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 西部劇のヒーローとして、悪いインディアンをバンバン撃ち殺した男。
 ダーティーハリーとして、悪い犯罪者をバンバン撃ち殺した男。

 彼が、「硫黄島からの手紙」を経て、最後に挑んだのがこの映画。

 クリントイーストウッド 最後の主演・監督映画 グラントリノ
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 イーストウッド演じるコワルスキーは、元フォードの社員であり、元朝鮮戦争の兵士である、デトロイトに住むじじい。
 黄色人種と、日本車と、牧師と、教会と、老人ホームをこよなく嫌う、
 っていうか、愛車・グラントリノと、愛犬と、工具と、ライフル以外は全て嫌いな偏屈じじいです。

 妻には先立たれ、息子や孫からは嫌われ、家の周りの治安は悪くなり、彼は孤立していきます。
 
 そんな中、たまたま隣に越してきたモン族(中国とラオスのあいだらへんに住んでいる民族)の女の子と仲良くなることで物語は始まります。

 彼らの屈託のない明るさに惹かれ、心を開き、グラントリノをきっかけにしたトラブルで彼女の弟に友情を抱きます。

 そして、偏屈じじいは黄色人種のガキに、アメリカの魂を教えます。

 減らず口をたたき、ブラックジョークをたしなみ、ハッタリをかまし、女を口説く。
 
 クリントイーストウッドが、銀幕の中で常にたしなんできた、アメリカンな気っ風の良さ。
 おそらく、膨大な量のガソリンを食らい、年中エンジンがぶっ壊れる、フォードの名車グラントリノに通じる、アメリカン気質。

 彼が、最後の俳優業として残したかったモノのひとつがこれなのでしょう。

 しかし彼が残さなくてはならないいのは、そんなアメリカの素敵な部分だけではありませんでした。

 彼が教会に行っても決して懺悔することがなかった記憶。

 朝鮮戦争でたくさんの人を殺したという事実。
 
 これが、もう一つのアメリカです。

 それを彼は最後に、衝撃的な形で懺悔します。

「人を殺すっていうのはな。最低の気分なんだ。」

 映画のラスト。
 青空の下、グラントリノは走っていきます。

 最高にかっこいいアメリカ人を演じてきて、
 最高にかっこいいアメリカ人としてたくさんの人を殺すところを演じてきて、
 最後にたどり着いたこの境地。

 そんなものを、グラントリノに乗せて、イーストウッドは、この映画を見ているアメリカ人に受け取って欲しかったのだと思います。

 もちろん、アメリカ人でない我々も、その魂と罪はしっかりと見ておくべきモノだと思います。
 同時に、日本人として受け取らなければならないモノは何か?どこで、だれが、受け渡してくれるのか?そんなことを思いながら、これからも映画を観、本を読んでいかねばならないのだと認識させられるわけです。

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この映画は、実在の人物を題材にしたフィクションである。

ジョナサン・エリザベス・クヒオ大佐

 職業:アメリカ空軍特殊部隊パイロット
 父:カメハメハ大王の末裔
 母:エリザベス女王の妹の夫のいとこ

 と、自称していた結婚詐欺師。

 もうこの時点で、完璧なギャグです。
 無茶苦茶するにもほどがあるねん!

 しかし、映画館で物語を観ていると、大変なことに気づきます。

「この話、喜劇(コメディー)ではなく、悲劇(エレジー)だ・・・。」

 この話は、クヒオ大佐と松雪泰子演じるお弁当屋社長との話を軸に進められます。

 借金を残して消えた両親。
 ギャンブルで作った借金をせびってくる弟。

 そんな重荷を背負いながら、彼女は健気に街の小さなお弁当屋を経営し、生活しています。
 働いてばかりで、楽しい事なんてほとんどなかった人生。

 そんな彼女の所にふと舞い降りてきた夢の世界。
 それが、クヒオ大佐と、彼が語る世界だったのです。

 それは、まるで、高度経済成長の中、脇目もふらずにモーレツに働いていた日本人が、盲目的にあこがれていたアメリカのような存在。

 コカコーラのCMでも振り返ったように、そこには、自分たちが体験したことのない素晴らしい世界が広がっているように見えたのでしょう。

 しかし、このクヒオ大佐が暴れていたのは、1990年代前半。
 折しも、アメリカがクェートに侵攻した時期。
 映画の最初にも、このことが、しつこいくらい触れられています。

 この、湾岸戦争で、日本は軍隊を出さない代りにとんでもない額の戦費を負担することになりました。
 そして、そのことについて、誰にも感謝されませんでした。

 お弁当屋さんも、同様に、多額の金をクヒオ大佐に渡し、従業員の給料を払うことができなくなります。多くの人に迷惑をかけました。

 クヒオ大佐は、このことについて、こうのたまいます。

「私は、相手が望んでいることをしてあげただけだ!」
 そう。クヒオ大佐は、お弁当屋さんに夢を与えてあげていたのです。

 イミテーションの軍服を着て
 カセットテープで飛行機の騒音を流しながら電話をし、
 3箇所もスペルが間違った名刺を用意し、
 わざと片言で喋る日本語を駆使して。 

 しかし、クヒオ大佐が作っていた夢は、お弁当屋さんのためだけではありませんでした。
 クヒオ大佐自身の夢なのです。

 父親の虐待。
 貧乏ゆえの仲間はずれ。

「私は足が速かったので、一番野球が強いチームで、センターを守っていました。
 でも、ピッチャーがすごく上手かったので、ボールが飛んできません。
 だから、空ばかり見ていました。
 それで、飛行機が好きになったのです。」

 空を見ていた理由は嘘だけど、彼は、空の向こうにひとつの夢を見ていたのは本当なのでしょう。

 さらに折しも公開された2009年。
 この前の年に、アメリカは、今まで行ってきたこと全ての化けの皮がはがれました。

 国民全員に無茶な借金をさせることで作ってきた巨大消費
 相手の都合も考えずに、自国の利益のためだけに介入した国際紛争
 ありもしない金をふくらませて作った経済大国

 アメリカは言うでしょう。
「私は、世界が望んでいることをしてあげただけだ!」
 そして、態度を軟化させながらも、アメリカ人の心にはまだ、自分たちが世界の中心であるという強烈な自負が残っているようにも感じます。

 それは、ボロい自宅アパートの一室でも、片言の日本語と腕立て伏せを続けるクヒオ大佐のように。
 まるで、それを止めてしまえば、自分自身が消えてしまうような、そんな必死さで。

 映画の中でも、クヒオ大佐の嘘は、
「その嘘を信じたい」と思っている人にしか、通用しませんでした。

 2009年現在。
 アメリカの嘘を信じたい人は、世界中にどれくらいいるのでしょう?
 そして、アメリカは、世界と自分に嘘を貫き通すことができるのでしょうか?

 クヒオ大佐の悲劇(エレジー)は、アメリカと世界全体の悲劇(エレジー)につながっているような気がします。
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数ヶ月前から気になっていた映画があります。
 今の世の中、映画を観る方法なんていくらでもあります。
 新宿には、世界で一番なんじゃないかってくらいたくさんシネコンがあるし、周辺にはちょっと古い映画をやる名画座もある。
 そして、TSUTAYAに行けば、山ほどDVDが。

 しかし、その映画は、日本で数館しか上映しておらず、今見るなら名古屋まで行かねばならない。そのあとは九州。。
 DVDも出ていない。

 その映画の名前は、「今、僕は」
 
 元々俳優だった竹馬靖具という人が、「自分が出たい映画を作った」ということで、制作費50万円。監督/脚本/編集/プロデュース/主演、俺。
 主な登場人物は3人。
 そんな、映画です。

 これが、第19回映画祭 TAMA CINEMA FORUMというところでやるというので、わざわざ、京王永山とかいうきいたことのない駅まで行って観てきました。

 そして、この映画、傑作でした。

 おそらく、この後見ることが出来る人が少ないと思うので、かなりネタバレ込みで書きます。

 引きこもりが主人公の映画。
 しかし、引きこもりの原因になった理由の説明などはない。
 また、彼の心の声が流れたりもしない。
 音楽すらない。

 布団にくるまり、ゲームをやり、母親を罵倒し、コンビニでポテチを買う。

 そんなどうしようもない生活が、家庭用かもしれないカメラの画像で、淡々とつづられていきます。

 みているほうは、どうしようもなく、辛い気持ちになります。

 母親は、どうしようもなく不器用な形で息子に近づきます。
「少しは働きなさい」「なにやってんの」
 こんな接し方しかできない母親にイライラし、それに対する主人公のリアクションにもイライラします。

 そこに、母親に頼まれた、おせっかいな男がやってきます。
 主人公を無理矢理ワイナリーに連れて行って働かせる男。日曜日に草野球に連れて行く男。どうしようもなくやさしいのですが、主人公がそんなこと喜ぶわけはないだろ!と、いうことで、やはりイライラします。もちろん、それを断れない主人公にもイライラします。

 とにかく、開始数十分、イライラしつづけるのです。

 まるで、今日本を取り巻いている空気のようなイライラ感。

 しかし、男のお節介が主人公を追い込み、変化を生み出します。
 主人公はワイナリーから逃げだし、再び家に戻ります。
 そして、ベッドで丸くなります。

 そのことを知った母親は、主人公をなじります。
 逆ギレした主人公は、母親をボコにします。

 主人公は、世間との、たった2本のつながりである、男と母親を裏切ってしまいました。
 ただ、自分の意志を主張できたという点では前進かもしれません。
 しかし、本当の試練はここから始まります。

 病気になった母親は、「ごめんね。ごめんね。。」と謝り、亡くなります。
「また、一緒に働こう」と言った男は、突如、交通事故に遭います。

 2本のつながりは完全に切れてしまいました。

 映画前半のイライラ感は、絶望感に変わります。
 とにかく、辛い気持ちが会場を覆います。

 もちろん、監督の意図によって作られた絶望感なのですが、最小限の台詞と映像によって作られた絶望感は、説明に説明を重ねて合理的に作られた絶望感とは比べものにならないほど、深く、重く、不快です。


 今、世界全体として、いろいろな難易度が上がっている気がします。
 例えば、仕事。
 成果主義という制度は、成果を出した人には優しいが、成果を出してない人はかまってもらえません。存在を無視されます。
 そして、世の中には、成果を出せる人の方が少ないのです。
 自分が、成果を出せない方の人だと悟ってしまった人は、絶望し、無気力になります。

 しかし、ゲームの世界では、主人公は、危険な場所に勇気を持って踏み込んでいき、困った人を無償で助け、命がけで世界を救います。
 世界中の人は、主人公を称えます。
 自分が、選ばれしものとなって、世界に希望を与えるのです。

 このギャップの大きさは、恐怖です。
 そして、その恐怖に打ちのめされた人の姿がこの映画に映っています。
 その姿は、もしかしたら、ちょっと道を踏み間違えた自分かもしれない。


 さて、2本のつながりが切れてしまった主人公は、死を決意します。
 コードを結んで、首つり。

 が、お節介な男は、交通事故にもめげず、主人公を助けます。
 またも反射的に逃げる主人公。追う男。山の上で追いつかれ、もみ合い、泣き崩れる。

「帰ろう・・・。」

 帰る場所なんてないような気もする。
 でも、帰るしかないんだ。

 閉塞感と、息苦しさと、辛さ。
 それを、リアルに、強烈に見せてくれた「今、僕は」

 観る機会があったら、是非観ることをおすすめします。

今、僕は HP
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忘年会が始まるのが8時過ぎ。
 労働時間を減らすことに心血を注ぐもりぞおさんにはちょっと遅い時間。
 しかし、都合がいいことに、飲み屋のすぐそこに映画館があり、6時からカールじいさんがやっていました。

 ファインディングニモが大好きなもりぞおさん。
 この作品を作ったPIXARの最新作であるということ以外、カールじいさんについての前提知識はありませんでした・・・が開始十数分でぶっとびました。。。

 カールじいさんとエリーばあさんの出会いから別れまでがつづられる冒頭の十数分。

 このシーンの中で、子供時代を過ぎてから、台詞はほとんどありません。
 ふたりの数十年の生活が、映像と音楽だけで淡々とつづられていきます。

 「冒険」という名の夢を持っていたこと
 二人で仲良く暮らしていたこと
 子供が作れないことがわかって悲しむこと
 「冒険」のためにお金を貯めていたこと
 人生のいろいろなアクシデントでうまくいかなかったこと
 それでも、楽しく慎ましく、歳を重ねていったこと
 そして、エリーばあさんの死で、二人が離ればなれになってしまうこと

 そのそれぞれの、楽しさと、悲しさが、そしてそれが積み重なっていった素晴らしい人生が、たった十数分のアニメーションと音楽だけで、これ以上ないくらいにしっかりと伝わってくるのです。

 そう、アニメーションと音楽だけなのです。

 実写映画では演技をする人が人生を表現します。
 アニメ映画でも声優の声が表現の重要な役割をおいます。
 しかし、この映画では、人の姿も声もなしに、コンピュータグラフィックの映像と音楽だけで、これほどまで深く、二人の人生を描いているのです。

 素晴らしい。

 トイ・ストーリーでは「おもちゃ」。ファインディングニモでは「魚」。
 これらに人格を与えて、人の人生や成長を描いてきたピクサーが、
 ダイレクトに、「人」を使わずにCG製の「人間」に人格を与えて、人の人生を描くという冒険に出たのです。

 我々は、歴史的な冒険の目撃者かもしれません。

 そして、じいさんも冒険に出ます。
 あまりにもカラフルで美しく、CG的な、大量の風船をくっつけた「空飛ぶ家」で。

 向かう先は南米!
 エリーばあさんとの夢であった、パラダイスフォールの上に家をつくるために!

 実際の世界にあるのは、ギアナ高地のエンジェルフォールです。
 そして、このギアナ高地で繰り広げらっる奇想天外なアクション!
 CGで描かれるアクションは、ものすごく美しく、エキサイティング!
 話の展開なんて気にしない!
 でも、犬やじいさんの生態がうまいこと入った、所々に繰り広げられるネタは文句なく楽しいです。

 展開は大味なのですが、前述の十数分のあまりにも繊細なじいさんの描写が下敷きになっているので、じいさんのがんばりに、必死で感情移入してしまうのです。

 過去の静と、現在の動。

 静かだけれど楽しい生活が、ばあさんの死によって終わりを告げ、
 その生活の残り香を残すためだけに、止まってしまうかと思われたじいさんの人生。

 それが、カラフルな風船と、バカでデブなガキと、じいさんとばあさんがずっともっていた冒険心によって、この上なくエキサイティングなアドベンチャー、新たなる人生の始まりになったのです。

 別れは出会いの始まりであり、失敗は成功のスタートライン

 アメリカの失業率は10%を超え、日本でも多くの人たちが労働者としての自分の人生を否定されている状態です。

 カールじいさんも、定年で仕事はなく、最愛の妻も亡くし、最後の思い出と財産である家までも失いそうになります。

 でも、風船をつけて、若い頃の冒険心と妻との約束だけをたよりに、新しい人生を踏み出すのです。

 なんか、すごくうれしくなる話です。

 冒険の楽しさ、思い切ることの気持ちよさ。
 私が、世界一周紀行で描きたかった多くの感情が、この映画で表現されてるんです。

 いくつになっても、旅に出る理由がある。

 私は、今、猛烈にギアナ高地に行きたくなっています。
 その前に、3Dで映画を観るために、再び映画館に行くと思います。
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タイタニックでおなじみジェームスキャメロンの超大作。
 驚愕のCGを3Dで。
 そんな人工着色料バリバリの宣伝文句でおなじみアバターです。

 ただ、ストーリーも、「ナヴィ」という宇宙人が住んでいる「パンドラ」という星を征服しようとしている人類と、「ナヴィ」側に寝返った人間の戦いという、なにやら深そうな話であり、観に行ってみることにしました。

 アバターというのは、パンドラに来ている地球人が作ったモノです。
 ナヴィのDNAと地球人の作ったDNAを混ぜて作った人造人間。
 これは、人間と神経接続をすることが可能で、酸素カプセルみたいなモノに入った人間がその中で眠ると、人間の感覚、意識などがアバターに移ります。

 内蔵か遠隔操作かの違いはありますが、エヴァンゲリオンと同じ操作方法です。

 そんな、アバターを使って、科学者からはナヴィの生態を調べることを、軍人からはナヴィへの侵攻策を探るように命令されている男が主人公。
 彼が、次第に、ナヴィの人々に惹かれていくわけです。

 物語の主題は、人間と自然。
 自然を愛するナヴィの人々を、鉱物資源を求めて虐殺する人類。
 その人類に反抗する主人公。

 主人公の姿形は違いますが、風の谷のナウシカやもののけ姫と同じ立ち位置です。

 まず、何がすごいって、その映像。

 3Dメガネをかけると画面が暗く見えるのですが、この映画の大部分は、そもそもくらい場所で展開されます。

 人間であるときは、薄暗い研究所。
 そこに、3Dの地図や、PCのディスプレイがぼんやりと光っており、画面にコントラストを与えています。

 アバターであるときは、薄暗いジャングルの中。
 そこに、ぼんやり光る植物や、派手な色の生物、幻想的に浮かぶ精霊のような生物などがコントラストを与えています。

 そして、ナヴィ驚異的な身体能力を持っている上に、木の上で暮らし、翼竜のような生物に乗って空を飛ぶため、高いところのシーンが頻発します。

 これを3Dで表現すると・・・すげえ!

 序盤は、「素で見るとどうなるんだろう。。」などと何度もメガネをつけたり外したりしたものですが、後半になると、この映像世界に完全に取り込まれます。

 そして、アバターやナヴィの人々の動きも凄い。
 スターウォーズで、初めて人間以外の生物がシーンの主役を張ったと思うのですが、そこから数十年の歳月を超えて、ついに人類以外の生物が人類を倒すという物語が誕生したわけです。

 そして、その生物は、人類を倒す役割を担うだけの動きも、感情も持っているのです。
 前回のカールじいさんの空飛ぶ家で、「CGを使って人の姿も声もなしに、人生を描いている」と書きましたが、

カールじいさんの空飛ぶ家 「人」なしで「人生」を描くという、新しい冒険

 このアバターでは、「CGと人を総動員して、人類に匹敵する生物を創り出している」といったところです。

 凄まじい技術力を使って、映画の新たな領域に踏み込んだともいえる本作品。

 がしかし、観終わった後、あまり残るモノもないのが現実です。

 なんといっても、人間にもナヴィにもアバターにも自然にも葛藤がないのです。
 
 人間は最初から最後まで自然をぶっ壊す破壊者であり、そこに疑問を持つ人々を主人公の回りの数名のみ。
 ナヴィは最初から最後まで自分たちの生活に誇りを持っており、人類に迎合しようという人物は一切出てこない。
 アバターは、人間を裏切って異星人として戦いを挑むのに全く葛藤がない。
 そして、惑星パンドラの自然は、あくまでナヴィの味方です。

 そこには、エヴァンゲリオンのような「なぜ人類を救うために自分が戦わなきゃいけないのか」と悩み続ける姿も、
 山を切り開き、もののけを殺していかないと、豊かな暮らしを続けることが出来ない人間の業があらわになる姿も、
 ナウシカが命がけで暴走する王蟲を止めるような、自然の暴走と無力で愚かな人類。それでも人類の未来に救いを求める姿もありません。

 ハリウッド映画らしい、善悪がハッキリした、勧善懲悪の物語。
 その中で、ナヴィ=善、人類=悪とレッテルが貼られてしまっただけのように感じます。

 せっかく、人間とナヴィの中間のアバターという新たな生物を生み出したのに、非常にもったいない。。

 この映画、上映が始まってから、エンドロールが終わるまで2時間50分くらいある超大作です。
 そして、エンドロールに出てくる人の数が、かつて観たことがないくらい凄まじい人数なのです。

 これだけの、技術と、労力と、時間をかけたのに・・・。

 とはいえ、映像の凄まじさだけでも、充分に価値のある大作です。
 カールじいさんを観た後にでも、ドウゾ。
 
 あ、「カールじいさんは3Dで観た方が面白い」けど、「アバターは2Dで観ると何一つ面白くない」と思います。

 ここで終わらせたのですが、予想外にYahoo映画とかの評価が高いのでもうちょっと続けます。
 
 この映画の最大の欠点は、人物描写が薄いんです。
 人間のボスの大佐は、ただ悪いだけの軍人だし、
 主人公と恋に落ちるナヴィの王女は、人間だとわかってるのに恋に落ちるとき何の迷いもないし、
 ナヴィ族は自分にまとわりつく虫も殺さないのに、攻めてきた人間はまよいなくバンバカ殺すし、
 登場人物が、ものすごく薄っぺら。

 ちゅか、ナヴィって、戦争になったら、やってること、人間、ってかアメリカ人と一緒じゃん。

 大佐がこんな風になった理由が、ナヴィがこんな風に変わった理由が、きちんと描写されてたら、面白い話になったはずなのに。。
 
 3時間近い時間をかけてるのに、こんなふうに人が全然描写出来ていないのは、やっぱり、映画の趣旨が3Dで映像を見せることだからなんでしょう。

 ってなわけで、3Dの凄い映画を観たい人にはお勧めです。映像がずーーーっと凄いので眠くはなりません。

 自然と人間の調和を考えたいなら、もののけ姫か風の谷のナウシカを。。 


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風の谷のナウシカ [DVD]風の谷のナウシカ [DVD]
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 (EVANGELION:1.11) [Blu-ray]ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 (EVANGELION:1.11) [Blu-ray]
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 バイクよりも速く走り、自動車よりも堅い身体を持つ
 眼からビームを発射し、一個中隊を一撃で撃破するスーパーボイスを持つ犬、ボルト。

 そんなドラマを撮影するために、ボルトは世界から隔離されたところで育てられています。
 彼の家は、映画のセットの中。
 彼の行動する先には、全て仕掛けが施されており、彼は自分を「スーパードッグ・ボルト」だと完全に信じて生きています。
 
 撮影中以外は常に部屋の中に閉じこめられており、ドラマのヒロインであり、彼の飼い主である女の子以外とはほとんど接触がない生活です。
 
 しかし、ある事件から、彼は、その女の子と離ればなれになり、外の世界に放り出されます。
 飼い主に捨てられた、ただの犬として。

 彼の世間知らずっぷりは徹底しており、生まれてこの方腹が減ったことがないために、空腹で腹が鳴ることを、「毒を飲まされた」と感じます。
 
 同行している、飼い主に捨てられた猫は、彼に「解毒剤だ」といって食べ物を与えるわけです。

 ここまで観て、この前ニュースで見たこの記事を思い出しました。

日本人の15%の世帯が「欲しい食料買えなかった」 

 社会保険庁のアンケートで過去1年間に15.6%の世帯で、食費が足りず欲しい食料を買えなかった経験があるという記事です。

 実際は、よくあった 2.5%  ときどきあった4.5%  まれにあった8.6%という内訳であり、かなり恣意的な記事であるということがわかります。

 しかし、わざわざこんな記事を書いているということは、「食料が買えない」というのが、日本人の新聞を読む層に衝撃であるというということを示唆しています。


 映画の中でも、人間から「解毒剤」を恵んでもらって食べ終わったガリガリの猫が、
「あー、満腹なんて久しぶりー」というように、世界には、満腹なんて久しぶりの人たちがたくさんいます。

 インドやネパール、南米やキューバを歩いていれば、「欲しい食料を買えない」人たちが食べる、粗末な屋台がたくさんあります。

 キューバに至っては、キューバの庶民が絶対入れないような食堂(それでも観光客からみたらただの不味いレストラン)に入るために、外人と仲良くなって一緒に食事に行こうと誘う「おごって詐欺」が多発しています

 まあ、仲良く話をして、飯をおごるだけで、モノを盗られたり、脅されたりは一切ないので詐欺と言うほどのこともないのですが。。

 ボルトは、映画俳優という特殊な職業にある犬であり、スーパーパワーを持っていると信じ込まされるための隔離された場所で、食に困らない生活をしてきました。

 日本人は、世界第二位の経済大国という特殊な地位にある国であり、凄い才能を持っている民族だと勘違いしているために、食に困らない生活をしてきました。

 実際、ジャパンマネープッシュとか、24時間戦えますかとか、他の民族の追随を許さない、スーパーパワーを持っているわけですが、グローバル化という流れの中で、そのスーパーパワーの効力が色あせてきており、
 映画スタジオから飛び出してしまったボルトと同様に、本来の自分たちの姿に気付き、愕然とし、絶望しはじめています。

 しかし、ボルトはここで諦めません。

 飼い主の女の子に会うために、再び映画スタジオを目指します。

 無理矢理同行させている捨て猫と、変にボルトを英雄視しており、そのくせ自分はカプセルの中に閉じこもっているハムスターと共に。

 日本という国に絶望している普通の人々と、日本という国をアイデンティティのよりどころにしているネット右翼の人々のような造形が、まさに、現在の状況を表しています。

 であるがゆえに、ボルトの行動は我々に勇気を与えてくれます。
 スーパーパワーがなくたって、進んでいく力。
 自分の帰るところを、待っている人を信じる心。
 そんなものを原動力に、ただの犬であるボルトは、アメリカ大陸を横断していきます。
 
 たとえ、信じていた人に裏切られたと感じて心が折れても、それでも最後には火の中に突っ込んでいく勇気。

 がんばれ!ボルト! がんばれ!日本人! と応援してしまいます。

 カールじいさんよりもリアルさにこだわって描かれたCG。そのリアリティとスピード感は、爽快の一言です。
 映画館で見れなかったけど、BlueRayで観れたことは幸せでした。

 映像をそのまま楽しむアクション映画としても、
 ストーリーをそのまま楽しむ感動映画としても、
 物語を深読みする風刺映画としても、素晴らしい完成度の傑作です。

 ちなみに、私は日本人なのでボルトを日本人にかぶせましたが、本来はアメリカ人でしょうね。
 黒猫はオバマ民主党支持のマイノリティー。白くてデブなハムスターはブッシュ共和党支持のキリスト教と強いアメリカを信じる白人。
 
ボルト/ブルーレイ(本編DVD付) [Blu-ray]ボルト/ブルーレイ(本編DVD付) [Blu-ray]
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この書評では、基本的に映画なり本なりのいいところを取り出すことを意識しています。
 作品の中で心に残ったモノを、自分の経験と照らし合わせてストーリーを作るというのがコンセプトです。

 しかし、もりぞおさんが一番得意なのは、人やモノを小馬鹿にすること。

 と、いうわけで、新春特別企画として、2009年度最悪作品との呼び声も高い、「アマルフィ」をDVDで観てみました。

アマルフィ 女神の報酬 スタンダード・エディション [DVD]アマルフィ 女神の報酬 スタンダード・エディション [DVD]
(2010/01/01)
織田裕二天海祐希

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 すごい、日本映画でした。

 日本映画の作り方の特徴として、俳優のブッキングがあります。

 通常(っていっても、アメリカと韓国しか知りませんが)、映画を撮る際には、脚本を用意します。
 1ページ1分の内容で書かれた膨大な量の脚本の、ほんの一握りが採用され、予算が付き、そこから俳優のキャスティングが始まります。

 しかし、日本映画の場合、まずはじめに主演俳優のブッキングが始まります。
 そして、広告代理店を巻き込んでの予算獲得。
 それが終わってから、脚本作りが始まるわけです。

 日本の映画やドラマに漫画や小説の原作付きが多い理由。
 なぜか、その原作と主人公が変わってたり、登場人物の性別が変わってたりする理由は、こんなふうに結構単純明快なわけです。

 さて、このアマルフィ。
 監督インタビューでの作品の動機が
「織田裕二で、サスペンスをやりたかった」
 であることから、上記の流れにのっていることがよくわかります。

 しかし、このアマルフィは、原作なしです。(映画の公開と同時に小説も発行されたようです)
 日本映画で原作がないとどうなるか・・・とんでもないことになります。

 実は、このアマルフィという映画、「脚本」とクレジットされている人がいません。
 監督と、小説の作者が共同で脚本を書いたようなのですが、現場でぐだぐだになりまくったため、双方が責任をとるのがイヤになって、空欄にしちゃったのが真相だと言われていますがよくわかりません。

 しかし、その結果としての物語の脚本は、ひどいことになってます

 犯人は、イタリア語が全くしゃべれない日本人の子供だとわかって誘拐しているのに、連絡してくる電話は全てイタリア語
 犯人の電話で「スペイン広場にいけ!」とか振り回される織田と天海はのんびりバス移動(織田裕二、車持ってるのに・・)
 犯人が織田と天海をアマルフィに呼び出した理由がわからない(一日時間を稼ぎたかったのだろうけど、なんでアマルフィ?)
 イタリアのほとんどの観光地と信号機を管理する警備会社の警備が超ボンクラで、鉄砲もった一人の女性(ふつーの日本の主婦)にあっさり占拠される
 ボタンを一個押しただけで、ローマの町が機能停止になり、挙げ句の果てに警備会社のシステムが1分でハッキングされるほどセキュリティが甘い
 織田裕二が犯人をやっつける方法が、説得。それも「おまえら、そんなことをして何になる?」という滅茶苦茶ふつーの言葉
 この作戦が終わったら死ぬ覚悟の犯人が、あっさり説得に折れる
 
 ざっと思い出しただけでも、こんな感じで、もうどうしようもないです。。
 読み返して、あまりにも多すぎてうざいので、半分カットしました。。

 さらに、演出もひどくて、

 いきなり音楽が止まって画面がブラックアウトする(DVDが壊れたかと思った)
 スペイン広場で、イタリアンジェラートを踏んづける(ローマでローマの休日オマージュだー!)
 イタリア警察のおやぢがキャプテン翼ファン(ボールハトモダチ、コワクナイ)
 なにげなくホテルのテレビでキャプテン翼がやってる(ちなみに、イタリアでは翼くんの名前はオリバーハットンなのだが。。)
 アマルフィの空撮の映像がピンボケ
 福山雅治が、物語に何のからみもない金髪美女を常にはべらしている
 
 など、ダサダサ演出のオンパレード。

 これは、ひどい。

 もう、穴だらけの脚本と、ダサダサの演出から目が離せません。

 キン肉マンとか男塾のストーリーの滅茶苦茶さは、それを上回る勢いがあるため、それ自体が味になります。
 木更津キャッツアイやタイガーアンドドラゴンでは、ダサい演出をギャグとして使っています。

 しかし、この映画は、映画全体として、本格的カッコイイサスペンス映画を作っている感が漂っているので、笑うに笑えません。
 なんでこんなんなっちゃったんだろう。。。

 監督や小説家の人が、どんな気持ちで脚本の責任をなすりつけあったのかを考えると、悲しくて映画中居眠りもできません。

 テレビ局に金がないと言われて久しい今日この頃。
 この映画に費やされた予算を、恵まれない深夜番組に渡していたら、どれほどたくさんの番組が撮れたのか。。どれほどたくさんの制作会社の社員が首にならずにすんだのか。。

 ちゅか、こんなもんばっか作ってるから、金が入ってこなくなるんだよ!

 でも、広告宣伝費が減っている現在、視聴者から直接金を取れる映画を作るテレビ局は増えていくのでしょう。テレビ局バブルの最後のあだ花。もしくは断末魔と考えると、感慨深いモノもあります。

 しかし、このアマルフィの最大の謎は、サブタイトルの「女神の報酬」
 作中に、女神らしいものも、報酬らしいものも、一切出てこない。

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マイケルムーアの最新作。
 ボーリングフォーコロンバインでは、アメリカの銃社会を、
 華氏911では、アメリカの戦争を、
 シッコでは、アメリカの医療を、
 それぞれの問題点を白日の下にさらしたドキュメンタリー映画を作ってきたこの人。
 今回は、キャピタリズム。資本主義そのものです。

 もりぞおさんは、日本企業やアメリカ企業と契約をあれこれする仕事をしているのですが、これらの企業にはこんな特徴があります。

 日本企業は、あっさり契約を結ぶが、実際に実行するときにごねる
 アメリカ企業は、契約を結ぶときごねるが、実際に実行するときは従順

 契約を破るとすぐ訴えられるのが原因でしょうが、「ルールを守る」という意識が良くも悪くも強いと感じています。

 良い意味ではフェアなのですが、悪い意味では非情です。
 この映画では、その非情さがクレイジーなまでに現れている事態が次々と出てきます。

 民営化された少年院。ここには収容している人数によって国から費用が支払われます。経営者はホテルと同じように空室率を下げることに全力を尽くします。
 宣伝するわけにもいかないのでとった手段が、判事に献金をすること。
 マリファナを吸った少年を、ショッピングモールで友達とケンカした少女を、My Space(mixiみたいなもの)に教頭の悪口を書いた少女を、
 判事は数分で有罪にし、少年院に放り込むのです。

 格安航空会社。より安い料金で顧客を運ぶために、飛行機好きの若者を、年俸200万円以下でパイロットに雇います。
 パイロットは、喫茶店でバイトをしたり、食料の配給券をもらって生活しています。

 有名な大企業たち。従業員が亡くなることは、会社にとっての損失です。だから、会社は従業員に生命保険をかけます。従業員が亡くなると、会社に数百万円の金が振り込まれるのです。
 CEOは、年間で一人も社員が死なないと、担当者を呼び出して叱るのですが。


 ルールは守っているかもしれないが、人道的に明らかにおかしい行為。
 こんな状況を見ながら、私は中学校時代にやったゲームを思い出しました。

 信長の野望戦国群雄伝
 戦国シミュレーションゲームで、自国を栄えさせ、軍事増強して、他国を滅ぼし、天下統一するゲームです。

 里見家という最弱の大名を選んだもりぞおさん。しかも隣には強大な勢力の北条家が。 そこでもりぞおさんが考えた攻略法がコレ。

 里見と北条の間にある国を占領。
 その国で税率を無茶苦茶高くして金を得て、その金で兵士を徴兵しまくる。
 民の暴動が起こる前に、その国から撤退。
 しばらくすると北条がその国を占領。民の暴動が起こりまくり北条の兵士が死にまくる
 多大な犠牲を払いながら、北条家がその国を立て直すのを待つ
 頃合いを見計らって、先ほど徴兵した兵士で北条をぶったおす

 ゲームの世界では、全ては数字で表されます。
 民の苦しみは、「民 忠誠度」というパラメータ一個で表現されるわけです。
 その数字がもたらすデメリットを回避できれば、民の苦しみなんてどうでもいいわけです。

 数字でのみモノを見ることの怖さを感じた、少年時代の体験です。
 
 きっと、大きな会社のCEOも、里見家の大名であったもりぞおさんと同じ心境だったのでしょう。
 実際の会社経営では、「民 忠誠度」なんてパラメータすらないわけですし。
 
 そのゲームの中で許されるルールを守って、目的を達成すれば報酬がもらえる。
 資本主義社会の中でのプレイヤーがやっているのは、ただこれだけのことです。

 米を根こそぎ持って行かれた上、徴兵までされる農民とか、
 少年院に入れられる少年とか、年収200万円のパイロットとか、夫が死んで会社に金が入ったことを知った妻とか、
 そんな人たちの生活は関係ないのです。

 さて、そんなことを許すルールはどこで作られたのでしょうか?
 議会です。

 レーガンの横にいる執事のような男は、メリルリンチの社員です。
 ブッシュのまわりには、ゴールドマンサックスのお偉方が集まっています。

 ルールに従順な人たちが住む国で、ルールを決める人たちを牛耳れば、何でも出来る。
 アメリカのキャピタリズムの恐ろしさはここにあるのです。

 そして、リーマンショックの後に税金から投じられた7000億ドル。
 大統領選挙2週間前のどさくさに紛れて金融機関がかっさらった膨大な金。
「何に使ったかを公表する義務はない。法律にそう書いてある」

 そんな中、マイケルムーアが思うかすかな希望が、オバマと民の反乱です。

 銀行がローンの支払いの出来ない家の立ち退きを求めても、住み続けてしまえ。
 周囲の住民をそれを応援して、銀行員を追い返してしまえ。
 マイケルムーアはそれを映画に撮って、世界中に垂れ流す!

 私は、理不尽なことがあると、
「ルールが間違ってるのだから、ルールを破ればいい。」
 といって、平気で無茶をします。

 ルールを守っていると、その見返りとして偉い人から守られることが多いため、意外と楽だったりします。
 でも、そんな誘惑に負けず、時にはルールを破るのも必要な気がします。

 アメリカ国民の多くが、ルールを破って戦い出せば・・・。
 アメリカは、CHANGE出来るのでしょうか・・。


 次回、アメリカのCHANGEしない人たちの話をします。

[追記]
 オバマ大統領が、金融機関へ税金の追加徴収を決めました。
 膨大な量のロビイスト(日本でいうところの族議員とそのとりまき)の反対を押し切っての決定。
 この人は、本当にアメリカの希望になるかもしれない。もう、なっているかもしれない。

米大統領:大手金融への課金、救済資金の全額回収が目的



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年賀状に「今年の目標は婚カツです。」と書いてみたら、9割の返信にそこに関するつっこみがあり、何かやらなくてはならなくなってきた今日この頃。

 その中でも、一番美味しいアドバイスが、
「磯山さやかが、結婚相手を募集している。」

磯山さやか婚活宣言!年内「絶対入籍」計画

 と、いうわけで、彼女のblogを見てみると、「公開お見合い」の受付をしております。

☆磯山さやかお見合い相手募集☆

 思いっきりただの一枚のHTMLなんですけど・・・。
 しかも、「応募する」ボタンを押すと、メールソフトが立ち上がります。(mailto:って奴です)
 大丈夫なのか・・・このしょぼさ・・・。と思いながら、「番組出演(顔出し有り)」を可にして応募してみました。
 当選すると、公開お見合いが、ニコニコ動画で生中継されます・・。
 
 残念ながら今回は、クリックで投票とかもないので、選考基準もさっぱりわかりません。。競争率が高いのか低いのか・・。

 ネタ的には面白かったのですが、メール一本で終わってしまって寂しいので、続いて映画を見に行くことにしました。

(500)日のサマー
500days Summer


 もりぞおさんは、一昨年8月に日本を出て、赤道直下→南米とずーっと夏を追いかけていたので、2008-9年にかけて500日くらいずーっと夏でした。

 この映画はそんな話では全然なく、主人公の男性がサマーという女性と出会ってから500日間のお話です。

 ただ、普通に1日ずつ綴られていくのではなく、500日がバラバラに出てきます。

 最初、初めてサマーを見かけた1日目なのですが、いきなり400日目くらいに飛びます。そのあと3日目くらいになって・・・と、話があっちこっちに飛びまくるのです。

 基本的には最初の方→最後の方→また最初の方と、段々真ん中に近づいていく、「火の鳥」方式なのですが、途中からその法則も崩れてきます。
 ラブラブIKEAデートのすぐ次に、会話もなくIKEAをぶらつくなど、この編集がとても楽しいです。

 それ以上に、この映画を特徴づけているのが、「完全男性視点」です。

 映画の中で流れる「心の声」はほとんど主人公。
 時々「神の声」として、監督と思われる男の声もします。

 そして、劇中で主人公はサマーに、ぶんぶん振り回されまくります。
 
 明らかに気が強そうなサマーと、明らかに気が弱そうな主人公。
 恋に恋する主人公と、必ず「I like you.」としか言わないサマー。

 時代の趨勢を表現するような、見事な女性上位の映画です。

 しかし、この映画が心地いい。
 監督は、この映画が初監督作品らしいのですが、元々音楽のPVを撮っていた人らしく、音楽と映像が異常にお洒落なのです。

 この監督は、映画の冒頭でこう言っています。

「この映画はフィクションである。
 実在の人物に似ているかもしれませんが、偶然です。
 特に、ジェニー・ベックマンは・・・ビッチ!!

 どうやら、自分がジェニー・ベックマンという人に振られた憂さ晴らしに撮った映画みたいです・・・。

 そして、この映画は、「Love Storyではない。単なるBoy meets Girlの物語です。」
 とのこと。

 従って、濃ゆい愛憎劇は一切出てきません。
 出会って→仲良くなって→ビミョーになって→仲悪くなって→別れて→内緒
 という話が、バラバラの順番で流れていきます。

 そこで、最も問題なのが、「仲良くなって」から「ビミョーになって」の間。
 明らかに、どこかのタイミングで、サマーが主人公に嫌気が差すタイミングがあるのですが、それがさっぱりわからんのです。

 完全男視点で描かれているこの映画。
 主人公も、そのタイミングにさっぱり気付いていないのですが、脚本がしっかりとよくできている映画なので、きっとどこかにそのタイミングが隠されているはずです。

 だめだ・・女心わかんないよ・・・。

 と、言うわけで、読者参加型企画!
 女性読者の皆様、この映画を観て、この「サマー・タイミング」を教えてください。
 直接伝えて頂いても、コメント欄でも、メールでもOKです。

 ただ、この企画、かなり企画倒れ感が漂っています。
 と、いうのも、この映画、東京都内で2館。全国でも10館でしか上映していないのです。。

 地味にいい映画なのになあ・・・。もったいない。。

 と、いうわけで、のだめよりは面白いと思いますので、ヒトツヨロシク。
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 超かわいくて、超強い女の子が、悪い奴らをぶったおす

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 映画チョコレートファイターのストーリーの要約は以上です。
 恐るべし、タイ映画。
 この映画の監督の傑作「マッハ」のストーリーも
「村から盗まれた仏像の頭を、悪い奴らから取り返す」
 だけだったからなあ・・・。

 しかし、これほど単純なストーリーなのに、信じられないほど面白いのです。この映画。

 まず、主人公のジージャちゃんが、恐ろしくかわいい。
 ジージャー

 そして、この娘のアクションが半端じゃないのです。
 
 元々テコンドーの選手(国の特別強化選手)であり、映画のオーディションに参加したときにプロデューサーに見初められ、4年間トレーニング、さらにこの映画の撮影に2年間。6年にわたって育てられてきた逸材です。

 映画は5つのシーンで戦います。
 氷屋、倉庫、肉屋、日本料理屋、ビルの壁。

 日本料理屋では、主人公の父親の阿部寛が、日本刀でばったばったと悪人どもを切り刻みますが、それ以外はジージャーの独壇場。

 テコンドー出身であるだけあって、凄まじく美しい蹴り。
 あり得ない状況のジャンプ!
 ブルース・リーばりのホワーッ!
 そして、ジャッキーチェンばりの、高所からの落下!

 お約束のアクションでありながら、CGではないそのリアルさと、ジージャーの見た目のかわいさと技の美しさに、ノンストップでテンションが上がりまくります。

 冷静にストーリーを振り返ると、
 主人公は、タイのマフィアと組んでいた借金屋の母と、日本に来たヤクザ(阿部寛)の娘
 母や、ヤクザとの一件からマフィアを抜けるが、母を想っていたマフィアのボスから監視されている
 母が病気になり、主人公は薬代を稼ぐために、母がいろんな悪者に貸していた金を取り返しに行く

 と、地味に結構重いストーリーのような気がしてきました。

 さらに、ジージャー演ずる主人公がこんなに強い理由は、
 知能障害を持って生まれてきて、その影響で言葉はほとんどしゃべれないのだが、記憶力と聴力は異常にいい。
 近くにムエタイの道場があったので、それ(とたぶんテレビで見ているブルースリー)を見ながら自然にマスターしてしまった。

 と、いう、日本の地上波ではいらん規制で流せないんじゃないかという設定。

 そんな意外と重い設定を、見ている間は綺麗さっぱり忘れてしまうような、そんな素晴らしい作品です。

 この映画を見終わった後、映画「アバター」を思い出しました。
 私は、アバターに関して、「ストーリーに魅力がない」で片づけてしまっています。

アバター 正義の宇宙人が悪の人類をぶっ殺す話。良くも悪くもそういう話。

 しかし、チョコレートファイターに関しても、正直この文章を書くまでストーリーの事はすっかり忘れてました。
 そして、改めて思い出しても、そのストーリーはすごいストーリーではありません。
 それでも、こんなに面白いのは・・・。

 そして、アバターが、全世界で大ヒットして、たくさんの人がすげーすげー言ってるのは。。。

 ストーリーだけで映画を判断しちゃ駄目って事ですね。。

 ジージャーの美しさと、アクションにかけた異常な熱量と血。
 3Dの美しさと、CGにかけた異常な熱量と金。

 私の心の扉を叩いたのは、前者だったわけですが、どっちも映画の凄さを表しています。そう、映画の面白さは、この2時間につぎ込まれた異常な量のモノの結晶なんです。うん。そうだ。

 そして、この映画で一番度肝を抜かれたのが、エンディングの後のNGシーン。

 ジージャーの蹴りが、ガチで入って、ガチで大流血。
  地上三階からガチで落ちて、落ちた人ガチで動けない。

 
 といった、NGシーンというよりも「事故」と呼んだ方がしっくりくる、凄まじいシーンがこれでもかと流されまくります。
 
「Not Quite Hollywood」という映画の中で、「オーストラリア映画では、「バイクが運転手ごと崖に突っ込んで、海に落ちる」というシーンを撮るときに、「バイクと運転手を崖から海に落として撮影する」と、やっていたのですが、タイ映画も同じようです。。

 そして、この身体を張ったアクションは、その緊張感と、映画的に不自然な、でも人間的には自然な動きで、CGで美しく作られたどんなアクションシーンよりも、圧倒的な魅力であふれているのです。

 恐るべし、タイ映画。
 恐るべし、チョコレートファイター。

 とにかく、必見です!
 
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