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 2回も観に行ってしまいました。  マイケルジャクソン This is It.

 1度目は新宿バルト9という映画館。
 平日6:30の回なのに900席以上の客席はほぼ満員でした。
 音響設備もすばらしいこの映画館。最高です。

 しかし、さらに上を目指して、川崎のiMaxシアターへ。
 巨大なスクリーンと、数十個のスピーカー。至高です。

 そして、もりぞおさんは、実はマイケルのコンサートにも行ったことがあります。
 1996年。当時東京ドームでバイトしてたもりぞおさん。
 ガラガラの東京ドーム。大遅刻。短い公演時間。口パク。
 そして、なにより、当時のマイケルのイメージは、整形オバケ・スーパー成金・性的異常者。

 正直、コンサートの印象が何も残っていません。

 この、1996年頃が、私が(今は全く観ていない)テレビを観ていた最後の頃。
 毎朝のワイドショーでマイケルのイメージが築きあげられていたと思われます。

 今思えば、あの頃も今と同じようにテレビを観ておらず、先入観なしにコンサートを観ることが出来ていればと思うと、残念でなりません。

 そして、約10年ほど大きな活動をしてなかったマイケル。
 私は、その間、ずーっと無関心。
 そんななか、世界旅行中聞いていたPodcast。
 以前ご紹介した「新しいマイケルジャクソンの教科書」の作者、西寺郷太の熱い語りでマイケルに興味を持ち出しました。

 彼の曲を少しずつ聴き始めました。
 そして、その旅行中にマイケル死去。
 彼の曲を聞き、映像を見て、本を読み、今に至るわけです。

 
 映画、This is Itは、本当に素晴らしい映画でした。

 ベースの指導をするために、「ドゥダダン」と口ずさむリズムのキレ。
 バラードの中で奏でる高く澄んだ声。
 そして、ダンスと曲に込められたメッセージ。

 例えば、Billie Jean
 一人で踊る彼の全ての動きと存在感。
 それに魅せられて、涙腺がゆるみます。

 例えば、Heal the World
 そのどこまでも優しく、きれいな歌詞。
 それに魅せられて、またも涙腺がゆるみます。

まさに、圧倒的なパフォーマンス。

 しかし、この映画にはもう一つの側面があります。
 それは、「マイケルジャクソン」というストーリーの最終章であるということ。

 映画のラストシーンは、それまでの流れが集まった終着駅であるように、
 この映画は、マイケルジャクソンの人生という物語の一つの終着駅になっているのです。
 
 例えば、Billie Jean
 マイケルがこのコンサートのダンサーを集めるオーディションを行ったとき、一番気に入ったダンサーが、日本人の「ケント モリ」という人でした。

「すごいダンサーを見つけたんだ。彼はぼくのように踊るんだ。外見もぼくに似ててね。彼をオーディションで見たとき、久々に鳥肌が立ったよ。で、その彼はなんと日本人なんだ。」

 ケントはマイケルにあこがれてダンスを始め、マイケルと競演するために海を渡った男です。

 しかし、このとき彼はマドンナのダンサーとして契約していました。
 契約は契約。あきらめきれないマイケルが直接マドンナに電話をしても、マドンナは彼を手放しませんでした。

 そして、マイケルの訃報。

 コンサートツアー中のマドンナは、自分のコンサートの中にマイケルの追悼コーナーを作りました。そして、ケントにこういったのです。
「今日はあなたがマイケルよ。マイケルの魂と共に踊りなさい。」
 そこで彼が踊ったのが、Billie Jeanから始まるマイケルメドレーだったのです。



 Billie Jeanのマイケルの衣装で。
 


 それ故に涙腺がゆるむのです。


 例えば、Heal the World

 日本語訳は「世界を癒そう」
 彼の人生のテーマのような曲です。
 しかし、はたから見ていると、彼の人生は人を癒している余裕があるようには見えません。

 幼少の頃、限りなく虐待に近い歌とダンスの特訓を父から受け、
 大成功の後、彼が稼ぐ巨万の富に引き寄せられた有象無象の人々の思惑に振り回されまくり、、
 詐欺師まがいの親子の起こしたインチキ裁判により幼児虐待疑惑をかけられ、
 世界中のマスコミから、肌の色から性的指向まであらゆるものに関して言われなきバッシングを受けた人生。

 親を受け入れられなくなり、
 人を信じられなくなり、
 もっとも救いたかった子供にすら裏切られ、
 世界中の人から陵辱された人生。

 それでも、「世界を癒そう」と歌ったマイケル。
 一番癒されなくてはならなかったのは、マイケル自身だったのに。

 いや、もしかしたら、彼が愛せる対象はもう「世界」とか「自然」とかの抽象的なものしかなかったのかもしれない。
 でも、この歌の中で彼はこう歌っています。

 Heal the World. Make It a Better Place
  For You and Me and The Entire Human Race.
 世界を癒そう。よりよい場所を作ろう。
  あなたと、私と、人類全てにとって。




 
 それ故にまたも涙腺がゆるむのです。

 こんなことを考えていたら、あっという間に映画が終わってしまったので、2度行くことになりました。
 その中でやっと話がまとまり、この文章が出来たのです。

 この映画は、今、映画館で見ることに価値があります。
 彼のパフォーマンスを見るだけでも充分に価値があるので、時間がある人は是非観てください。

 また、にわかファンの私でもこれだけいろいろ考えられたのは、前もってマイケルの人生を呼んでいたからです。
 もうちょっと時間がある人は、「新しいマイケルジャクソンの教科書」を読んでから観に行ってください。

 で、月並みですが、「マイケル、ありがとう。」

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マイケルが唯一公式に発表しているライブビデオがこれ。
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 Live in Bucharestです。

 音楽に関しては、異常なまでの完璧主義者のマイケル。
 十数曲のアルバムを作るのに数百曲の中から選んだ数十曲をレコーディングしたと言われています。

 そんな彼がこのライブを唯一の公式発売した理由は・・・熱狂です。

 もう、訳のわからない量の観客がすし詰めになっているスタジアム。
 爆音と共にステージにマイケルが登場!
 観客、絶叫!

 10秒・・・20秒・・・動かないマイケル。

 首を45度動かした!!!
 観客、さらに絶叫!!

 そして、サングラスをはずした!!!
 観客、大爆発!!!!

 と、いったように、マイケルが動かないだけで、客席が大変なことになります。
 っていうか、観客がバタバタ失神して倒れます。
 その数、5000人ともいわれている。これが、このライブを、伝説のライブと言わしめた源泉です。

 と、いうのも、ライブが行われた1992年のルーマニア、ブカレスト。
 ここは、1989年、ルーマニア革命が起こり、共産主義から民主主義に変わったばかりの街なのです。

 全てを国に管理されていた時代から、自分たちで勝ち取った自由。
 その自由を謳歌し始めたところに訪れたカリスマ。

 その姿を見ての熱狂は、想像を絶する者があります。
 また、このDVDもその熱狂を伝える演出となっているため、序盤は不必要に客席を映しまくります。

 そんな熱狂の中のカリスマ。


 衣装は、金のハイレグTバックです。

 ダンス、歌、カリスマ性、プロデュース力、メッセージ。
 その全てが、超一流の枠を飛び出すくらいのすさまじい才能を持つマイケル。
 しかし、服装のセンスだけは、アレです。。。

 しかし、彼が繰り出すパフォーマンスのすごさは時間を忘れさせます。
 あっという間に過ぎ去る時間。

 圧巻の、Heal the WorldからMan in the Mirrorへのエンディングへ向かいます。

 地球の形をしたボールで踊る新体操の女性。


 その地球を拾い、天国からの声のように、この上なく優しい声で歌い出すマイケル。
 ライター(共産主義だからペンライトなんてないんだろう)で火を灯す観客。

 そして、各国の民族衣装を着て現れる子供たち。
 その子たちの手を引いて、大きな地球の周りを回るマイケル。

 彼の世界観がこの上なく見事に表現された名シーンです。

 そして、最後の曲、Man in the Mirror.




 良くないこともたくさん起こっている世界。
 
 ストリートの子供たちにはろくに食べるものがない
 家もなく、5セントの金も借りられない
 心は砕け、夢は流されて、存在すべき場所すらみつからない・・

 それを、見て見ぬふりをしている人々。

 でも、まずは、鏡に映った自分を見てみようよ。
 そして、

If you wanna make the world a better place
 Take a look at yourself and then make a CHAGE!
世界を良い場所にしたいなら
 自分自身を見つけて、変えるんだ!


 革命の街に訪れたカリスマが叫ぶこのメッセージ。
 熱狂は最高潮になり、失神者の数もうなぎのぼり。

 人類史上、歌に、パフォーマンスに、これほどまでに強烈に込められたメッセージはないのではないか。
 そんなことまで考えてしまうくらい強烈な映像です。


 このルーマニアでは、革命後、経済は混迷を極め、街に大量にストリートチルドレンがあふれ、チェウセスクの子供たちなどといわれたりしました。

 もしかしたら、1992年のブカレストには、そんな子供たちを見ながらこの会場にきた人たちがいたかもしれません。

 きっと、会場にきている数万人の人たちの心に、一生残るインパクトを残したマイケル。もしかしたら、その後のルーマニアの歴史もちょこっと変えているかもしれません。
 
 そんな熱狂を残して、マイケルは、宇宙服を着て飛んでいきます。
 ありがとう・・・マイケル。。
 
 このライブは、マイケルの才能と、観客の熱狂が完全にシンクロした奇跡です。
 是非、一度見てみることをおすすめします。

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 次回、マイケル三部作最終回。
 もう一つのマイケルの一面。「世界最高峰のバカ」であるマイケルのご紹介です。
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 たった今、Men in Black2という映画を観ました。
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 Men in Blackの存在は知ってたけど観たことはない。
 Men in Black2に至っては存在すら知らなかったのですが、マイケルが端役で出ていると聞いたため・・・どんだけマイケル好きなんだ・・・。

 マイケルの出番は数十秒。
 Men in Black本部にきた通信は、ペンギンが歩く氷に囲まれた空間から。
 そこで必死に話をする、真っ白な顔のマイケル。

「xx星人はやっつけた!僕をMen in Blackのメンバーにしてくれよ!エージェントMにしてくれよ!」

 このシーンは、Men in Blackが大好きなマイケルが監督に頼んで出してもらったシーンだそうです。
 かなりしつこく頼まれたようで、そのまんまのシーンが映画で再現されてます。

 ちなみに、「宇宙人だから」って理由でMIB入りは拒否されます。
 マイケルが宇宙人っぽいってところは、マイケル的にも突っ込んでいいところだったみたいです。

 そんなわけで、実はマイケルは自分が笑われることに対して結構寛容だったということにして、彼の主演映画を大いに笑ってみましょう。
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 新宿の映画館で1000円で観たのですが、amazonでDVDが990円で売ってたのが衝撃的です。

 何の前提知識もなしに観たのですが、前半はPV(マイケル風にいうとショートフィルム)のダイジェストの詰め合わせ。
 ビリージーンのPVとかいいところで切れるので、精神的に切れそうになります。

 こんなものを観るくらいなら、正式なショートフィルム集のDVDを買えば良かった。。と後悔していたのですが、後半、衝撃的な展開が訪れます。

 マイケルのショートフィルムの中でも傑作の呼び声が高いSmooth Criminal。
 日本語訳は「凄腕の犯罪者」。歌詞の内容は
「彼女を寝取られた男が、「凄腕の犯罪者はとんでもないものを盗んでいきました。彼女の心です」といって自分をごまかす」歌なのですが

 ショートフィルムは、マイケルがマフィアのたまり場っぽいバーで踊ったりマシンガンをぶっ放したりする映像です。


 伝説の、斜め45立ちが観られるのもこの映像。
 初っぱなのコインのシーンとか、鳥肌が立つ。。。

 そして、映画の中では、このショートフィルムの前後も描かれます。

 3人の子供たちと犬と楽しく遊ぶマイコー。
 しかし、犬が偶然迷い込んでしまったのが、子供たちにドラッグを売って一儲けしようとしている悪者のアジト。
 まんまと、悪者に捕まる女の子。

 マイケルは、彼女を助けるために、「凄腕の犯罪者」が巣くうバーに向かいます。

 この向かうシーンでとんでもないことが起こるのですが、あえてみなかったことにして、Smooth Criminalのショートフィルムに魅入ります。
 しかし、バーに入る前とバーの中で、明らかに衣装が違うよなあ。。。

 さあ、ショートフィルムが終わって、悪人と対決です。
 あっさりマシンガンを持った数十人の悪者に囲まれるマイケル。

 マイケル大ピンチ!ってときに、頭上に流れ星が!
 女の子が叫びます
「マイケルの、ラッキースターよ!」

 星を見たマイケルは・・・
変身


 満月を見た孫悟空のように・・・
マイケルロボ

 マイケルロボに変身します!!!!

 全く何の前提知識を持たずに映画を観た私。
 あまりのすさまじい展開に、目ん玉飛び出します。

 悪者のマシンガンは、マイケルバリアではじき返します。
 そして、反撃のマイケルキャノンで、周囲を火の海にして雑魚を殲滅します。

 逃げるボスは、マイケルジェットに変身して、
マイケルジェット

 マイケルメガ粒子砲を発射しぶっ殺します。


 強いぞ!マイケル!
 Heal the Worldで魅せる天使の歌声の持ち主と同一人物とは思えません。。まあ、ロボだし。。

 そして、マイケルはそのまま空に帰っていきます。

「ありがとう・・・マイケル・・・。」

 さすが、マイケル。物語のスケールが違います。
 このあと、スタジオライブでなぜか、ビートルズのCome Together。
 しかも、これがまた滅茶苦茶格好いい。。

 なんなんだ。。。この、異次元空間的な振れ幅の大きさは。。

 コンサートで観客が掲げているボードに
「マイケルは、神様からの贈り物」
 と、書いてありました。

 完璧な格好良さと、凄まじいメッセージ。
 滅茶苦茶やっても、力ずくで格好良くしてしまい、本気を出すと我々の理解の向こう側に行ってしまう。。

 そんな、桁違いの神様からの贈り物。
 僕らは、彼を大事にしてあげられなかった。。ごめんね。。マイケルロボ・・・。

 と、いうわけで、マイケルのパフォーマンスと物語を書いた第一話。
マイケルジャクソン This is It 自分への反省と、マイケルの物語の最終章

 カリスマ性を書いた、第二話
マイケルジャクソン Live in ブカレスト 革命の町にカリスマが降りてきた

と、バカさ加減を書いた本作で、マイケル三部作はおしまいです。
 しかし、ホントにすごいエンターティナーだ。。書きたいことはたくさんあるので、そのうち思い出したように書くと思います。

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「キューバ音楽以外は音楽ではない」
 と言い切る男。村上龍。

村上龍(ドラゴン)の世界

 そんな彼は、年中キューバに行ってるし、キューバ音楽を日本に広めるためにCDを発売したり、毎年トップバンドを日本に呼んでコンサートをしたりしています。

 私が、去年から今年の世界一周で一番のインパクトを受けた国キューバ。
 キューバの素晴らしさと異質さは、世界一周blogで総括しました。

PlayBack07-01 キューバ Countory in the Mirror(鏡の中の国) 自分たちの姿を教えてくれる国
PlayBack07-02 キューバ キューバと人生を楽しむ方法

 と、いうわけで、一年以上前に訪れた国キューバを思い出しながら、品川プリンスホテルへ。

 このホテル、中に映画館はあるは水族館はあるわと、ラスベガスみたいなのですが、品川の町にほかにこれといったモノがないのが悲しいところです。
 そして、その中のステラボールという会場も、思ったよりでかく、豪華な照明と、大量のスピーカーが備え付けられた、立派この上ない舞台です。

 客席の年齢層は結構高く、じーさんばーさんから、アラサーくらいまでが中心。
 キューバ好きと、サルサ教室が3:7くらいかな。。カンブリア宮殿ファンは・・・それだけが理由でくるとは思えないな。

 そして、キューバらしく15分遅れで司会の村上龍登場!
 まあ、テレビで見たまんまの人ですね・・・。

 キューバの小ネタを話した後、コンサートの開演です。

 キューバ編で音楽について書いたとおり、

キューバ音楽 キューバ人は皆踊るのか?

 私の感じたキューバ音楽の一番のすごさは、その音のキレです。
 ベースや、ドラム、パーカッションの音が、ビシッ/ビシッ/っと切れて、鋭角的なインパクトを身体に与えてくれるのです。

 その感覚が、たまらなく心地いい・・・。

 ベース、ドラムのソロパートが一番印象的でした・・・。

 会場は左右に席があり、真ん中はオールスタンディング。
 キレのいい音楽に身を任せていると、勝手に身体が動いてしまうわけですが、中にはやたらこなれた踊りを踊っている人もいます。

 私の目の前にいた人もその一人。
 きっと、サルサ教室とかいってるんだろうな・・・。
 見た目を一言で言うと「無理目の若め」

 なんか、このこなれ感と無理目の若め感が、大変日本的でした。

 なにせ、舞台の上のキューバ人ダンサーは、化粧が濃すぎて原型をとどめてないし、ダンサーのくせに腹が出てて、へそ出しなのですが、パンツの上に腹が乗ってますから。。
 あれだけまずいキューバ飯で、何で太るんだ。。運動もしてるのに。。。

 ちなみに、踊りもいい加減で、右側の人と左側の人のダンスが全然合ってません・・。

 でも、なんか、心のおもむくままに化粧して、飯食って、踊って・・・ってのが、大変キューバっぽい。
 派手すぎず、地味すぎず、自分のポテンシャルを押さえながらうまい落としどころに納めてる日本人女性との対比は、非常に興味深いです。

 やっぱ、キューバ人、楽しそうだなあ・・・。

 そして、コンサートでは、日本向けサービス曲も入ります。

 カンブリア宮殿テーマ曲、コーヒールンバを日本語で。
 TSUNAMIを原型をとどめないくらいアレンジしてスペイン語で。

 そして、「I Love Michael Jackson!」と言ってビートルズのCome Together歌ってた。。マイケルとビートルズを勘違いしているのでなければ、映画・スカイウォーカーを観たのでしょうか?

 キューバ人的に、マイケルロボはどうだったのだろうか・・・

ムーンウォーカー マイケルジャクソン大バカ伝説の集大成 マイケル大変身!!

 そんなこんなで、あっという間に2時間です。

 終了後に感じたのは、キューバで聞いたのとは違うな・・・ってこと。
 綺麗なホテル、豪華な照明、大量のスピーカー。

 そこから発せられる音楽はもちろん素晴らしいのですが、私の中のキューバ音楽は、場末感ただようこきたないバーの音なのです。

 そんな中で響いている、ウッドベースのキレのある音。。

 今回のコンサートは、まるで、東京の美味しいインド料理屋でカレーを食ってるような感じ。
 インドカレーは、もっと薄くてすかすかしてるんだ。。いや、このカレーも旨いけど。

 そんなわけで、また、もう一度キューバに行きたくなるのです。
 今度は、ハバナにとどまって、いろんなバーでいろんな音楽を聴いて、のんびりしたいなあ、そんなことを思いながら、仕事で疲れたお父さんたちが乗る山手線へ・・・。

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2010年1月20日水曜日、衝撃的なニュースがインターネット上で流れました。

小沢健二、約13年ぶりとなる全国ツアー『ひふみよ』を5月よりスタート!

 公式サイトには「読み物」があり、オザケンの今の状況と、コンサートの内容が書かれています。

 ボリビアや南アフリカに住んでて、今はNY在住であること。
 コンサートでは、"LIFE"の頃のメンバーで、"LIFE"の曲をやること。

 13年ぶりのコンサート。ファンの人たちが聴きたい曲をやる。
 それは、まるで、マイケルジャクソンの「THIS IS IT」

 ちなみに、小沢健二はマイケルに関して、この文章の中でも、タイガーウッズの話に絡めて、
「マイケルは、異常な外の環境によって、顔はいろいろ変わっちゃったけど、心の中の美しさだけは変わらなかった人だと思う」って語っていました。

 さて、そんな発表を受けて、一部の人々は大騒ぎ。
 mixiやtwitterなどでは、小沢祭りが繰り広げられていました。(一般紙では一郎の方ですが)

 ちなみに、mixiの小沢健二コミュニティでは、数日前からこのコンサートに関する憶測が流れていました。mixiの良質なコミュは、twitter以上の情報源だと思います。

 で、ことあるごとに言い続けていますが、もりぞおさんが、日本のアーティストの中でいまだに一番好きなのが小沢健二。
 とにかく、このコンサートに行きたくて行きたくてしようがありません。
 日本中どこへでも、会社辞めてでも行きたい。(前科があるだけに、ホントに辞める)
 しかし、小沢ファンはすでに小金を持っている人が多く、さらに業界関係者が非常に多い。
 コンサート会場が小さいこともあり、チケット入手は非常に困難が予想されます。。

 だれか、チケットのつてがある人、連絡ください!ホント、なんでもします!(痛いこと以外)よろしくお願いします!
 
 と、まあ、完全に好きすぎて頭がおかしくなっています。
 CDや曲の内容に関しては、今、一日一話づつ、コチラのミニ書評に書いていますので、本blogでは、その素晴らしさを、オザケンの歴史を振り返りながら語ってみることにします。

 父は大学教授、母は心理学者。叔父は指揮者の小澤征爾。名門の家庭に生まれた彼は、 中学校ですでに、周りの生徒を扇動してイヤな教師を退任に追い込むなど、恐るべきカリスマ性を発揮し、高校ではやや引きこもり、音楽にハマり、一浪で東大に進学します。

 東大在学中に組んだバンド「ロリポップソニック」は、デビューと同時に「フリッパーズギター」と名前を変え、5人いたメンバーも、小沢と小山田敬吾の二人となります。

 このフリッパーズの異常にお洒落な音楽性は「渋谷系」と呼ばれ大ヒット。
 ちなみに、歌詞や曲に、洋楽を中心にいろいろな曲の一部を仕込むというスタイルは、フリッパーズから小沢ソロまで引き継がれる伝統です。

 ちなみに、小沢健二は、テレビの「イントロドン!」的な番組で、自分の曲がかかったときに、思いっきり元ネタの曲をシャウトしたことがあります。

さよならなんて云えないよ、のイントロが流れる
 回答ボタンを押す小沢!ピンポーン!
「マイケルジャクソンのブラックオアホワイト!」

 さて、このフリッパーズギター。
 3枚目のアルバムの内容がかなりダークなのですが、この辺から小沢小山田の仲が悪くなり、発売後の全国ツアー中に突如解散!
 ツアーの半分はキャンセル!
 レコード会社大赤字!
 ってことで、小山田君はこの後このレコード会社のためにせっせと働くことになります。

 なんて迷惑な男なんだ・・・。

 そして、ソロ活動開始。
 クソぶっかけてやめたフリッパーズの悪夢から脱出するように、デビュー曲のタイトルは「暗闇から手を伸ばせ」
 デビューアルバム、「犬は吠えるがキャラバンは進む」の中では、フリッパーズのことを「僕がとばしすぎたジョークさ」と切り捨てています。(詳しくは、こっちのミニ書評で)

 その後、フリッパーズに関しては書くな!と戒厳令を出すほど、忌み嫌っています。おかげでマスコミ上の表記は「ロリポップソニック改名バンド」に。
 桑田佳祐が学生自体に組んでた「温泉あんまももひきバンド」みたいだ(どこが?)

 続いて出したセカンドアルバムが、もりぞおさん生涯のベストアルバム、「LIFE」
「生」の素晴らしさを歌いまくったこのアルバム。一見軽薄に見える歌詞の中に、人生の素晴らしさ、美しさ、キラキラしたものを詰め込みまくったこのアルバム。このアルバムを聴いていると、50分間があっという間に過ぎ去ります。(詳しくは、こっちのミニ書評で)

 このころ、ダウンタウンの音楽番組に出て、
「僕は王子様!みんなに幸せを呼ぶ、幸福の王子様だよー!」
 などと、とち狂ったシャウトをして大ブレイク!
 すっかり、「渋谷系王子様」のキャラが固まります。

 しかし、小室哲哉との対談番組では
「小室さんは、音楽を売るために作っているんですか?音楽が好きだから作ってるんですか?」などと、シュートを仕掛けたり
 SMAP中居君との対談で的はずれな質問ばかりする中居君に切れて、途中から音楽の専門用語バリバリで話し始め、中居君の目の泳いだ顔と知識のなさをお茶の間にさらすなど、
 時折、ダークサイドを見せることも忘れません。

 貧しい家庭に生まれ、スパルタ教育の中、才能を開花させたマイケルがキングであり、
 裕福な家庭に生まれ、何不自由なく育ち、才能がバカ受けしたオザケンが王子様なのは、なんか納得がいくようないかないような・・・。

 ただ、マイケルの歌の上手さやダンスの凄まじさは、全世界の誰でも感動できる事であるのに対し、オザケンの歌詞の素晴らしさを本当に理解できるのは、日本語ネイティブの人に限られるという点で、日本人に生まれて良かった・・と思わせてくれる、素晴らしいアーティストです。ありがとう!王子様!

 と、いったところで、普通の人が知っている小沢健二象はこの辺でとぎれていると思います。
 しかし、オザケンの歴史はまだ続きます。
 長くなっちゃったので、後半に続く。


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さて、前回の続きです。
 アルバム「LIFE」でブレイクしたオザケンくんは、この系列の曲を次々と発表します。 中でも、筒井恭平との共作、「強い気持ち、強い愛」の素晴らしさは特筆モノです。

 実は、私はこの頃まで、オザケンをただのバカだと思っていました。

「おやすみなさい!子猫ちゃん!」とか「僕はほくろをラブリーと呼ぶ」とかとち狂ったことを叫ぶ人間をまともだとは思いません。普通。

 その印象ががらりと変わったのが、ニュースステーションでした。

 なぜかニュースステーションにゲスト出演したオザケン。
 久米宏に「今週の、スポッッッッット・ライト!」
 と紹介されて歌った歌が、「さよならなんて云えないよ」

 が、歌ってる途中にアンプが爆発!CMへ!結局、エンディングで再度歌い直す事になるのですが、この時の歌詞があまりにも素晴らしすぎて。。

 この曲の歌詞だけで30行くらい書いちゃったので、詳しくはこっちを見て欲しいのですが、

「左へカーブを曲がると光る海が見えてくる!僕は思う!この瞬間は続くと、いつまでも」
 というワンフレーズの凄さに感動し、翌日にCDを購入。
 翌週までに、フリッパーズまで含めた全てのCDを集めていました。

 ちなみに、その後、オザケンが笑っていいとものテレフォンショッキングに出たときに、タモリがこのフレーズをずーっとほめてたのが印象的でした。

 その後、「痛快!ウキウキ通り」という、まさに周囲が求めているような素晴らしいタイトルの、かつ「LIFE」での「生の全肯定」というテーマをまとめ上げる恐るべきシングルを出します。
 そのカップリングが「流れ星ビバップ」という、「後悔と懺悔と再生」の歌というのもまたすごい。
 
 そんなわけで、すっかり中毒患者になった私ですが、オザケンは「次のアルバムは『オザケン海に行く』みたいな感じにしよっかな」などと適当なことを言ってしばらくリリースをお休みします。

 冬に発売されると言われていた3rdアルバムは、延びに延びて秋に発売。
 このアルバム、「球体が奏でる音楽」は、なんとJazz。
 このJazzのセンスも素晴らしい・・・。

 なお、ベース・ピアノ・オザケンという3人だけで行ったJazz Tourは、「何時間も電車を乗り継ぎ、ここは静かな町 尾道」という曲の歌詞にあわせて、東京・大阪・尾道の全国3箇所ツアー。
 相変わらずセンスが良く、迷惑です。

 さらに迷惑な事に、この後の曲のリリースは、ずーっとシングルCDで続きます。
 今は亡きシングルCD(8cmCD)。この長細いジャケットが好きだからとかわけのわからんことを言って、一枚のシングルCDに4曲入れてリリースということを続けます。

 新機軸の新曲を出したり、過去の曲をJazzアレンジしたり。
 これらの曲は、未だにアルバム化されておらず、当然Webでも販売されておらず、CDも絶版で、そもそもシングルCDという存在が絶版で。。。幻の名曲と呼ばれています。
「夢が夢なら」の詩的な美しさは、心のベストテン上位入賞です。

 そして、1997年。「ある光」という8分以上の曲をリリース。
 LIFEとは違った意味での、ある感覚の集大成のような曲でした。
 今まで、街の中に様々なモノで感情を表現していたのに対し、この曲では、自分の内側に入り、そこに「ある光」を直接表現し、その感情は、どこかへ放たれてしまいました。
 それは、今思えば、「渋谷系王子様 オザケン」の最後の光であったのかもしれません。

 数ヶ月後リリースした、「春にして君を想う」という曲は、まるで隠居したじじい。
 この曲を最後に、小沢健二はぱたりと姿を消します。

 「ある光」でも最後の輝きを見せ、「春にして・・」で燃え尽きてしまったかのように・・・。
 ちなみに、「ある光」のカップリングは、「さよならなんて云えないよ」のJazzアレンジ「美しさ」

 
 4年後。突如ニューアルバム『Eclectic』を発売。
 もりぞおさんの感想。「腹から声を出せ!!」

 さらに4年後。またも突如ニューアルバム『毎日の環境学』を発売。
 もう、全曲歌なし・・・。でも、私は未だに目覚まし時計にこの曲を使ってます。

 また、同時期に、小沢パパが発行している雑誌(限りなく同人誌に近い)季刊「子どもと昔話」にて「うさぎ!」という小説を書く。

 もりぞおさんは、この小説の書評なんかも書いています。

【書評】「うさぎ!」第一話 (小沢健二 著)

 我ながら、変態だ・・・。

「毎日の環境学」でも「うさぎ!」でも、テーマとなっているのは「資本主義社会の欺瞞」と「環境」

 その後の彼は、南米を転々とし、その経験をセミナーで喋っていたそうです。
 そのセミナーの内容は、本人の意向でWebに上げられることもなく、謎に包まれていました。
 なんというか、ヤバイ臭いがぷんぷんする活動ですね・・・。
 
 実は、私も行こうと思いかなり調べたのですが、残念ながらチケットは買えず。(開催の場所と時間までは突き止めたのに・・・)
 その後、世界一周に旅立つために小沢どころじゃなくなり・・・。

 で、今回の復活ですよ!!長かった!!!

 環境とか資本主義とか、そういうモノの真裏にいた、渋谷系王子の小沢健二。
 彼が、南米で、南アフリカで、謎のセミナーで見たモノはなんだったのか。
 さらに、2010年1月26日に更新された内容を見ると、世界中あちこちを周りながら、日本やアメリカの情報を意図的にシャットダウンし、現地の人が読んでいるニュースを、聴いている音楽のみを受け入れていたとか。

 それは、13年ぶりの「LIFE」にどのように反映されるのか?されないのか?

 日本に帰ってきた彼が、いったいどんなモノを見せてくれるのか。
 今年一番の楽しみです。

 なお、ここ一週間書きためてきた、オザケンのアルバム、シングル紹介はコチラにまとめておきました。
 オザケンに興味を持ってしまった人は、是非ドウゾ。
 
刹那刹那
(2003/12/27)
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さよならなんて云えないよさよならなんて云えないよ
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痛快ウキウキ通り痛快ウキウキ通り
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小沢健二

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世界一周旅行中に聴いていたPodcast。この中で、後に「新しいマイケルジャクソンの教科書」を書くことになる西寺郷太の熱いマイケル論に感心して入手した、「Bad」「Thriller」「Dangerous」
 
 世界中でHeal the Worldを聞きながら、コンサートツアーに思いを馳せる郷太さんの声を聞きながら。。。

 その後、思いもよらなかった訃報。
 世界中の人が「マイケルが・・・」と話題になっており、タイではすでにパチモンの追悼グッズが売られ。。。そんなモノを横目に、帰国。
 
 そんな中で観たのが、映画THIS IS ITでした。

 当時、マイケルの映像はほとんど観た記憶がなく(コンサートは行ったことあるのに・・・)初めてのマイケル体験・・・。
 映画館の熱気と、マイケルのパフォーマンスに圧倒されて書いたのがこの文章です。

マイケルジャクソン This is It 自分への反省と、マイケルの物語の最終章
 
 あれから数ヶ月。
 Live in Bucharestを何度も観て、その他ショートフィルムや動画サイトの動画も観まくり、たくさんのマイケル体験により、一層彼の素晴らしさを体感してきました。

 そして、「最後の新作」である、THIS IS ITのBru-ray。
 会社休んで観ちゃいました・・・。

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 感想。

 なんか、とても悲しい気持ちになる映像と音楽でした。

 一番楽しみにしてたSmooth CriminalとThrillerのショートフィルムは、いわば前奏。
 あの3Dの映像のあと、マイケルが歌い出すところが観たかった。。。

 劇中で歌われるマイケルの歌唱とダンスは100%とはほど遠い声量と勢い(リハーサルだから当然)
 全開のマイケルの歌とダンスを味わいたかった。

 すごい種類の、すごいゴージャスな、すごい凝った衣装の数々の紹介。
 マネキンが着ている服の紹介ではなく、この服を着たマイケルが踊っているところを観たかった。

 あのときの映画館、あのときの空気ではあれほど感動的だった音と映像が、どこかもの悲しいものにしか見えませんでした。

 で、思い出したのが、わざわざ動画サイトでみた紅白でのSMAPのマイケル追悼音頭。

 いつもどおりのSMAPの良くできた素人芸。
 SMAPとマイケルって完全に正反対だと思います。

 スーパースターでありながら、ダンスも、歌も、作詞も、作曲も、メッセージも全てが完璧に超一流であるマイケル。  
 スーパーアイドルでありながら、ダンスも、歌も、コントも、演技も、メッセージも全てが「すごく良くできた素人」レベルであるSMAP。


 おそらく、一度もテレビを観たことがないような人でも、マイケルのパフォーマンスを観れば、彼がスーパースターであることが一瞬で理解できるはず。

 おそらく、日本のテレビを観たことがある人以外が、SMAPのパフォーマンスを観ても、なぜ彼らがスーパーアイドルなのか理解できないはず。

 これは、SMAPを否定しているわけでありません。その立ち位置の違いです。
 
 そして、全てが完璧なマイケルに足りなかったモノが、SMAPがスーパーアイドルたる所以である「親しみ」です。

 マイケルが、「世界にひとつだけの花」を歌っても、「そりゃ、あんたは確かに世界一の華を持ってる天才だよ」ってことで共感を呼ぶことは出来ません。
 下手くそな歌、キレのないダンス、でも一生懸命やっている姿。それが大衆の共感を呼ぶのです。「自分にも出来るかも。」

 映画「THIS IS IT」には、この、「マイケルに足りなかったモノ」が少し入っている気がします。
 リハーサルならではの、ダサイ服装。
 メンバーになかなか真意が伝わらず、それでも必死に伝えようとする姿。
 耳にイヤフォンを入れるのを必死に、それもスタッフに気を遣いながら、拒否する姿。

 そこには、「完璧ではない」マイケルがいました。
 そんな「完璧ではない」マイケルをもっと見せていれば、世界からのマイケルの印象は、バッシングの規模は、もっと違ったモノになったかもしれません。

 ただ、このBlu-rayの中で一番感動したのは、メンバーが話したマイケルの言葉でした。

(「マイケル」という言葉の意味は「最も神に近い」なんだよ、という冗談に対して)

「駄目だよ。謙虚にならなくちゃ。神様は、ごう慢な人間から、宝物を奪っていくんだ。」
「僕らは一緒に与えられた力を生かして、他の人が宝物を探す手助けをするべきだ。」

 やっぱり、彼は完璧だ。
「世界にひとつだけの花」で共感を与えられなくても、彼は別の方法で世界中の人に感動を与えられる。
 世界一の華を、才能を使って、世界中の人の宝物を探す手助けをしてくれていたんだ。

 彼のあふれんばかりの才能。それが織りなす、ダンス、歌。
 でも、それよりも、その思想が完璧に美しい。


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こんにちは。
 めでたく小沢健二コンサートのチケットがとれたので、その記念に公式サイトの彼の文章から、いろいろ妄想しようと思います。

 前回の小説「さらば雑司ヶ谷」の中で、他人にも自分にも一切なにも期待していない「絶望大王」タモリに、唯一「これほどまでに人生を肯定できない」と言わしめたアーティストとして、むやみやたらとリスペクトされた小沢健二。

 しかし、彼は彼で、「絶望大王」的な側面がある人でした。

「幸福の王子様」の二十代を過ぎ、分別も付いて年を取り、「ある光」という、自分の心の中を見つめるような曲を書いたあと、一気にじじいの様に老け込みます。
 そして、このあと、マスコミの表舞台に一切姿を見せなくなります。

 多くの人が存在を忘れかけていた頃に発売したアルバム「Eclectic」では、「幸福の王子様」っぷりはすっかり陰を潜め、ぼそぼそと退廃的に歌う曲調にファンは混乱させられました。

 このアルバムのプロモーションもほとんど行わず、再び姿を消した彼が再び姿をあらわしたのが、小沢父が出している限りなく同人誌に近い雑誌「子供と昔話」の中での小説「うさぎ!」

 この小説の中では、現在の資本主義社会に対する批判を語っています。

 金を稼ごうという欲望(文中では「灰色」と表現)によって世界が覆われつつあること
 その灰色によって、 広告収入やライセンス料というしがらみが出来、自分の好きな表現をすることも、自由にできなくなる。
 「豊かな国」でお金の塊が大きくなりすぎたので、ものを作る仕組みを「貧しい国」に移すことにし、「豊かな国」では仕事がなくなり、若者がなまけているといじめられるようになる。「貧しい国」では、子どもたちが少ない賃金でへとへとになるまで働かされるようになる。
 そんなことを、書いています。

 これを書いていた時点で彼は、「貧しい国」であるボリビアや南アフリカにいたようです。
 それも、もりぞおさん見たいにちょこちょこ回っていたわけではなく、数ヶ月に渡る滞在で。

 この小説は、彼の中の「絶望大王」が書いたのでしょうか?
 彼は、現在の「灰色」がはびこる先進国の社会に絶望してしまったのでしょうか?

 その後、彼が謎のドキュメンタリー映画の上映会を、ネットでの告知を一切せずに、各地を転々としながらやっていたという情報を断片的に聞くにつれ、私はさらに「絶望大王」の存在を感じるようになりました。

 フリッパーズ時代に「知る人ぞ知る、新世代渋谷系アーティスト」として一部で名を馳せ、
 オザケン時代に「幸福を呼ぶ渋谷系王子様」としてテレビの中で大ブレイクをし、
 テレビとマスコミの表も裏も、そのまわりに起こる素敵なことも醜いことも知り尽くしたあと、その状況に疑問を感じ、それがいつしか絶望に。

 だから、テレビとは遠く離れた、伝搬力もなく金も動かない、自分の手の届く範囲の人だけにものを伝えるような、そんな世界に引きこもってしまった。

 私が勝手に作ったストーリーがコレです。

 しかし、今度のコンサートツアー。そしてそれに伴ってWebで発表された文章を読んで、半分は正しいけど、半分は全然違っていたことがわかりました。

 彼は文章の中で、こんな事を言っています。

 今回のコンサートは、CDのアルバムを売るためのコンサートではない。
 音楽業界では、CDアルバムを売ることを中心に全てが回っているが、今回のコンサートは、コンサートの本来の性質通り、公演そのものを目的として行われるツアーです。

 だから、関係者招待席も少ないし、メディア関係者の取材も制限している。

 そういうことか。
 今、多くのエンターテイメントでは、本来の性質通りお客さんを楽しませること以外にやらなくてはならないことがたくさんあります。

 テレビでは、CMを見せるために、面白くなるタイミングで話がぶち切りになり、続きはCMのあとで!
 映画では、観客を呼ぶために、人気がある駄目俳優を無理矢理主役にねじ込んで、台無しなる

 「灰色」によって、エンターテイメントの中で、「客を楽しませる」ということに、直線的に向かっていけない「大人の事情」がたくさん生まれてしまったのです。

 そんな中で、彼がやろうとしていることは、
 小さな舟で、従来型のモデルをさほど気にせずにコンサートを行う。ということ。

 そして、そのコンサートの空間を「愛に満ちた空間」書いています。
 憎しみではなく、密かな連帯感とか愛に満ちた空間。
 そして、その貴重な空間の中で感じたことを、その後の人生の中で、少しずつチョコレートを削ってなめるように、大切に削りながら毎日をくらしていけるような思い出を作れる空間。

 何かと忙しくて、殺伐としている空間。エンターテイメントの世界すらそんな空間で充ち満ちている。
 そんな中に、ちょっと違った空間を作る。

マイケルの言葉を借りれば、
 Make a little space, Make a better place. (小さなスペースを作ろう。もっとよい場所を作ろう。)

 村上春樹が言うところの「システム」。みんながその中に生きており、その恩恵を受けているけれども、同時に嫌だとも思っているモノ。多くは「灰色」が作ったモノ。

 それに絶望するのではなく、小さな場所、自分の声が届く範囲を変えていこうというメッセージ。
 やはり、彼は「絶望大王の前で人生の肯定を紡ぎ出してみせる、幸せの王子様」の様です。

 さて、コンサートの空間は、どんなことになるのやら。
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警告
 小沢健二13年ぶりのコンサート。
 このコンサートは、絶対に内容を知らないで観た方が楽しいため、これから行く予定がある人はとりあえずブックマークをして、このブラウザを閉じてください。
 あと、コンサート行くとき、開演には絶対に遅れるな!仕事なんて休め!
警告終わり

 と、いうわけで、行ってきました、中野サンプラザ。
 
 中野駅からサンプラザまでのわずかな道には、ダフ屋がいて、「チケット譲ってください」の看板を持った人がおり。
 こんなの見たの、北京オリンピック以来だよ・・・。

 そして、会場。
 満員御礼。

P1000018.jpg

 売店でTシャツは売り切れ。

 平日の午後6:30開演という、サラリーマンにはキツイ時間にもかかわらず、会場には人がびっちり。
 男女比3:7ってところか。スーツ姿が思ったよりも少ない。 年齢はやはりアラサーまわりが大多数・・・

 なんてことを考えていたら、会場が暗転しました。

 非常灯や足下灯まで消え、天井のライトの小さな光が、軽く雲がかかった夜の星空のように、ぼーっと光っています。

 真っ暗で何も見えない舞台の上に、人が歩く気配が。(もりぞおさんは前から6列目)
 そして、唐突に音楽がはじまります。

 流れ星ビバップ



 真夏の果実のような過去の楽しい思い出の、堅い種だけ心の中に残る日々
 しかし、時が流れ傷は消えてゆき、もどかしさと共に思い出の中に消えてゆく
 そんな曲。

 13年間、イライラを越えてあきらめを越えて思い出の中に消えていった。
 このライブが決るまでの、ファンと小沢健二の関係を予見したような曲。

 姿の見えないオザケンは、あのときと変わらぬ声で、以上に音符が多いハイテンションの曲を、元気に歌い上げます。


 突如音楽が止まり、舞台の真ん中にろうそくの明かりのような小さな光が。
 
 何かの文章を朗読し始めるオザケン。

 大停電のNYの夜の話。
 その夜、大混乱する人々の中で、街の隅っこをよく知る浮浪者や、小さな電力で細々と放送する小さなラジオ局は大活躍。
 スーパーは肉や野菜をタダで振る舞い、家ではたくさんの人のために料理が作られる。小さなラジオが音楽を奏でる。

 NYの特別な夜。

 その話は、中野に集まったみんなを、特別な夜に招待する話でした。

「流れ星ビバップ」に続いて「ぼくらが旅に出る理由」


 NYを舞台に、離ればなれに暮らす恋人同士の歌。

♪僕らが住むこの世界では太陽がいつも昇り、喜びと悲しみが時にたずねる!

 一番が終わったところで、ぱっと明かりが!

 オザケン!変わってない!

 太ったとか、禿げたとか、未確認情報がネットの隅っこで飛び交っていた彼ですが、13年前と全然変わっていませんでした。
 どうやら、村上春樹が提唱した「海外に行っている間は歳を取らない」説は本当のようです。

 そこから、幸せの王子様全盛期、アルバムLIFEおよびその周辺の曲が次々と奏でられる。
 微妙にアレンジが変わってたりするものの、歌声は変わらないオザケンくん。

 しかし、曲と曲の合間に、謎の朗読が入ります。

 知人の金持ちの人は、靴を2回履いたら捨ててしまう。
 一般人は、お洒落が出来なくてかわいそう。。
 でも普通の人は、こう言う。あんなに靴ばっか買ってバカみたい。

 同じことが日本でも起こる。
 途上国の国の人の写真を見て、靴に穴が空いててかわいそう。
 でも途上国の人は、こう言う。あんなにものが高い国で暮らしててかわいそう。

「幸せの定義」の違い。
 私がキューバで感じたことと一緒の話です。

 そして、その続きでこんな話を。
 イスラム教徒の友人が、マツダの中古車を改造して、格好良く乗っている。
「俺は他のどの車よりも、この車が大好きなんだ。」

 そこで、流れてきた、インド風の音楽・・・が続いて、インドアレンジで歌い出した曲は・・・

♪カローラⅡに乗って、買い物にでかけたらー 
 
 その後も爆音で続くヒット曲。
 十数年ぶりのライブなのに、ドアノックダンスという特殊な踊りを踊れる人々。
 十数年ぶりのライブなのに、ブギーバックのラップ部分を歌詞なしで歌える人々。

 ここは、十数年前の同じ音楽体験を共有している人々の幸せな集まりです。

「幸せの定義」は人それぞれであり、同じ笑いや同じ音楽を知っているという連帯感は、その人たちの幸せを喚起する。

 メキシコのプロレス。キューバの音楽。ブラジルのカーニバル。
 そして、日本のオザケン。

 彼は、こう言っていました。
「日本の、大衆音楽であることを誇りに思います。」

 小沢健二の楽曲を媒介に、十数年前のオザケンと、十数年前の自分たちと、楽しかったあの頃をみた連帯感が幸せを喚起する。

それは、完璧な絵のように。

 小沢健二の代表曲のひとつにラブリーという曲があります。
 ライブの中で、「ラブリー」の練習をしました。

「あと1時間後にこの曲をやるので、一緒に歌ってください。
 歌詞が変わっているので練習します。」

♪LOVELY LOVELY WAY, Can't you see the way? It's a
 この部分を、
♪LOVELY LOVELY WAY, 完璧な絵に似た
 と。

 はじめは違和感が残っているのですが、何度目かにはすっかり詞が音に乗るようになります。


 本編の最後、この歌を歌う、舞台の上と観客席の姿。
 やっぱりよくよく見ると、歳をとってる小沢健二。さすがにもう王子様とは呼べない。 
 もちろん歳をとってる観客席の人々。さすがにもうオリーブ少女とは呼べない。

 十数年前と比べれば、ちょこっと日に焼けて色あせてたり、絵の具が酸化して色が変わっているかもしれないけれど、
 そこに向けられた情熱や、そこから感じられる感動、ぎゅっと詰め込まれた気持ちは変わらない。

 完璧に幸せに描き込まれた絵のように

 13年ぶりの小沢健二が表現したかったのはこんなコトだったのかと思います。
 長い間いろいろなことがあったけれど、またひとつの所に集まって、自分の音楽を媒介に幸せを共有することが出来る。

 音楽ってそういうもんだし、幸せってそういうもんだし、もっと言えば人生ってそんなもん。

 アンコールが終わり、舞台から姿を消す前に彼はこう言っていました。

 この街と、みんながいなかったら生まれていなかった音楽です。
 本当にありがとう。


 こちらこそ、ありがとう。幸せの王子様と、素敵な音楽に。



Check
 さて、オザケンコンサートに関して、まだ書き足りないことがあるので、おまけの文章です。
 本編はコチラなので、ヒトツヨロシク。

あと、もう一回警告を。

警告
 小沢健二13年ぶりのコンサート。
 このコンサートは、絶対に内容を知らないで観た方が楽しいため、これから行く予定がある人はとりあえずブックマークをして、このブラウザを閉じてください。
 あと、コンサート行くとき、開演には絶対に遅れるな!仕事なんて休め!
警告終わり

 今回のコンサートの中で、何度か文章を朗読していたのですが、そのうちのひとつで、こんなことを言っていました。

アメリカのお笑いは大味であると言われているけれども、実はそうではない。
彼らのお笑いには、その人種ごとに、その人たちだけしか分からないようなネタがたくさん仕込まれている
その、自分たちしか分からないようなネタで笑うとき、人々は最高に楽しそうな笑い方をする

 これは、たぶん世の中の非常に多くの人が思っていることでしょう。

 女子高生が変な言葉を使うのも、
 プロレスマニアが遠い昔の試合について語り合うのも、
 旅好きが、共通して行ったことがある国の思い出話に花を咲かせるのも、

 みんな、こんな気持ちからだと思います。

 そして、今回のコンサート会場はまさにそのものでした。

 演奏曲の中心となったアルバム、"LIFE"は1994年8月発売。16年前。
 それ以外にも、絶版となっているCD、8cmシングルでしか出ていない曲など、今では入手困難なあれこれを奏でるオザケン。

 彼は、たびたび、歌うのを止めて、客席に歌うように促しました。

 今夜はブギーバックのラップ部分を歌詞なしで歌う人々とオザケンの間には、十数年の時を経てもしっかりと覚えている、音楽という絆があったのです。

 そして、その絆を確かめるように、何度も客席をあおるオザケン。

 彼が歌っていない部分を歌う観客は、最高に楽しそうな歌い方をしていたのだと思います。

 今、テレビとか雑誌とか新聞とかがボロボロになっています。
 いわゆる、マスメディアというものから、どんどん客が逃げて行っている状況です。

 この理由はいろいろあると思うのですが、ひとつは、自分たちしか分からないようなネタを共有することが出来る友人を、mixiやtwitterでかんたんに見つけられるようになったからではないでしょうか。

 昔は、共通の話題がテレビ中心だったから、人と繋がるためにテレビを見ていたけど、今は、世の中のあらゆる話題に対して共有できる仲間を見つけることが出来るので、自分が好きなことをやって、ネットで繋がる人を探せる。
 テレビは、コミュニケーションの中心的地位から落ちているわけです。

 オザケンは、ハリウッドの笑いについては、「ハリウッドは非常にたくさんの人を笑わせなければならないので、大味にならざるをえない事もある」というようなことを言っていました。

 それは、多くのテレビ番組そのものです。

 逆に言うと、人々をテレビに引き戻すには、ある程度絞った範囲の人々の「自分たちにしか分からないようなネタ」を提供し、テレビを共通の話題にしてくれる人を、少しずつ増やすしかないのではないかなと思います。

 さらに彼は、事前の文章で、彼らの取り組みを、「小さな舟」と言っています。
 確かに、中野サンプラザは(彼の動員力から言えば)比較的小さな会場だし、大々的な宣伝や、タイアップした曲やCDの発売もありません。
 テレビでどれくらい報道されていたのか分かりませんが、おそらく非常に小さい扱いだったのではないかと。

 彼が作ろうとしているものは、こんな風に非常にたくさんの人に届かなくてもいい。対象範囲を狭めて、その中の人の最高の笑顔を引き出すことだったのではないかと思います。

 そして、そのもくろみは見事大成功。
 完璧な一体感があふれる会場。
 最高の笑顔の前で涙ぐんだ彼の姿は、本当に素敵でした。

♪美しい星に訪れた夕暮れ時の瞬間。切なくて、切なくて、胸が痛むほど。

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