集します!

 
関連記事
Check
 もりぞおさんの数少ない愛読誌、kamipro(紙のプロレス)

 最新号の中心は、青木真也という日本プロ野球でいうところのイチローのようなダントツの実力を持った男が、アメリカメジャーのチャンピオンシップに挑戦し、完封負けしたことの特集号です。

kamipro Special 2010 JUNE(エンターブレインムック)kamipro Special 2010 JUNE(エンターブレインムック)
(2010/05/07)
不明

商品詳細を見る


 この件に関しては言いたいことは山ほどあるのですが、興味がある読者の人が少ないと思うので、表紙にも載っていない小さな特集記事「プロレスと政治」について書きます。

 と、いうのも、今回の参議院選では、タンコロリンこと谷亮子だけでなく、プロレスラー兼ガン患者の西村修や、前田日明など、プロレスラーの出馬が噂されているのです。

 プロレスラーは、どうしようもない人がたくさんいるのですが、その中でもきわめてどうしようもない人が議員になっています。
 アントニオ猪木、大仁田厚・・・。

 そして、今回フューチャーしたいのは、前岩手県議会議員、ザ・グレート・サスケです。

sasuke.jpg

 もりぞおさんが先週観に行った、みちのくプロレスの創始者であり、現社長でもあります。

 当時、みちのくプロレスの社長でありながら、社員およびレスラーにハブにされていたサスケは、一人で勝手に県議会議員に自由党(現在の民主党)から立候補。見事当選してしまいました。(岩手県は小沢一郎のお膝元)

 東北の英雄と言われた彼がやったことは

・覆面で議会に出ることに対し「表情が分からないから駄目」といわれ、表情が分かるような特製マスクを作った。
・「岩手県内にUFOの目撃情報が多数相次いでいるが、県はどう認識しているか」と質問した(ちなみに回答は「県民に危害を及ぼすことがあったら考える」)
・アメリカの通信傍受装置「エシュロン」(フリーメイソンとかツチノコみたいなもの)が三沢基地にあると思われるがどうするか?(回答「わかりません」)
・プロレス巡業の移動のための新幹線代を公費で払っていたことがばれて怒られる(「新幹線の混み具合を調べていた」と弁明)

 そして、

・AVに出演したことを問い詰められる。


 問題となったAVはコレ。

サスケのジュニアはヘビー級チャンピオン!! [VHS]サスケのジュニアはヘビー級チャンピオン!! [VHS]
(1999/10/25)
アダルト紺野沙織

商品詳細を見る


サスケのジュニアはヘビー級チャンピオン!!
 素晴らしすぎるタイトルが目をひきます。

 内容は、レビュー記事をご参考に。

バカAVレビュー 『サスケのJr.はヘビー級チャンピオン』

 ちなみに、パッケージには「みちのくプロレス公認」と書いてあります。
 町の体育館で行われているプロレス会場の売店でも販売してたのでしょうか。。

 意味もなくイラクや北朝鮮に行った猪木や、杉村太蔵の教育係を自ら買って出て無視された大仁田など、プロレス出身の議員にはろくな人がいません・・・。

 それでもなお出馬要請があるのは、その変な知名度からでしょう。

 とりあえず、議席をとって、後は資金集めパーティー&ワイドショー要員という、すてきなお仕事。
 日本の国政の大きな問題を感じます。

 ちゅか、民主主義の全ての国に多かれ少なかれある問題なのですが、政治家にとって選挙が大切なもの過ぎるんですよね・・・。

 選挙で当選すれば政治家としての全ての権利を手に入れることが出来、
 選挙で落選すれば、ただの無職。

 例えば、自分の会社で6年に一回の査定会議で契約延長かクビかが決るんだったら、査定会議の前数ヶ月だけ全力で仕事しますわ。
 ちゅか、査定会議に関係ない仕事なんかやってらんないでしょ。

 タレント議員は、知名度がある上に、選挙に落ちてもタレントという仕事があり、失業者にならないため、政党にとって非常に便利な存在なわけです。

 小沢一郎は、とにかく選挙を大切にして、各議員に地元の結婚式や葬式に通わせたり、毎日路上で演説やらせたり、村祭りに行っておばあちゃんと握手させたりしています。もちろん自分もやっています。

 でも、多くの国民にとってはそんなことされても何もいいことがないわけで、そんなことしてる暇があったら、国の借金減らす方法考えろよ!って思うわけです。

 選挙のために無駄な時間を使い続ける国会議員。
 選挙のためにバカを立候補させ続ける政党。

 最近、選挙が諸悪の根源のような気がしてきました。

 根本的な対策としては、ワイドショーに出てたからとか、村祭りで握手してもらったからという理由で投票しないことなのですが、たぶんそれは無理でしょう。。

 だったら、もちっといろいろな人が立候補できるように、サラリーマンに選挙休暇および議員休職を認めるとか、落選した人を議員監査室みたいな形で(格安で)雇用するとか、落選者セーフティーネットを作る必要があるんじゃないかなあ・・なんて思ったりするわけです。

 先日、BBT(大前研一がやってるビジネススクール)の人と話をしたのですが、政治家を志す「一新塾」への入学者が滅茶苦茶増えているそうです。

 そんな人へ道を作るために、なんとかならんかなあと、このステキ過ぎるレイアウトの記事を読みながら物思いにふけるわけです。


関連記事
Check
 もりぞおさんが、いきなり東北に行こうと考えたのは、こんな理由です。

 中国とかブラジルとかメキシコの首都に行き、地方都市にも行き、本も何冊か読んだ。実感としても知識としても、ある程度理解している。

 しかし、生まれも育ちも東京の私は、日本の地方都市に関して全然知らない。
 地方経済の疲弊を体感していない。

 日本の地方と言えば・・・そうだ、東北に行こう。

 実際に行ってみた東北の都市は、東京の郊外のようでした。
 町中にはチェーンの居酒屋やファーストフード、コンビニやスーパーが並び、そのまわりに地元のおばちゃんとかがやっている小売店が。

 仙台や盛岡といった中心都市は、小田急線でいうと町田であり、
 八戸とか青森だと、本厚木や相模大野。
 そして、まわりに新百合ヶ丘とか厚木とかの住宅地があると。

 そう考えると、実は、地方都市の在住者って、東京の郊外に住んでいる人とあまり変わらないのではないかと思い始めました。
 特に、家と会社の往復だけをしているお父さんとか、家とスーパーと保育園をぐるぐる回っているだけのお母さんは。

 セブンイレブンやジャスコの品揃えは首都圏と変わらないし、
 本や洋服はネットで買えるし、情報は全世界の情報が何でも見れる。
 数ヶ月に一度の東京だったら、新幹線で2,3時間で行ける。

 なんか、地方って思ったより不便じゃなくね?

 ただし、これは東京の都市圏に人口が集まる理由のひとつなのかもしれません。
 生活の基盤があまり変わらないから、仕事がたくさんあって、人がたくさんいるところに出てきても全然不安がない。
 だったら、出てくるしかないじゃん。と。

 ホンモノの田舎の人だとこうはいかないのでしょうが、地方都市を歩いてみると、そんなことが見えてきました。

 南米のブラジル以外の国では、この様な一都市集中の国ばかりです。
 日本でいうところの大阪や福岡に当たるモノがなく、大体第二の都市が仙台レベルになっている気がします。
 おそらく、第二の都市が存続していけるほどの経済的な余裕がないからでしょう。

 そうすると、これから経済力が衰えていく日本は・・・やはり、東京一極集中は避けられないでしょうね。

 一時期、ネットの普及で、世界中どこでも仕事が出来るから、田舎暮らしが進むみたいなことも言われましたが、やっぱり、人が集まってるって便利ですからね。

 ドキュメントの受け渡しや、一対一の会話ならネット越しで全く問題がないのですが、複数対複数の会議になるとさすがにキツイ。
 3拠点テレビ電話会議とか画面小さくてテレビ会議の意味がないし。
 ホリエモンも、「地方で起業するのはどうですか?」っていう質問に「オフィスの賃料なんかは安いけど、人材がそろわないから厳しい」って言ってたし。

 そうすると、どういう人が地方に行くべきなのか。
 働かない人。老人。ニート。失業者。

 うーん。。あまり受け入れたくない人ばかりだ・・・。

 私は、こういうネガティブな話を書くときに、最後にどんでん返しで希望のあることを書くようにしているのですが、今回は思いつかない。。。
 思いつかないので、前半を書いた後、一晩寝かしたのですが、やっぱり思いつかない。

 昔、宮崎駿が、こんなことを話していたということを聞きました。

「日本は、今までたくさん町を作ってきた。
 しかし、人口が減っている今、今度は町を減らす作業をしなくてはならない。」

 ホリエモンの様な合理的な人ではなく、宮崎駿のような田舎や自然を愛する人が言う言葉なので、さらに印象的です。

 小泉政権により、地方は壊滅した

 ということになっていますが、正直、誰のどの政権でも地方は壊滅したのだと思います。
 金を稼ぐ人にとって、東京よりも素晴らしいと思えることがなければ、人は減り、税収は下がるのですから。

 だから、東京には出来ないことをやるしかない。
 やはり、道州制を導入して、地方ごとに法律を変えられるようにしないと駄目だとおもいます。

 アメリカでは、アリゾナ州が、英語しゃべれないヒスパニックの人を逮捕してもいい法が出来ました。白人至上主義の人が集まってきそうです。
 カルフォルニア州では、マリファナの合法化の市民投票が行われます。ヒッピーの人が集まってきそうです。

 在日出て行け法を作ってネット右翼の人を集めたり、マリファナ特区を作って窪塚くんや井上陽水を集めたり。

 そんなことをすると、日本の国内旅行ももっと楽しくなるんだけどなあなんて思った東北旅行でした。
 と、いうわけで、次回から普通の書評に戻ります。


 
 
関連記事
Check
と、いうわけで、東北に3泊4日で行ってきたわけですが、その東北にもバカなものがたくさんありました。

で、今回はそれをだらだらっとご紹介します。

まずは、仙台編。
 駅のまわりをうろっとしただけなのですが・・まず、さすが楽天イーグルスの本拠地だけあって、楽天応援キャンペーンがそこかしこに張られてます。(ちなみに、東北楽天ですが、他の県では一度もみなかった。)

 しかし、ソフトバンクショップにまで・・・。
P1150315.jpg

 そして、林家ぺーパーさんくらいしか住めなさそうなアパート。
P1150356.jpg

 そして、オサレショップ。
P1150366.jpg

 続いて、宿を求めて電車で一時間半かけて行った釜石。
 ちなみに、この電車が急に止まったと思ったら、

「ただいま、鹿と衝突しましたので、車両点検のためしばらく停止します」
 だってさ。
 東京の電車だと、ふつう別の生物なんですけどねえ。。

 で、翌朝、バスで10分くらい遠出すると・・・

 練習試合中の高校野球のグラウンドの向こうに・・・
P1150374.jpg

 巨大な観音が・・・これは、MJ(みうらじゅん)が必ず行ってるな・・・。

P1150379.jpg

 中に入って登ることが出来るのですが、こんな風に
P1150382.jpg

 お布施の要求とか、水子供養とかの看板がそこかしこに・・・。まさに、恐喝産業。

 そして、岩手は太宰治の故郷らしいのですが・・・
P1150507.jpg

 これはひどい。。。

 さて、舞台は最後の青森へ。
 青森の市街には、ピラミッドがそびえています。
P1150435.jpg

 このピラミッドは、青森物産展とか、青森観光地紹介パノラマ映画とか、青森の特殊邦人用の会議室とかが入っている、税金の無駄遣い建築物です。

 なかは、なかなかステキで、りんごカレー(バーモンドカレーの味がした)とか、ゆるキャラとかいろいろあるわけですが、一番度肝を抜かれたのが、ホタテソフトクリーム。
P1150437.jpg

 脂肪分が高そうなので食わなかったけど。

 そして、ちょっと旬が過ぎた感がある、カーリングせんべい。
 P1150438.jpg

 そして、何が話題なのか分からない、なまこのお守り。
 P1150441.jpg

 もう、このピラミッド丸ごと燃やしちゃえよ!

 そして、オーラスは、町中で見たポスターを見て急遽行ったみちのくプロレス。

 現みちのくプロレス社長、元岩手県議会議員、元AV男優のグレートサスケ!
P1150480.jpg

 試合相手は、北斗の拳のザコ。
 そして、サスケのコスチュームは、映画「レスラー」のミッキーロークです。

 ほんと、中学校の体育館みたいな所にゴザが敷いてあって、好きなところに座ってみるという、非常にほのぼのとしたプロレスなわけですが、お約束の客席乱入!
P1150484.jpg

 とかあって、非常に楽しい!

 そんなわけで、やっぱり出歩くと楽しいことはいろいろあるという東北のおもひででした。

関連記事
Check
 と、いうわけで、GW暇だったので、ちょっと東北まで行ってきました。
 理由とか何とかは追々と。
 まず、第一回は旅程についてお話しします。

 もりぞおさんは、旅行経験豊富で、よく小難しい文章を書いているので、さぞかし効率の良い旅をしているのだろうなどと考えている人もいるかもしれませんが、実態は大変なことになっています。

 その大変さぶりをどうぞ。


 今回、完璧に適当にうろうろしようと思い、リアル桃太郎伝説ということで、東北新幹線をサイコロで出た数だけ進むというしょうもないことをしました。

 とりあえず、仙台に行き、サイコロターイム!

P1150309.jpg


 5が出たので、北上というところに向かいます。
 何があるか全然知らないのですが。

 で、北上到着していろいろうろうろして、さて宿を探すかと。
 駅前に、東急東横インとかあったので、いってみる。

「満員です」

 あ。。。そういえば、GWで旅行者山ほどいるんだから、宿が混んでないわけないなあ。。新幹線に空きがあったのは、高速1000円が原因だろうし・・・。もう4時なんですけど・・・やばくね・・・。

 駅の観光案内所へ。

「市内のホテルは全て満室です。」

「近隣の町は?」
「それは、各町の観光案内所に聞いてください。」

 この、縦割り行政が!!


 一時間に1,2本しかない近隣の町に行って宿がなければ終わる。
 かといって、私が知っているここからいける宿らしきモノは、ポスターで見た、ここから車で1時間くらいいったところにあるらしいスキー場の簡易宿泊所だけ。

 ヤバイヨヤバイヨ。。

 しかし、世の中には便利なことにインターネットというものがある。
 早速、東横インの無料PCを無断使用。楽天トラベルで、岩手県全体の本日泊まれる宿を検索・・・一個もない。。

 じゃらんだと・・・あ、一件だけあった!釜石ってどこ!?とりあえず、決定!予約!
 結局、2時間半かけて釜石まで行き、野宿を逃れました・・・。
 たぶん、宿は山ほどあるのですが、ネットで予約出来るようになってないんだろうな。。世界一周で宿が取れなかったことが一度もなかったので、油断してた・・・。


 そして、翌日、いろいろあって、盛岡から八戸へ東北新幹線で北上!
 東京からきた新幹線は、ここ盛岡で分離して、半分は八戸へ、半分は秋田に行くのです。

P1150395.jpg

 おー。分離してるー。
 と思って、乗車。これで、間違った方に乗ったら死ぬな。。。

 ドアが閉まって・・・

「秋田新幹線にご乗車いただきまことにありがとうございます。」

 オワタ・・・・。

 もう、新幹線は荒れ狂う暴走特急。30分以上止まりませんよ・・・。
 で、次の駅で登りの新幹線に乗り換えて・・・東北新幹線は1時間に一本しかないので。。。結局まる二時間無駄に過ごしました。

 世の中で一番無駄な二時間は、「山田雅人ギャグ100連発」を視聴する2時間だと思いますが、この2時間も相当のモノです。

 もう、腹立って、新幹線のデッキの地べたに座って、1Q84読んでたから、それなりに充実はしてたのですが。

 こんな感じで、適当かつ失敗だらけの人生です。
 それでも結構元気に生きています・・・。

 ちなみに、コレに懲りて、翌日はちゃんと宿を予約してから進むことにしました。
 と、いうことで、リアル桃鉄、サイコロを振って東北新幹線を進む計画は、めでたく頓挫したということで。

 何やってるんだろう・・・私・・・。
 


本文があまりにもしょうもないので、今回の旅で一番綺麗な写真を。
 青森県弘前城の夜桜!

P1150553.jpg
 
実は、帰りの飛行機もしくは新幹線がとれず、旅程が2泊3日から3泊4日に。
そのおかげで見れたのが、この夜桜。
回り道は必ずしも悪いモノではなく、むしろ幸福をもたらしてくれる場合もあるのだ。

関連記事
Check
 プレシャス PRECIOUS 宝物
 という名前の女性が主人公の映画。

プレシャス


 舞台は1979年のニューヨーク。ハーレム地区。
 当時治安が悪かったニューヨークの中で、ブロンクス、クイーンズと並んで、スラム化していた地域。

 プレシャスの外見を、有名人に例えると、小錦。
 ものすごくデブの黒人です。

 彼女は母親と二人暮らし。社会保障で生きている。
 父親は失踪中。

 薄暗い部屋で気持ち悪い油まみれの食べ物を食らうデブ母娘。

 母親は、娘をののしり続けます。
 料理が不味いこと。
 どうせ学校に行っても、頭は良くならないこと。
 旦那を奪ったこと。
 旦那との一人目の子供がダウン症なこと。
 そして、旦那の二人目の子供を身ごもっていること。

 プレシャスの心に、父親からレイプされている光景がフラッシュバックされます。

 ここまで、10分。

 映画を観ている私が、あまりの凄絶さに失神しそうになります。

 それは、プレシャスも同じ。いや、もっとひどい。
 そして、プレシャスの心は妄想の世界に飛んでいきます。

 ウーピーゴールドバーグのような美しい衣装を着て、レッドカーペットを歩くプレシャス。
 窓の下をのぞけば、白人の男がバイクに乗ってプレシャスを待っている。

 字が読めないので本も読めず、人生に絶望しているので教室でも一番後ろの席で何も出来ず、あまりにも悲惨なので現実を観ることも出来ないプレシャスの妄想の中の輝かしい世界は、そのギャップが故にあまりにも哀しく、切ないモノです。

 その悲惨さは、ケータイ小説のような無理矢理悲劇をつなげたモノでもなく、金八先生のような無理矢理いい話にするモノでもなく、リアルで、手のつけようがなく、どこまでも深く多層的です。

 それは、この話の作者が、NYで、プレシャスの様な人々と接してきた人だからです。


 妊娠が原因で学校をクビになった彼女は、代替学校に行くことになります。
 そして、そこで出会った美人の黒人の先生。
 彼女から、字を教わり、文章を書くことを教わり、優しさを教わります。
 
 そして、二度目の出産。

 この中で、少しずつ人間性を取り戻す姿。
 最悪の場所から脱出し、自分が生きている理由を見つけ、歩き始める姿。

 彼女が妄想の中で逃げ込むきらびやかな世界とは大きく違っていますが、素晴らしい世界です。

 たぶん、彼女は、アメリカや日本でいうところの、下流社会の人間でしょう。
 それは、最低の世界で暮らしている間も、生きる希望を見いだした後も。

 生活保護の世話になり、汚い部屋に住み、収入もなく子供が二人のシングルマザー。

 その状況説明通り悲惨な姿と、その状況とは逆にしっかりと生きる姿。

 貧乏にもいろいろな種類があり、悲惨の極地からも、ちょっとした出会いや、ちょっとした学びで、生きる希望を見いだせる。

 明らかに、ものすごく、重くて、暗い映画なのに、すがすがしい気分になれる映画なのです。
 これから貧しくなっていく日本に必要なのは、ケータイ小説ではなく、コレだと思います。

 そして・・・さらに幸せになっていくプレシャスの姿を追いかけたいのですが、彼女に与えられた運命はさらに悲惨の極地に突き落とされます。

 その、あまりの悲惨さは。。。この映画を観る予定のない人は、「続きを読む」で確認してください。

 生きていくことの辛さと、それでも生きていける強さ。

 多くの映画の中で普遍的に語られているものですが、そのリアルさと凄絶さで、このプレシャスは群を抜いている気がします。

 東京で2館しか上映していないのは、本当に惜しい。
 是非皆さんに観て欲しい一作です。

プレシャス (河出文庫)プレシャス (河出文庫)
(2010/04/10)
サファイア

商品詳細を見る



... 続きを読む
関連記事
Check
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。