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COCA-COLA TVCF CHRONICLES 2,THE [DVD]COCA-COLA TVCF CHRONICLES 2,THE [DVD]
(2009/08/26)
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なんでしょうか?このDVDは。
 Chronicle = 年代記
 つまり、コカコーラの歴代のCM集がDVDになったものです。

 ご存じかも知れませんが、TVで流れる映像で、一秒あたりの予算が一番高い映像がCMです。
 番組の音声がモノラルでもCMは必ずステレオです。
 それゆえに、名作CMも非常に多い。

 しかし、元々販売する予定のない映像だけに、権利関係が整理されておらず、このようにDVDにまとめる事は非常に困難です。

 が、奇跡のDVD発売!
 このDVDには、1979年~1999年までのコカコーラのCMがおさめられています。

 これは、
 1970年代までの高度成長により欧米に追いつき
 1985年からのバブル経済によりJapan as No1の時代を迎え
 1993年からの失われた10年で落ち込んでいく
 そんな、時代に流れたCMの年代記。

 それぞれのCMのクオリティの高さももちろんなのですが、この時代感を感じながら観ると、非常に感慨深い作品なのです。

 DVDは1979年のCMから始まります。

 欧米人(おそらくアメリカ人)が、コカコーラを手に、スキューバダイビングをしたり、荒野をバギーで走ったりする映像。

 1979年当時は、コカコーラというものは、アメリカへのあこがれの象徴だったのではないでしょうか?
 それは、国産のモノより輸入モノの方が明らかに値段が高いネパールボリビアのように。

 その後、矢沢永吉や早見優のCMをはさんで1984年。このCMが微妙です。
 と、いうのも、1979年のCMの出演者が全員金髪の欧米人だったのに対し、このCMでは、黒髪の欧米なのかアジアなのか微妙な人たちがそろっているのです。
 おそらく・・・ハーフなのかな。。。
 このスタンスが、時代の迷いを感じます。

 しかし、バブル突入後、1987年。
 出演者は、みんな完全な日本人になります。聖子ちゃんカットの女の子とか。
 
 このCMの中で、日本人は、生き生きと、楽しそうにコーラを飲んでいます。
 プールで泳ぎながら。バイクに乗りながら。オフィスで働きながら。

♪はじめてじゃないのさ 笑顔に会えるから
 毎日が新しいコカコーラ さわやかテイスティ I feel Coke



 こんな歌詞そのままの映像がコカコーラとともに流れます。

 希望にあふれる世界。
 北京オリンピックの中国だ。

 1988年では、ラスベガスのような、近未来都市のような、そんな夜の街でカップルがコーラを飲みながらデートしています。
night

 ライナーノーツを見ると、この街は全てセットで作ったそうな。
 キラキラ光る明日と、巨額のジャパンマネーを象徴する、素晴らしいCMです。

 1990年に入ると、さらに日本人は調子に乗ります。
 I Love LAってことで、OL三人組がコーラ片手にロサンゼルスを闊歩したり、オフロードバイクで荒野を疾走したり、アメリカ横断道路ルート66の酒場でコーラを飲んだり。

 1979年のCMで欧米人がやっていたこと。
 11年でこれに完全に追いついたようです。

 韓国や台湾はこんな感じでしょうか?

 しかし、同時に迷いを感じさせるCMも流れます。

 1991年
 音楽のレコーディングがうまくいかない→コーラを飲む→うまくいく
 や
 生活のペースが速すぎると感じたら、冷たくさえたコカコーラ
 このはじけるテイストで、君はリズムを取り戻す

 そう。Japan as No1の陰で、24時間戦えますかに対する不安感も生まれてきているのです。
 そして、1993年。
 ブレードローラー編という、映画「セブン」のデビットフィンチャー監督による、すさまじく金がかかってそうな、それでいてCMなのかよく分からない作品が、バブルの最後のあだ花を見せてくれます。

 バブル崩壊の最中。
 CMは変なテレビ番組みたいな奴とか、TRFとか、いまいちなものが続くのですが、1995年。私が最も好きなCMが生まれます。

 ファーストキス編。



 奥田民生の「息子」の素晴らしさと、シュワーの入り方の絶妙さ。
 最小限の台詞で全てを言い表す演出。全てが最高です。
 ちなみに、DVDに入っている1分バージョンはさらにじれったくて最高です。
 同じく「息子」のバイク編も素晴らしい。

 が、これを最後にCMは迷走します。
 哲学的ナンセンスになってみたり、バレンタインにコカコーラとか言ってみたり。
 暴落する日経平均や土地価格におろおろする日本の姿の投影なのかも知れません。

 そして、このDVD最後の99年。
 ココロが踊り出す編。

 川村結花の「ときめきのリズム」に合わせて、「春が来た」「キャプテンをやりとげた」「好きだって言えた」
 という、テロップとともに、それぞれの場面とコカコーラ。
  cola1
  
♪うれしいときのコカコーラ そっと重ねて 僕たちのストーリー
 ときめきのリズム 身体より先に ココロが踊り出す

 確かにいいのですが、テロップが入るのがちょっと。。。
 先のファーストキス編のような、最小限の情報でたくさんのモノを表現する、美しい映像。
 これに対して、99年は、いいとこをダイジェストでわかりやすく説明するプレゼンテーション資料のような映像。

 モノを売るためのCMとしては、こっちの方がいいんでしょうが、なんか、表現に美しさを感じません。

 思い出してみると、この頃から私はテレビを見るのをやめた気がします。

 こんな風に約一時間CMだけが立て続けに流れるDVD。
 しかし、時代の鏡としてみると、まさに「年代記 クロニクル」なのです。

 さらに10年後の2009年。
 どんなCMが流れているのでしょうか?どんな時代なのでしょうか?


COCA-COLA TVCF CHRONICLES 2,THE [DVD]COCA-COLA TVCF CHRONICLES 2,THE [DVD]
(2009/08/26)
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(2003/11/06)
奥田民生

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こんにちは。
 いつもお越しいただきありがとうございます。
 
 この書評blog、書く対象を選ぶのも実際に書くのも結構大変で、週2更新はきついだろうなーと、考えていました。
 しかし、私は結構前から書評文書を書いてきてるので、時々それを加筆訂正して再放送することで、お茶を濁させていただきます。

 と、いうわけで、今回は、2005年9月に書いた、「村上龍(ドラゴン)の世界」です。
 村上龍の著作数作および、村上龍の世界観について話をしています。これを書いた4年後、村上龍が言ってたような世界になってますね・・・。

前編は、書評ってより、本の紹介になってます。
 では、どぞー。


「必ず新しい階級社会が生まれる。
努力しなかった人、訓練を何もうけていない人、技術が何もない人、コネクションが何もない人、醜い人、才能がない人、頭が悪い人、そういう人たちは最低の人生を生きるようになるだろう。
恋愛が出来るのも限られた人だけになるはずだ。
わたしは、それがしょうがないことだと思っている。」
村上龍 誰にでもできる恋愛 より

この文章は、彼がここ数年間言い続けている、ドラゴニズム(龍イズム・私の造語)のひとつの要素を表す文章です。

ドラゴニズムが、一番に提唱しているのは「自立」です。

つまり、人間はそれぞれ個人個人が、一人で生きていける力を持たねばならない。ということ。
それは、経済的にも、精神的にも。

彼の最近の小説も、多くがこの「自立」をテーマにしています。

■愛と幻想のファシズム
愛と幻想のファシズム〈上〉 (講談社文庫)愛と幻想のファシズム〈上〉 (講談社文庫)
(1990/08)
村上 龍

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愛と幻想のファシズム〈下〉 (講談社文庫)愛と幻想のファシズム〈下〉 (講談社文庫)
(1990/08)
村上 龍

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「狩り」を行うことにより、生物として自立した(自分で自分の餌を狩ることができる)主人公、鈴原冬至が、独裁政党を作り上げ、実質世界を支配している企業連合から独立していくお話。
冬至に依存している剣介が、狂気に陥るのが印象的。
ちなみに、エヴァンゲリオンのなかにトウジとケンスケという人が出てくるが、精神的に自立しているトウジは非常に辛い運命を背負うことになり、これといった依存も自立もないケンスケは平和に時を過ごしている。

■希望の国のエクソダス
希望の国のエクソダス (文春文庫)希望の国のエクソダス (文春文庫)
(2002/05)
村上 龍

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教師に反乱を起こした中学生が、インターネットを使った商売で経済的に自立し、やがて、独自通貨まで作り上げ、国家からも独立していくお話。
この中で、中学生たちは「リーダー」というものを作らず、全てフラットな形で組織を作っている。つまり、彼らの組織の中に、他の人に依存している人間を作ることを許していないのである。
60年代の安保闘争やぼくらの7日間戦争と大きく違うのは、これらが明確なビジョンを持たずに、いたずらに独立だけ求めているのに対して、この中学生たちは、独立宣言の後、どうやって自分たちだけで生きていくかのビジョンを持ち、それを実行に移したと言うこと。

■最後の家族
最後の家族 (幻冬舎文庫)最後の家族 (幻冬舎文庫)
(2003/04)
村上 龍

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親父はリストラ(配置転換ではなくファイヤーed)、息子は引き籠もり(ヒッキー)という家族。この家族の一員がそれぞれに自立していくことにより、それぞれが復活していくお話。
リストラされるサラリーマンには会社からの自立、専業主婦には配偶者からの自立、子供たちには親からの自立をそれぞれ促している。
それぞれが自立しているからこそ、それぞれが負い目なくつき合っていくことができるのである。


日刊ゲンダイのように、闇雲に「だめぽ!だめぽ!」と騒ぐのではなく、どこの、何がだめなのかを、小説の中で浮き彫りにし、登場人物にそれに対する解決策を必死に探らせることにより、読者に未来への指針を与えようとする小説たちです。

この姿勢はその後形を変え、「13歳のハローワーク」や「JMM『村上龍、金融経済の専門家たちに聞く』」などにつながっていくわけです。

 彼なりに未来の日本に対して贈れるモノは何かと考えて作った本。
 それが、この「13歳のハローワーク」
13歳のハローワーク13歳のハローワーク
(2003/12/02)
村上 龍

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この本は、「大きくなったらなんになる?」と言われて「公務員」などと答える小中学生に向けた本です。
なんでこんなことを答えるようになったかを考えると、大人も子供も世の中にどんな職業があるか知らないからではないかという仮説にたどりつきます。

絵が大好きな小学生。彼も、それなりの歳になればいやがおうにも画家や漫画家への道は限りなく狭く厳しいということを学習してしまいます。
そのリスクを考えると、いっぱい勉強してローリスクの公務員になった方が。。などと考えてしまうのも自然だと考えられます。
親も、「一流大学→一流企業」の物差ししか持っていなければ、絵に特化した教育を与えた子供が大人になってどうなるかを想像できず、不安になり、一生懸命止める方向に動いてしまいます。

しかし、「絵が好き」な人は、画家や漫画家になる以外も、「編集者」や「グラフィックデザイナー」「コーディネーター」や「イラストレーター」などの職業があるとわかったらどうでしょう?

自分の好きな絵やデザインをもっと勉強する気になるでしょう。
親も、ある程度の見通しを持って、そのために美大に行く、留学してデザインを学ばせるなどの投資を選択肢のひとつとして考えられるでしょう。

そんな風に、新しい知識を人が身につけることよって、仕事の選択肢を増やす。
結果的に、自分のやりたいことを仕事にする人を増やし、仕事を楽しむ人を増やす。

そんな意図のもと作られてるのかなと思います。
純粋に、職業図鑑として読んでも楽しいですが。

村上龍の世界 (下)に続く。
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と、いうわけで、前回に引き続き2005年9月に書いた、「村上龍(ドラゴン)の世界」をお楽しみください。
後編の方が、今のスタイルに近いですね。


彼のいいところは、「昔はよかった」という言葉を徹底的に嫌っていること。

「昔は、そんなもん、拳で殴り合って分かり合ったもんよ」などと言う言葉に対して、

「当時はほかにやらなくては生きていけないことがたくさんあったが、今は違う。考える時間がたくさんある。お互いがきちんと納得することが必須になってしまったのだ」と、一刀両断。

「昔がよかったというのは、「過去のことは楽しいこと中心に記憶する」という人間の特性が現れているだけ。昔は、ワールドカップもみれなかったし、海外旅行も行けなかった。全てにおいて今の方が豊かになったことは明らかだ」
と、いったように、過去の自分たちを肯定して、今の人間を批判するという考え方を否定している。

今は昔よりずっとよくなった。これからもよくなるであろう、という希望をもって、現在の問題点を探っている。

私が読みとった範囲での問題点は以下のようなものです。

「日本は高度に組織化されたために、全員が意志を持って働かなくても、一部全く働かなくても、全員が生きていくことが可能になった。

しかし、全く働かなくてもいい人間も、自分が働かないことには引け目を感じている。
だが、人とふれあうという最低限必要な訓練すら積んでいないので、何も行動を起こせない。このような場所で悩んでいる人間がたくさんいる。

人間の欲求は、衣食住の次に、「他者に喜ばれる」「他者から尊敬される」というものがある。彼らはこれを全く満たせないでいる。

また、経済が停滞する中で、「意志を持って働いていない人」を養っていく体力が組織に亡くなっている。これによって、今までの組織の中のルールの中でしか訓練されていなかった人が、ルール無用の世界にほおり出され、途方に暮れいている。

ボクシングの訓練しかしてない人が、何でもありどころか、武器もありの世界にほおり出されたようなもので、高度なボクシング技術がある人はともかく、中途半端な技術しか持っていないものは無力化している。

このように、高度な社会の中で守られ、訓練を受けていない人たちの負い目と、ソフトに守られていた人たちが、守りの中からはずされた不安、無力感、この2つが顕著化しているのが現在である。

ただし、これは、社会が成長しているから起こっている成長痛であり、時代が悪くなっているわけではない。
さらなる成長のためには、これを乗り越えねばならない。
そして、乗り越えるためのキーワードが、「自立」である。

そして、依存関係が成り立っている組織から、それぞれが自立し、依存関係が存在しないコミュニティを作っていくべきである。

ってのが、ドラゴニズムではないかと私は思っています。
的を得てると思うし、何より、前向き。非常に好感が持てます。


また、中田英との対談本「文体とパスの精度」の中では、お互いプロの世界で自立している者同士が、お互いを認め合って話をしているのが印象的です。
また、プロの作家、プロのスポーツプレイヤーという、マスを相手にしている商売にもかかわらず、インターネットというツールを使ってマスを相手にすることによって、マスコミから独立し、自分たちの望んでいるコミュニティを作りつつある、という姿が非常にカッコいいです。

中田も7年前はマスコミ相手に突っ張ってて馬鹿だと思っていたけど、この本を読んで考えが変わりました。
非常に、クレバー。

ここ数年で成長したのか、単に考えを外に出すルートがきちんと出来ただけなのかはわからないけど。

ちなみに、村上龍も最初はドラッグ&SM作家。初期の作品は、かなりエグイです。「限りなく透明に近いブルー」とか「トパーズ」とか。

なお、前編文章の中で、ちゃんと本を見て引用したのは、最初の「誰にでもできる・・」の文章のみです。
あとは、私のつたない記憶力のたまものですのでご了承を。(←依存)

文体とパスの精度 (集英社文庫)文体とパスの精度 (集英社文庫)
(2003/04)
村上 龍中田 英寿

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限りなく透明に近いブルー (講談社文庫 む 3-1)限りなく透明に近いブルー (講談社文庫 む 3-1)
(1978/12)
村上 龍

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トパーズ (角川文庫)トパーズ (角川文庫)
(1991/11)
村上 龍

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もりぞおさんは、11/6に、新宿厚生年金会館で行われた、
「ジムロジャース来日公演」に行ってきました。

 ジムロジャースといえば、「冒険投資家」と呼ばれ、私が世界旅行をすることになった原因のひとつである、罪深い人。
 まさか、お目にかかれるとは。。。

 ってことで、この講演会の内容は近日中に公開しますが、その前に2007年7月に書いた彼の著書の書評をどうぞ。
 あ、調子に乗って、文末にちょっと講演会の内容も書いちゃった。

冒険投資家ジム・ロジャーズ世界大発見 (日経ビジネス人文庫)冒険投資家ジム・ロジャーズ世界大発見 (日経ビジネス人文庫)
(2006/01)
ジム ロジャーズ

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「冒険投資家」(英語でADVENTURE CAPITALIST)
この言葉に惹かれ、本を手に取り、

帯に書いてある、村上龍への言葉

「リュウ、人生は短い、
遠くまで行って世界を見よう」

に感動して読み始めたこの本。

私の欲しているモノがたくさん詰まっていました。

ジム・ロジャース。
NYで投資の鬼才として名をとどろかせ、37歳で一生分稼いだので引退。
その後、世界中を旅しながら、有望な国に投資をしている男。

ステキな人生です。

この本は、彼が3年間かけて、車で世界一周した時の旅行記です。
氷河を越え、砂漠を越え、軍隊と一緒に内戦を越え、第二次世界大戦以来誰も車で通ったことのない国境を越え・・・。

まさに、冒険家。

今回、彼が乗っている車は、下の表紙にあるような黄色い特注のベンツです。
この、ベンツであるという理由がまたイカします。

メルセデスは、世界のどんなところに行ってもディーラーがあり、修理が出来る。
なぜなら、世界中の貧困があるところにいく寄付金は、必ず地元の有力者のところに集まる。
そして、彼らは、食料よりもワクチンよりも先に、自分のためのメルセデスを買うからだ。

自分の持ち物には、実用性を求め、それに洒落と皮肉のスパイスをふりかける。

まさに、私がモノを選ぶ基準と一緒。

この本を読めば読むほど、私がやりたいと思っていることを実践しているような気がして、
自分の進むべき道が見えてくるような気がします。

冒険投資家である彼は、様々な国へ冒険に行き、その土地を眺め、将来を予想し、
明るい将来を見た時は、その国の証券会社に口座を開き株を買っています。

「戦争が終わったばかりの国に行くに限る」
と言い放つその様は、まさに、冒険投資家です。

2000-2003年に行われたこの紀行にも、たくさんの国に対する評価、感想が書いてあり、その着眼点の鋭さには感心させられます。

中国が伸びるというのは当然として、トルコに投資したこと、アルゼンチンから引き揚げたことなど、実績もしっかりと積み上げています。

さて、そんな彼が、我が国日本をどうみたのでしょうか。

数ページに渡って書かれている日本の部分を要約してみます。

> 日本は、素晴らしい観光の地であり、それにふさわしい豊かな伝統を持つ。
> この国の富は、目がくらむほどだ。

> 高速道路では、目的地まであと何時間かを電光掲示板が教えてくれ、
> 歩けば、目の不自由な人向けのでこぼこや音が出る信号が案内してくれる。

> しかし、日本は深刻な問題を持っている。
> 途方もない額の、借金である。

> 誰も走らない高速道路や、どこにも行くことが出来ない橋を造り、
> ばかげた値段の米や果物を維持するために農家に手厚い保護を図る

> 政治に影響のある、ごく少数の労働者の利益を守るために作られた借金。

> このことについて、日本人は気づき始めており、不安で取り乱している。
> 出生率は最低で、自殺率は最高。なりたい職業は公務員である。


まさに、その通りという内容ですね。
この内容から、彼は日本に投資するのでしょうか?

答えは、Yes.


> 市場は失望で溢れており、企業は割安である。
> 政府は利下げをし、金を刷ることで資金供給を増やす意志を決定した。
> 発行された金が、最初に向かうのが株式市場である。


冷静かつ、明確な判断ですね。


> 市場は底入れの兆しを見せている。
> 今後景気は回復するだろう。リバウンドというかもしれないが。
> これは、短期から中期の話である。10年20年という単位で投資をしたいとは思わない。

目もくらむような豊かさに感動しながらも、その豊かさの元が何かをキチンと究明し、
問題の本質をとらえながらも、その問題の深さを値踏みし、
現状を踏まえながら、豊かさと問題を天秤にかけて、投資の判断をする。
そして、その全ては、自らの知識と体験を元にしている。

冒険投資家は、伊達じゃない。


彼の言ったとおり、日経平均は2003年を底に今まで順調に上がっています。
さあ、これからどうなるのか。


> ほんの少しだが、変化が訪れる予感がある。
> 日本の有権者にさえ、肥大化し腐敗した大勢が全てを押しつぶそうとしていることが見え始めたのだ。


彼は、様々な国に対して、○と×を明確にしています。
×の国は、明確に切り捨てます。

韓国が、保護貿易をやめた時、厳しい国際競争に勝てるとは思えない
ナイジェリアに至っては、私はナイジェリアが国として生き残れるとは思えない。


日本はやばい状況にある。
でも、まだ取り返しがつくところにはいる。

その認識は共感できるし、出来たら、日本国民全員が共有すべき認識だと思う。


 と、いうわけで、ここまでが2007年の内容です。
 そして、2009年11月の講演会で日本についてこういっています。

「私は、日本株と日本円をUSドルよりはたくさん持っている。
 ただ、これを5年10年持っているかは分からない。人口が減っており、財政の状況は悲惨だからだ。
 5年間、日本に変化がなければ手放す。
 新政権は変化を起こす。その変化がよいものであっても、悪いものであってもチャンスはある。
 例えば、私は、彼らが日本人が子供をたくさん産むような政策をとると聞いているので、サンリオやタカラトミーの株を持ってる。」

「私は、日本人はこれから歩む道を、この3つから選ばねばならないと思っている。」
 1.子供をたくさん産む
 2.移民を受け入れる
 3.生活水準を落とす


 全く同感であると同時に、3を選んでしまいそうな気がする・・・。

 次回、彼が語った世界経済のお話を。

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 バイクと車で世界を二周してきた彼が至った結論。それは、「21世紀はアジアの時代である。」

「私は今、シンガポールに住んでいる。
 娘の世話をしてくれている人は、ネイティブな中国人。
 娘たちが完璧な中国語をしゃべれるように、家政婦の人には家では中国語以外は使わないようにいってあるんだ。」

 そんな彼は、新興国の株は中国株以外全て売り、他の金や債権も減らしています。
「これから株を買う気はない。もう上がってしまったから。もう一度崩壊したら買うかもしれないけどね。」

 資産の中心を、商品にシフトしているのです。

「需要が伸びている。アメリカもヨーロッパも、アジアも人口が増えている。
 そして、アジアの30億人が豊かになっている。
 しかし、供給量は増えないんだ。」

 今、農産物の世界的な在庫量は日に日に下がっています。
 しかし、金融危機の影響もあり、大規模な農地の拡大は進んでいません。
 そして、空き地から農作物が安定してとれるようになるまで時間がかかります。

 インドのデリーで薄いベジタブルカレーを食べていた人たちが、だんだんとマクドナルドのハンバーガーを食べるようになっています。
 肉は、野菜よりも何十倍も生産効率が悪いのですが、やっぱりおいしいですから。

 約40年ほど大きな油田は見つかっていません。
 各国が毎年自国の石油の埋蔵量を発表していますが、サウジアラビアなどは、その埋蔵量の数字が変わっていません。毎年膨大な量の石油を掘り出しているのに。

 私はサウジに行ったことはないのですが、サウジに石油プラントを作りに行っていた友人の言葉を聞くと、このこともすんなり理解できます。
「奴ら、何にも考えてないから。
 明日のこととか、石油が枯渇したあとのこととか。」

 そして、中国人が使う一人あたりの石油の量は日本人の1/10。インド人は1/20。
 この感覚も、インドの貧しい町並みを歩けばすんなり納得できます。

 2009年11月現在、金の価格が史上最高値を更新しています。
 日本国は買っていませんが、アメリカやドイツ、フランスは通貨の価値の裏付けのために(外貨ではなく)金を自国の国庫にため込んでおります。
 日本以外のアジアの国もこれに続くでしょう。

 食料と、石油と、金。
 あと、今回の講演会ではふれられませんでしたがレアメタル。
 これらが、これからの世界でよりいっそう価値を持ってくるのは自明とさえいえます。
 前回の話でジムが話していた通貨危機が起こった場合、通貨の価値が大暴落します。
 つまり、モノの値段が大暴騰します。
 リッター130円だった石油が13000円になったりするかもしれません。
 実際、通貨危機が訪れているジンバブエなどは、ジンバブエドルベースで考えると、モノの値段が一年で1000倍になってたりします。

2008年に書いた、ジンバブエ三部作

 正月にうまい棒が1ジンバブエドルだったとしたら、年末には1000ジンバブエドルになってるってことです。

 さて、ジンバブエを笑ってばかりもいられません。
 と、いうのも、日本という国は、食料も石油も金もレアメタルもなーんも持ってない国だからです。
 持っているのは、アメリカ国債とアメリカドルばかりなり。

 今、円高が続いており、製造業の業績に大きな影響を及ぼしています。
 しかし、実は一番怖いのは極端な円安なんです。

 なにせ、円が安くなったら、食料も石油も金もレアメタルも買えなくなっちゃうんですから。
 ついでに、虎の子の財産であるアメリカ国債とアメリカドルまで下がったら・・・。

 ジムロジャースは、「あなたが毎日心がけていることは何ですか?」という質問に関してこう答えていました。

「広い視野を持って物事を考えるようにしている。
 世界中で何が起こっているかを知り、それがどのように影響しあうかを考えている。
 なぜなら、全てのことは国境を越えてつながっているから。」

 この言葉は、彼が村上龍に言った(そして私が大好きな)言葉とつながっています。

「リュウ。人生は短い。
 遠くまで行って、世界を見よう。
 そして、深く考えよう。」

 こんなことをいきなり言われても何をすればいいかわからないかもしれません。
 でも、知識ってのはある程度量がたまると、断片的な知識が勝手につながって、いろんなことがわかるようになります。

 だから、興味を持ったことに関して、Webで調べてみましょう。本を読んでみましょう。新聞の記事を読んでみましょう(紙でもWebでもいいです)。
 そして、それを継続してみましょう。
 時間がなかったら、テレビを見る時間を減らせばいいと思います。

 そんなわけで、もりぞおさんは、講演会に足を運び、映画館で映画を観、Webサイトを頻繁にチェックをし、本を乱読します。

 ついでに、日経平均を空売りし、金の上場投信を購入しているわけです。

 いろんな意味で、将来は絶望的かもしれませんが、それをどうやって切り抜けるか考えるのは、非常にエキサイティングな作業なんです。

冒険投資家ジム・ロジャーズ世界大発見 (日経ビジネス人文庫)冒険投資家ジム・ロジャーズ世界大発見 (日経ビジネス人文庫)
(2006/01)
ジム ロジャーズ

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ジム・ロジャーズが語る商品の時代 (日経ビジネス人文庫)ジム・ロジャーズが語る商品の時代 (日経ビジネス人文庫)
(2008/10)
ジム ロジャーズ

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 2回も観に行ってしまいました。  マイケルジャクソン This is It.

 1度目は新宿バルト9という映画館。
 平日6:30の回なのに900席以上の客席はほぼ満員でした。
 音響設備もすばらしいこの映画館。最高です。

 しかし、さらに上を目指して、川崎のiMaxシアターへ。
 巨大なスクリーンと、数十個のスピーカー。至高です。

 そして、もりぞおさんは、実はマイケルのコンサートにも行ったことがあります。
 1996年。当時東京ドームでバイトしてたもりぞおさん。
 ガラガラの東京ドーム。大遅刻。短い公演時間。口パク。
 そして、なにより、当時のマイケルのイメージは、整形オバケ・スーパー成金・性的異常者。

 正直、コンサートの印象が何も残っていません。

 この、1996年頃が、私が(今は全く観ていない)テレビを観ていた最後の頃。
 毎朝のワイドショーでマイケルのイメージが築きあげられていたと思われます。

 今思えば、あの頃も今と同じようにテレビを観ておらず、先入観なしにコンサートを観ることが出来ていればと思うと、残念でなりません。

 そして、約10年ほど大きな活動をしてなかったマイケル。
 私は、その間、ずーっと無関心。
 そんななか、世界旅行中聞いていたPodcast。
 以前ご紹介した「新しいマイケルジャクソンの教科書」の作者、西寺郷太の熱い語りでマイケルに興味を持ち出しました。

 彼の曲を少しずつ聴き始めました。
 そして、その旅行中にマイケル死去。
 彼の曲を聞き、映像を見て、本を読み、今に至るわけです。

 
 映画、This is Itは、本当に素晴らしい映画でした。

 ベースの指導をするために、「ドゥダダン」と口ずさむリズムのキレ。
 バラードの中で奏でる高く澄んだ声。
 そして、ダンスと曲に込められたメッセージ。

 例えば、Billie Jean
 一人で踊る彼の全ての動きと存在感。
 それに魅せられて、涙腺がゆるみます。

 例えば、Heal the World
 そのどこまでも優しく、きれいな歌詞。
 それに魅せられて、またも涙腺がゆるみます。

まさに、圧倒的なパフォーマンス。

 しかし、この映画にはもう一つの側面があります。
 それは、「マイケルジャクソン」というストーリーの最終章であるということ。

 映画のラストシーンは、それまでの流れが集まった終着駅であるように、
 この映画は、マイケルジャクソンの人生という物語の一つの終着駅になっているのです。
 
 例えば、Billie Jean
 マイケルがこのコンサートのダンサーを集めるオーディションを行ったとき、一番気に入ったダンサーが、日本人の「ケント モリ」という人でした。

「すごいダンサーを見つけたんだ。彼はぼくのように踊るんだ。外見もぼくに似ててね。彼をオーディションで見たとき、久々に鳥肌が立ったよ。で、その彼はなんと日本人なんだ。」

 ケントはマイケルにあこがれてダンスを始め、マイケルと競演するために海を渡った男です。

 しかし、このとき彼はマドンナのダンサーとして契約していました。
 契約は契約。あきらめきれないマイケルが直接マドンナに電話をしても、マドンナは彼を手放しませんでした。

 そして、マイケルの訃報。

 コンサートツアー中のマドンナは、自分のコンサートの中にマイケルの追悼コーナーを作りました。そして、ケントにこういったのです。
「今日はあなたがマイケルよ。マイケルの魂と共に踊りなさい。」
 そこで彼が踊ったのが、Billie Jeanから始まるマイケルメドレーだったのです。



 Billie Jeanのマイケルの衣装で。
 


 それ故に涙腺がゆるむのです。


 例えば、Heal the World

 日本語訳は「世界を癒そう」
 彼の人生のテーマのような曲です。
 しかし、はたから見ていると、彼の人生は人を癒している余裕があるようには見えません。

 幼少の頃、限りなく虐待に近い歌とダンスの特訓を父から受け、
 大成功の後、彼が稼ぐ巨万の富に引き寄せられた有象無象の人々の思惑に振り回されまくり、、
 詐欺師まがいの親子の起こしたインチキ裁判により幼児虐待疑惑をかけられ、
 世界中のマスコミから、肌の色から性的指向まであらゆるものに関して言われなきバッシングを受けた人生。

 親を受け入れられなくなり、
 人を信じられなくなり、
 もっとも救いたかった子供にすら裏切られ、
 世界中の人から陵辱された人生。

 それでも、「世界を癒そう」と歌ったマイケル。
 一番癒されなくてはならなかったのは、マイケル自身だったのに。

 いや、もしかしたら、彼が愛せる対象はもう「世界」とか「自然」とかの抽象的なものしかなかったのかもしれない。
 でも、この歌の中で彼はこう歌っています。

 Heal the World. Make It a Better Place
  For You and Me and The Entire Human Race.
 世界を癒そう。よりよい場所を作ろう。
  あなたと、私と、人類全てにとって。




 
 それ故にまたも涙腺がゆるむのです。

 こんなことを考えていたら、あっという間に映画が終わってしまったので、2度行くことになりました。
 その中でやっと話がまとまり、この文章が出来たのです。

 この映画は、今、映画館で見ることに価値があります。
 彼のパフォーマンスを見るだけでも充分に価値があるので、時間がある人は是非観てください。

 また、にわかファンの私でもこれだけいろいろ考えられたのは、前もってマイケルの人生を呼んでいたからです。
 もうちょっと時間がある人は、「新しいマイケルジャクソンの教科書」を読んでから観に行ってください。

 で、月並みですが、「マイケル、ありがとう。」

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マイケルが唯一公式に発表しているライブビデオがこれ。
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 Live in Bucharestです。

 音楽に関しては、異常なまでの完璧主義者のマイケル。
 十数曲のアルバムを作るのに数百曲の中から選んだ数十曲をレコーディングしたと言われています。

 そんな彼がこのライブを唯一の公式発売した理由は・・・熱狂です。

 もう、訳のわからない量の観客がすし詰めになっているスタジアム。
 爆音と共にステージにマイケルが登場!
 観客、絶叫!

 10秒・・・20秒・・・動かないマイケル。

 首を45度動かした!!!
 観客、さらに絶叫!!

 そして、サングラスをはずした!!!
 観客、大爆発!!!!

 と、いったように、マイケルが動かないだけで、客席が大変なことになります。
 っていうか、観客がバタバタ失神して倒れます。
 その数、5000人ともいわれている。これが、このライブを、伝説のライブと言わしめた源泉です。

 と、いうのも、ライブが行われた1992年のルーマニア、ブカレスト。
 ここは、1989年、ルーマニア革命が起こり、共産主義から民主主義に変わったばかりの街なのです。

 全てを国に管理されていた時代から、自分たちで勝ち取った自由。
 その自由を謳歌し始めたところに訪れたカリスマ。

 その姿を見ての熱狂は、想像を絶する者があります。
 また、このDVDもその熱狂を伝える演出となっているため、序盤は不必要に客席を映しまくります。

 そんな熱狂の中のカリスマ。


 衣装は、金のハイレグTバックです。

 ダンス、歌、カリスマ性、プロデュース力、メッセージ。
 その全てが、超一流の枠を飛び出すくらいのすさまじい才能を持つマイケル。
 しかし、服装のセンスだけは、アレです。。。

 しかし、彼が繰り出すパフォーマンスのすごさは時間を忘れさせます。
 あっという間に過ぎ去る時間。

 圧巻の、Heal the WorldからMan in the Mirrorへのエンディングへ向かいます。

 地球の形をしたボールで踊る新体操の女性。


 その地球を拾い、天国からの声のように、この上なく優しい声で歌い出すマイケル。
 ライター(共産主義だからペンライトなんてないんだろう)で火を灯す観客。

 そして、各国の民族衣装を着て現れる子供たち。
 その子たちの手を引いて、大きな地球の周りを回るマイケル。

 彼の世界観がこの上なく見事に表現された名シーンです。

 そして、最後の曲、Man in the Mirror.




 良くないこともたくさん起こっている世界。
 
 ストリートの子供たちにはろくに食べるものがない
 家もなく、5セントの金も借りられない
 心は砕け、夢は流されて、存在すべき場所すらみつからない・・

 それを、見て見ぬふりをしている人々。

 でも、まずは、鏡に映った自分を見てみようよ。
 そして、

If you wanna make the world a better place
 Take a look at yourself and then make a CHAGE!
世界を良い場所にしたいなら
 自分自身を見つけて、変えるんだ!


 革命の街に訪れたカリスマが叫ぶこのメッセージ。
 熱狂は最高潮になり、失神者の数もうなぎのぼり。

 人類史上、歌に、パフォーマンスに、これほどまでに強烈に込められたメッセージはないのではないか。
 そんなことまで考えてしまうくらい強烈な映像です。


 このルーマニアでは、革命後、経済は混迷を極め、街に大量にストリートチルドレンがあふれ、チェウセスクの子供たちなどといわれたりしました。

 もしかしたら、1992年のブカレストには、そんな子供たちを見ながらこの会場にきた人たちがいたかもしれません。

 きっと、会場にきている数万人の人たちの心に、一生残るインパクトを残したマイケル。もしかしたら、その後のルーマニアの歴史もちょこっと変えているかもしれません。
 
 そんな熱狂を残して、マイケルは、宇宙服を着て飛んでいきます。
 ありがとう・・・マイケル。。
 
 このライブは、マイケルの才能と、観客の熱狂が完全にシンクロした奇跡です。
 是非、一度見てみることをおすすめします。

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 次回、マイケル三部作最終回。
 もう一つのマイケルの一面。「世界最高峰のバカ」であるマイケルのご紹介です。
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「キューバ音楽以外は音楽ではない」
 と言い切る男。村上龍。

村上龍(ドラゴン)の世界

 そんな彼は、年中キューバに行ってるし、キューバ音楽を日本に広めるためにCDを発売したり、毎年トップバンドを日本に呼んでコンサートをしたりしています。

 私が、去年から今年の世界一周で一番のインパクトを受けた国キューバ。
 キューバの素晴らしさと異質さは、世界一周blogで総括しました。

PlayBack07-01 キューバ Countory in the Mirror(鏡の中の国) 自分たちの姿を教えてくれる国
PlayBack07-02 キューバ キューバと人生を楽しむ方法

 と、いうわけで、一年以上前に訪れた国キューバを思い出しながら、品川プリンスホテルへ。

 このホテル、中に映画館はあるは水族館はあるわと、ラスベガスみたいなのですが、品川の町にほかにこれといったモノがないのが悲しいところです。
 そして、その中のステラボールという会場も、思ったよりでかく、豪華な照明と、大量のスピーカーが備え付けられた、立派この上ない舞台です。

 客席の年齢層は結構高く、じーさんばーさんから、アラサーくらいまでが中心。
 キューバ好きと、サルサ教室が3:7くらいかな。。カンブリア宮殿ファンは・・・それだけが理由でくるとは思えないな。

 そして、キューバらしく15分遅れで司会の村上龍登場!
 まあ、テレビで見たまんまの人ですね・・・。

 キューバの小ネタを話した後、コンサートの開演です。

 キューバ編で音楽について書いたとおり、

キューバ音楽 キューバ人は皆踊るのか?

 私の感じたキューバ音楽の一番のすごさは、その音のキレです。
 ベースや、ドラム、パーカッションの音が、ビシッ/ビシッ/っと切れて、鋭角的なインパクトを身体に与えてくれるのです。

 その感覚が、たまらなく心地いい・・・。

 ベース、ドラムのソロパートが一番印象的でした・・・。

 会場は左右に席があり、真ん中はオールスタンディング。
 キレのいい音楽に身を任せていると、勝手に身体が動いてしまうわけですが、中にはやたらこなれた踊りを踊っている人もいます。

 私の目の前にいた人もその一人。
 きっと、サルサ教室とかいってるんだろうな・・・。
 見た目を一言で言うと「無理目の若め」

 なんか、このこなれ感と無理目の若め感が、大変日本的でした。

 なにせ、舞台の上のキューバ人ダンサーは、化粧が濃すぎて原型をとどめてないし、ダンサーのくせに腹が出てて、へそ出しなのですが、パンツの上に腹が乗ってますから。。
 あれだけまずいキューバ飯で、何で太るんだ。。運動もしてるのに。。。

 ちなみに、踊りもいい加減で、右側の人と左側の人のダンスが全然合ってません・・。

 でも、なんか、心のおもむくままに化粧して、飯食って、踊って・・・ってのが、大変キューバっぽい。
 派手すぎず、地味すぎず、自分のポテンシャルを押さえながらうまい落としどころに納めてる日本人女性との対比は、非常に興味深いです。

 やっぱ、キューバ人、楽しそうだなあ・・・。

 そして、コンサートでは、日本向けサービス曲も入ります。

 カンブリア宮殿テーマ曲、コーヒールンバを日本語で。
 TSUNAMIを原型をとどめないくらいアレンジしてスペイン語で。

 そして、「I Love Michael Jackson!」と言ってビートルズのCome Together歌ってた。。マイケルとビートルズを勘違いしているのでなければ、映画・スカイウォーカーを観たのでしょうか?

 キューバ人的に、マイケルロボはどうだったのだろうか・・・

ムーンウォーカー マイケルジャクソン大バカ伝説の集大成 マイケル大変身!!

 そんなこんなで、あっという間に2時間です。

 終了後に感じたのは、キューバで聞いたのとは違うな・・・ってこと。
 綺麗なホテル、豪華な照明、大量のスピーカー。

 そこから発せられる音楽はもちろん素晴らしいのですが、私の中のキューバ音楽は、場末感ただようこきたないバーの音なのです。

 そんな中で響いている、ウッドベースのキレのある音。。

 今回のコンサートは、まるで、東京の美味しいインド料理屋でカレーを食ってるような感じ。
 インドカレーは、もっと薄くてすかすかしてるんだ。。いや、このカレーも旨いけど。

 そんなわけで、また、もう一度キューバに行きたくなるのです。
 今度は、ハバナにとどまって、いろんなバーでいろんな音楽を聴いて、のんびりしたいなあ、そんなことを思いながら、仕事で疲れたお父さんたちが乗る山手線へ・・・。

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1Q84 村上春樹
1Q84 BOOK 11Q84 BOOK 1
(2009/05/29)
村上 春樹

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※この文章には、「システム」とか「壁」とか訳のわからないキーワードが散らばってます。
 村上春樹的「システム」の意味がわからない人は、まず、前回の文章をお読みください。

1Q84の前に 村上春樹エルサレム賞受賞スピーチ
 
 あと、多少のネタバレは含みますが、核心には触れないようにしているので、読了前の人もご安心してお読みください。(完全に前提知識なしで読みたいってひとは、もうすでに読んでるだろうし・・・)


 1Q84。
 この物語は、1984年に生活をしていた女性が、いつの間にか違う時間の流れの世界に踏み込んでしまうお話です。
 その1984年に似て非なる世界を、「1Q84年」と名付けるところから来ています。

 しかし、「9」を「きゅう」と読むから「Q」と同じ発音なのは日本だけのはずなので、英語とか韓国語とか中国語に翻訳するときはどうするんでしょう?
 ま、たぶん注釈がはいるだけだから、どうでもいいですが。

 物語は、一章ごと交互に二人の主人公の視点で描かれます。
 
 青豆さんという女性と、天吾くんという男性。
 どっちもアラサーです。

 この二人を含めた多くの登場人物は、幼少の頃に「システム」によって心に傷を負っています。
 
 NHKの集金人である父親と一緒に集金に行かされるのが何よりもいやだった天吾。
 宗教の信者であった母親と一緒に布教にいかされるのが何よりもいやだった青豆。

 親戚中警察官ばかりでひどい虐待を受けてた女性。新興宗教のコミューン(自治区)のなかで宗教行事と虐待の中間のような状況に置かれていた女の子。

「システム」として強固に固まっている、「国家」と「宗教」によっていろいろなものを絡め取られた「卵」たち。
 これが、この「1Q84」に出てくる人物たちです。

 そのからめとられた様は、彼らの恋愛観に色濃く表れており、
 (射精のタイミング以外)なにひとつ干渉しない、年上の人妻」と週に一度の逢瀬を続ける天吾。
 時々、見ず知らずの、頭の毛が薄い中年の男を捜しに、六本木のバーに行き、一夜限りの関係を求める青豆
 と、かなり病んだ精神状態の二人が、病んでいるそぶりを見せず、むしろ非常に明確かつ論理的な思考を持っている人として、描かれているのです。

 日本国民としてNHKの受信料を支払うのが常識であるように、
 世界平和のために、共に神に祈りを捧げる人を一人でも増やすため、無償の活動をするのが常識であるように、
 妊娠中の女性が亡くなったとき、その亡骸は火葬することもなくガンジス川に流すのが常識であるように。
 仕事が時間内に終わらなかったら、残業代が出なくてもその仕事を終わらせなくてはならないのが常識であるように。

 世の中には、多種多様の「常識」という名の「システム」があります。
 その「システム」は、人々を幸せにしたり、苦しめたりしています。

 また、子供のころ「システム」によってゆがめられた彼らの感情は、二人の聡明さもあって、自分たちの中に世の中の大多数の人とはちがった「システム」を生み出しているのです。

 では、彼らが組み込まれていた「システム」を作った人たちはどうでしょう。
 物語の中で、新興宗教の教祖と、天吾の父親が出てきます。

 自信が教祖となっている宗教。その神秘性に自らが取り込まれ、身体が動かなくなっている教祖。
 すっかり惚けている父親。

「システム」を作っている側もいろいろなものを絡め取られているのです。

 村上春樹は、この「人間」と「システム」の関係についてこんな風に言っています。

私たちは皆、多かれ少なかれ、卵なのです。私たちはそれぞれ、壊れやすい殻の中に入った個性的でかけがえのない心を持っているのです。わたしもそうですし、皆さんもそうなのです。

 そして、私たちは皆、程度の差こそあれ、高く、堅固な壁に直面しています。その壁の名前は「システム」です。「システム」は私たちを守る存在と思われていますが、時に自己増殖し、私たちを殺し、さらに私たちに他者を冷酷かつ効果的、組織的に殺させ始めるのです。

 そして、「1Q84」は、「壁」に立ち向かっていく「卵」の話です。
 
 ハリウッド映画や日本のロールプレイングゲームのように、「壁」は「私が悪の大王だ」などとこれ見よがしに姿を現してくれるわけではありません。
 さらにやっかいなことに、自分自身もその「壁」の一部だったりするわけです。

 壁にぶつかり、割れてしまう卵。
 壁と自身の距離感を明確にし、しっかり生活をしている卵。

 そんな魅力的な登場人物のなか、主人公の二人は、幼少の頃に失った感覚が心の奥に残っていることにはっきり気付きます。
 そして、その幼少の頃の思い出を「1Q84年」現在に改めて現実化しようと動き出します。

 村上春樹がスペインの雑誌のインタビューの中で、こんなことを言っていました。
「ただひとついえるのは、不思議なことですが、危機が生じ始めると、私の作品が評価されはじめるということです。
 バブル崩壊後の日本。911後のアメリカ。共産主義崩壊後のロシア。統一後のドイツ。」

 スペインでも大規模な列車事故のあと、読者数がすごく増えたようです。

 まさに、「1Q84」に代表されるように、村上春樹は、こういう人々がうっすらと感じている不安感みたいなものを、ちょっと違った現実感の中で、我々が住んでいる世界よりももうちょっと見えやすくしてくれるのです。

 そして、登場人物たちは、その不安感に対して、迷いながら、対応をしていきます。
「俺があいつらをぶっ壊す!」と明確に行くのではなく、迷いながら、進んでいく様が非常に大きな共感を呼ぶのだと思います。

「1Q84」の二人の登場人物も、次第に自分の目指す場所を明確にしながら、進んでいきます。
 そして、Book2では、二人は異なる結果にたどり着きます。
 さあ、Book3では、どのようにあゆみを進めていくのでしょうか?

1Q84 BOOK 11Q84 BOOK 1
(2009/05/29)
村上 春樹

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1Q84 BOOK 21Q84 BOOK 2
(2009/05/29)
村上 春樹

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忘年会が始まるのが8時過ぎ。
 労働時間を減らすことに心血を注ぐもりぞおさんにはちょっと遅い時間。
 しかし、都合がいいことに、飲み屋のすぐそこに映画館があり、6時からカールじいさんがやっていました。

 ファインディングニモが大好きなもりぞおさん。
 この作品を作ったPIXARの最新作であるということ以外、カールじいさんについての前提知識はありませんでした・・・が開始十数分でぶっとびました。。。

 カールじいさんとエリーばあさんの出会いから別れまでがつづられる冒頭の十数分。

 このシーンの中で、子供時代を過ぎてから、台詞はほとんどありません。
 ふたりの数十年の生活が、映像と音楽だけで淡々とつづられていきます。

 「冒険」という名の夢を持っていたこと
 二人で仲良く暮らしていたこと
 子供が作れないことがわかって悲しむこと
 「冒険」のためにお金を貯めていたこと
 人生のいろいろなアクシデントでうまくいかなかったこと
 それでも、楽しく慎ましく、歳を重ねていったこと
 そして、エリーばあさんの死で、二人が離ればなれになってしまうこと

 そのそれぞれの、楽しさと、悲しさが、そしてそれが積み重なっていった素晴らしい人生が、たった十数分のアニメーションと音楽だけで、これ以上ないくらいにしっかりと伝わってくるのです。

 そう、アニメーションと音楽だけなのです。

 実写映画では演技をする人が人生を表現します。
 アニメ映画でも声優の声が表現の重要な役割をおいます。
 しかし、この映画では、人の姿も声もなしに、コンピュータグラフィックの映像と音楽だけで、これほどまで深く、二人の人生を描いているのです。

 素晴らしい。

 トイ・ストーリーでは「おもちゃ」。ファインディングニモでは「魚」。
 これらに人格を与えて、人の人生や成長を描いてきたピクサーが、
 ダイレクトに、「人」を使わずにCG製の「人間」に人格を与えて、人の人生を描くという冒険に出たのです。

 我々は、歴史的な冒険の目撃者かもしれません。

 そして、じいさんも冒険に出ます。
 あまりにもカラフルで美しく、CG的な、大量の風船をくっつけた「空飛ぶ家」で。

 向かう先は南米!
 エリーばあさんとの夢であった、パラダイスフォールの上に家をつくるために!

 実際の世界にあるのは、ギアナ高地のエンジェルフォールです。
 そして、このギアナ高地で繰り広げらっる奇想天外なアクション!
 CGで描かれるアクションは、ものすごく美しく、エキサイティング!
 話の展開なんて気にしない!
 でも、犬やじいさんの生態がうまいこと入った、所々に繰り広げられるネタは文句なく楽しいです。

 展開は大味なのですが、前述の十数分のあまりにも繊細なじいさんの描写が下敷きになっているので、じいさんのがんばりに、必死で感情移入してしまうのです。

 過去の静と、現在の動。

 静かだけれど楽しい生活が、ばあさんの死によって終わりを告げ、
 その生活の残り香を残すためだけに、止まってしまうかと思われたじいさんの人生。

 それが、カラフルな風船と、バカでデブなガキと、じいさんとばあさんがずっともっていた冒険心によって、この上なくエキサイティングなアドベンチャー、新たなる人生の始まりになったのです。

 別れは出会いの始まりであり、失敗は成功のスタートライン

 アメリカの失業率は10%を超え、日本でも多くの人たちが労働者としての自分の人生を否定されている状態です。

 カールじいさんも、定年で仕事はなく、最愛の妻も亡くし、最後の思い出と財産である家までも失いそうになります。

 でも、風船をつけて、若い頃の冒険心と妻との約束だけをたよりに、新しい人生を踏み出すのです。

 なんか、すごくうれしくなる話です。

 冒険の楽しさ、思い切ることの気持ちよさ。
 私が、世界一周紀行で描きたかった多くの感情が、この映画で表現されてるんです。

 いくつになっても、旅に出る理由がある。

 私は、今、猛烈にギアナ高地に行きたくなっています。
 その前に、3Dで映画を観るために、再び映画館に行くと思います。
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もりぞおさんは、年賀状を出さない人です。
 郵送で送らないことはもちろん、年賀状自体も数年に一度しか作っていません。
 っていうか、正月休みは海外行ってることが多いから、年賀状どころではないのですが。

 ただ、くだらないものをデザインするのは大好きなので、やるときは凝ったものをつくります。
 前回の、2005年の年賀状は、コレ。

元日

 わざわざインドのガンジス川のほとりで初日の出を観るためだけに日程を調整し、
 この写真を撮るためだけに、12月31日に日本人がたくさん泊まっていそうな宿に泊まり、
 そこで知り合った日本人に、構図を絵に描いてその通りに撮ってもらったのがこの写真です。

 ガンジスで元日

 写真への無駄なこだわりと、バカでも一分で思いつきそうなコピー。

 この落差が、この年賀状のキモです。

 さて、2010年、世界一周旅行から帰ってきて、また東京で働き始めた今、2010年の年賀状が、コレです。

年賀状2010

 一年間に渡る、世界一周旅行で一番綺麗だったウユニ塩湖。
 そこで、歩くもりぞおさんです。

 被写体が素晴らしいので綺麗な写真なのですが、それほど凝った写真ではありません。
 なもんで、コピーはちょっと凝っています。

 東証一部上場企業をぶちやめて、仕事をせずに世界を歩いた一年間。
 この旅で表現したかったこと、この旅で確信したこと。

 人生は楽しむためにある。
 仕事は人生のごく一部でしかない。

 
 仕事が自分の楽しいことであれば、仕事を中心に生きていけばいいし、
 ほかに楽しいことがあるならば、仕事はそれを充実させるための手段にすればいいし、
 何が楽しいのかわからないのであれば、いろんなことをしてみればいいし。

 そんな風に、楽しいことに向かって歩いていく毎日と、
 そのために、ほどよく働く毎日を、
 2010年以降も過ごしていこうと、そんな案配です。

 ただ、実際問題、仕事を中心に生きていかないと、生活が成り立たなくなり始めているのも、日本国の事実。
 自分もその渦に巻き込まれたときに、生活レベルを落としてでも歩く時間をキープするのか、生活レベルを維持するために働く時間を増やすのか。
 この指針は、きちんと考えておかなくてはならないかもしれません。

 ちなみに、ボリビアは、世界最貧国の一つ。
 朝から晩まで暗い炭坑の中で、コカの葉と96度アルコールを接種しながら働き続け、40前後で命を落としている人たちもたくさんいます。
 もちろん、南米特有の、明らかに働いてない人たちもたくさんいます。

 バランスが異常に極端な国の一番綺麗なところに、どうバランスをとるかが永遠のテーマとなりうるコピーを載っけてみる。

 そんな感じの、2010年年賀状なわけです。
 今年も、よろしく。


 この年賀状を、こっちのblogでは旅行記風に書いてみました。
 良かったら、併せて読んでみてください。

ビジネスクラスのバックパッカー もりぞお世界一周紀行
もりぞおさん年賀状 もりぞおさん年賀状 格差全開の国の美しい場所で、きままな人生を考える
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マイケルムーアの最新作。
 ボーリングフォーコロンバインでは、アメリカの銃社会を、
 華氏911では、アメリカの戦争を、
 シッコでは、アメリカの医療を、
 それぞれの問題点を白日の下にさらしたドキュメンタリー映画を作ってきたこの人。
 今回は、キャピタリズム。資本主義そのものです。

 もりぞおさんは、日本企業やアメリカ企業と契約をあれこれする仕事をしているのですが、これらの企業にはこんな特徴があります。

 日本企業は、あっさり契約を結ぶが、実際に実行するときにごねる
 アメリカ企業は、契約を結ぶときごねるが、実際に実行するときは従順

 契約を破るとすぐ訴えられるのが原因でしょうが、「ルールを守る」という意識が良くも悪くも強いと感じています。

 良い意味ではフェアなのですが、悪い意味では非情です。
 この映画では、その非情さがクレイジーなまでに現れている事態が次々と出てきます。

 民営化された少年院。ここには収容している人数によって国から費用が支払われます。経営者はホテルと同じように空室率を下げることに全力を尽くします。
 宣伝するわけにもいかないのでとった手段が、判事に献金をすること。
 マリファナを吸った少年を、ショッピングモールで友達とケンカした少女を、My Space(mixiみたいなもの)に教頭の悪口を書いた少女を、
 判事は数分で有罪にし、少年院に放り込むのです。

 格安航空会社。より安い料金で顧客を運ぶために、飛行機好きの若者を、年俸200万円以下でパイロットに雇います。
 パイロットは、喫茶店でバイトをしたり、食料の配給券をもらって生活しています。

 有名な大企業たち。従業員が亡くなることは、会社にとっての損失です。だから、会社は従業員に生命保険をかけます。従業員が亡くなると、会社に数百万円の金が振り込まれるのです。
 CEOは、年間で一人も社員が死なないと、担当者を呼び出して叱るのですが。


 ルールは守っているかもしれないが、人道的に明らかにおかしい行為。
 こんな状況を見ながら、私は中学校時代にやったゲームを思い出しました。

 信長の野望戦国群雄伝
 戦国シミュレーションゲームで、自国を栄えさせ、軍事増強して、他国を滅ぼし、天下統一するゲームです。

 里見家という最弱の大名を選んだもりぞおさん。しかも隣には強大な勢力の北条家が。 そこでもりぞおさんが考えた攻略法がコレ。

 里見と北条の間にある国を占領。
 その国で税率を無茶苦茶高くして金を得て、その金で兵士を徴兵しまくる。
 民の暴動が起こる前に、その国から撤退。
 しばらくすると北条がその国を占領。民の暴動が起こりまくり北条の兵士が死にまくる
 多大な犠牲を払いながら、北条家がその国を立て直すのを待つ
 頃合いを見計らって、先ほど徴兵した兵士で北条をぶったおす

 ゲームの世界では、全ては数字で表されます。
 民の苦しみは、「民 忠誠度」というパラメータ一個で表現されるわけです。
 その数字がもたらすデメリットを回避できれば、民の苦しみなんてどうでもいいわけです。

 数字でのみモノを見ることの怖さを感じた、少年時代の体験です。
 
 きっと、大きな会社のCEOも、里見家の大名であったもりぞおさんと同じ心境だったのでしょう。
 実際の会社経営では、「民 忠誠度」なんてパラメータすらないわけですし。
 
 そのゲームの中で許されるルールを守って、目的を達成すれば報酬がもらえる。
 資本主義社会の中でのプレイヤーがやっているのは、ただこれだけのことです。

 米を根こそぎ持って行かれた上、徴兵までされる農民とか、
 少年院に入れられる少年とか、年収200万円のパイロットとか、夫が死んで会社に金が入ったことを知った妻とか、
 そんな人たちの生活は関係ないのです。

 さて、そんなことを許すルールはどこで作られたのでしょうか?
 議会です。

 レーガンの横にいる執事のような男は、メリルリンチの社員です。
 ブッシュのまわりには、ゴールドマンサックスのお偉方が集まっています。

 ルールに従順な人たちが住む国で、ルールを決める人たちを牛耳れば、何でも出来る。
 アメリカのキャピタリズムの恐ろしさはここにあるのです。

 そして、リーマンショックの後に税金から投じられた7000億ドル。
 大統領選挙2週間前のどさくさに紛れて金融機関がかっさらった膨大な金。
「何に使ったかを公表する義務はない。法律にそう書いてある」

 そんな中、マイケルムーアが思うかすかな希望が、オバマと民の反乱です。

 銀行がローンの支払いの出来ない家の立ち退きを求めても、住み続けてしまえ。
 周囲の住民をそれを応援して、銀行員を追い返してしまえ。
 マイケルムーアはそれを映画に撮って、世界中に垂れ流す!

 私は、理不尽なことがあると、
「ルールが間違ってるのだから、ルールを破ればいい。」
 といって、平気で無茶をします。

 ルールを守っていると、その見返りとして偉い人から守られることが多いため、意外と楽だったりします。
 でも、そんな誘惑に負けず、時にはルールを破るのも必要な気がします。

 アメリカ国民の多くが、ルールを破って戦い出せば・・・。
 アメリカは、CHANGE出来るのでしょうか・・。


 次回、アメリカのCHANGEしない人たちの話をします。

[追記]
 オバマ大統領が、金融機関へ税金の追加徴収を決めました。
 膨大な量のロビイスト(日本でいうところの族議員とそのとりまき)の反対を押し切っての決定。
 この人は、本当にアメリカの希望になるかもしれない。もう、なっているかもしれない。

米大統領:大手金融への課金、救済資金の全額回収が目的



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今、ハイチで大変なことが起きています。
 カリブ海一の貧乏国であるハイチ。私が行ったドミニカ共和国の隣の国です。
 ドミニカも貧乏だったのですが、ハイチは桁違い、しかも見るべきモノが何もないってことでスルーした国です。

 その、金も観光資源もない国に訪れた地震。悲しいことです。
 しかし、この天災に対して、こんなことを言った馬鹿たれがいます。

「ハイチ地震は神罰、独立のため悪魔と契約した」

 パット・ロバートソンという、キリスト教の伝道師。
 今回の紹介する本は、このようなアメリカのたちの悪いバカのお話です。

 我々がよく見るアメリカ人はノー天気なバカと、インテリなバカが多いのですが、アメリカとは非常に広い国。
 実は、アメリカには、我々が普段見ることがないとんでもないバカがたくさんいます。
 なぜ、見ることがないか。
 アメリカ人の20%は、パスポートを持っていないからです。

 テレビ番組の街角のインタビュー。
2008年の夏に「今、オリンピックをやっているのはどこ?」「アメリカ・・じゃないのよね?」
「オリンピック発祥の地はどこ?」「アメリカ?」

 ナショナルジオグラフィ等の調査によると、
「アメリカ成人の2割は、太陽が地球の周りを回っていると信じている」
「アメリカの若者の63%はイラクの場所を知らず、88%はアフガニスタンの場所をしらない」
そして、タイトルにあるとおり、「アメリカの地図を見て、ニューヨーク州の場所を指せなかった人が50%いる」訳です。

アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない (Bunshun Paperbacks)アメリカ人の半分はニューヨークの場所を知らない (Bunshun Paperbacks)
(2008/10/09)
町山 智浩

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 このようなバカは、主にアメリカの真ん中南よりにたくさんいると言われています。
「バイブルベルト」と呼ばれている、キリスト教を信じる白人たち。
 その中でも、キリスト教原理主義とも呼ばれている、「福音派」の人々は、「聖書以外の本を読むな」といわれています。

 ゲイ、中絶、異教徒は地獄に堕ちる。
 人間は神が創ったモノなのだから、猿から進化したなどと教えることは州法で禁止。
 それでも飽きたらず100万人以上が、学校に行かせず、両親が独自の教育を子供に行っている。

 純血を尊び、中絶を否定するあまり、避妊に関する教育をしていないためエイズと10台の母親を増やしている現状。
 進化論を否定するために、わざわざ恐竜と人間が一緒に暮らしている様子を展示している博物館を作るという狂気。

 この国は、我々の想像を超えたところにあります。

 なぜこんなことが起こっているのか。
「無知」は権力者に都合がいいからです。

 キリスト教教会は、信者からのお布施で成り立っています。
 そこで、信者が喜んで寄進してくれるような世の中を創る必要があります。
 冒頭のバカ宣教師も、そんなお布施のために、テレビで宣教するのです。

 また、ブッシュ共和党は、キリスト教福音派の絶大な支持を受けています。
 あれほどバカで、あれほど世界中に戦争をばらまき、あれほど税金を滅茶苦茶に使っていたブッシュが2004年に当選したのは、このキリスト教福音派の支持によるものが大きいわけです。

 実際、2008年の大統領選挙でも、
「オバマはゲイ」「オバマはイスラムのスパイ」などといったどうしようもないデマが流れたのは、キリスト教福音派の人々の地盤を固めるためのメッセージだったわけです。

 インドでは、字が書けない人が多いため、選挙の時は字が書ける人が代表して投票していた。そのため、字が書ける人があっという間に買収されていた。
 そして、選ばれた政治家は、その土地に学校を作るのを阻止した。
 という、やっぱりどうしようもない状況があったわけですが、権力者にとって、無知は国民は使い方によって非常に有益なわけです。

 また、国民は国民で、「これをやれば幸せになる」と指示された方が幸せな人もたくさんいるのでしょう。
「純血と日曜日のミサと献金を尊び、ゲイとイスラムと民主党を憎めば天国に行ける」ってね。
 これを日本に当てはめると・・・ってのは何度もやってるので、読者の皆さんの自習とします。

 この本で、そんなアメリカのどうしようもなさを伝えているのは、アメリカ在住の映画評論家、町山智浩という人。
 彼は、このバイブルベルトに遊びに行って、白人以外はみんなぶっ殺せ団の祭りに参加したり、なかなか楽しいことをしているのですが、それ以上にとんでもない量の映画を観ています。

 私が毎週見ている数少ないTV番組の一つ。地上波の治外法権といわれている「東京MX」テレビの「松嶋×町山 未公開映画を観るTV」という番組では、上記のようなバカアメリカをバカにするドキュメンタリーを次々と流しています。

 監督が、神父に聖書の矛盾を突っ込みまくったり、恐竜と人間の共存してる博物館で爆笑する映画は、非常に面白い。

 そして、ここにアメリカの救いがあります。

 前回紹介した、マイケルムーアの「キャピタリズム」のように、アメリカでは、アメリカの矛盾を凶弾するドキュメンタリーがたくさん作られています。

 30日間ハンバーガーだけ食って生活する「スーパーサイズミー」の監督は、「30days」という番組で「30日間最低賃金で生活」「30日間イスラム教徒とキリスト教徒が共同生活」などということをやってます。

 シンプソンズというアニメは、キリスト教保守系TV局FOXテレビで放映されてたのですが、ある時監督が切れて、登場人物に「FOXネットは超保守なのに超下品。なんで?」「FOXネットで稼いだ金は共和党に献金されて、それが放送倫理を監視する全米通信委員会にも回る仕組みなんだよ」なんてことを言わせています。

 その他、この本の中では、たくさんの映画やテレビ番組が紹介され、そこからたくさんのアメリカ人の姿が見えてきます。

「世界で一番偉いのは、アメリカ人」
 と、思っている人が多いが、
「そんなアメリカ人のバカさ加減を笑おう」
 と、思っているアメリカ人も多い。

 そして、それがエンターテイメントとして世界中に流れている。
 いい奴ばかりじゃないけど、悪い奴ばかりでもない。

 そんなたくさんの乗客を抱え、暴走列車アメリカは、今日も走っていくのです。

 それに引き替え、日本のテレビ番組はなんであんなにしょぼいんだろうねえ・・・。
 まあ、上記の番組と、村上龍の「カンブリア宮殿」しか観てないから、なんともいえないんですが。。

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町山 智浩

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世界一周旅行中に聴いていたPodcast。この中で、後に「新しいマイケルジャクソンの教科書」を書くことになる西寺郷太の熱いマイケル論に感心して入手した、「Bad」「Thriller」「Dangerous」
 
 世界中でHeal the Worldを聞きながら、コンサートツアーに思いを馳せる郷太さんの声を聞きながら。。。

 その後、思いもよらなかった訃報。
 世界中の人が「マイケルが・・・」と話題になっており、タイではすでにパチモンの追悼グッズが売られ。。。そんなモノを横目に、帰国。
 
 そんな中で観たのが、映画THIS IS ITでした。

 当時、マイケルの映像はほとんど観た記憶がなく(コンサートは行ったことあるのに・・・)初めてのマイケル体験・・・。
 映画館の熱気と、マイケルのパフォーマンスに圧倒されて書いたのがこの文章です。

マイケルジャクソン This is It 自分への反省と、マイケルの物語の最終章
 
 あれから数ヶ月。
 Live in Bucharestを何度も観て、その他ショートフィルムや動画サイトの動画も観まくり、たくさんのマイケル体験により、一層彼の素晴らしさを体感してきました。

 そして、「最後の新作」である、THIS IS ITのBru-ray。
 会社休んで観ちゃいました・・・。

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 感想。

 なんか、とても悲しい気持ちになる映像と音楽でした。

 一番楽しみにしてたSmooth CriminalとThrillerのショートフィルムは、いわば前奏。
 あの3Dの映像のあと、マイケルが歌い出すところが観たかった。。。

 劇中で歌われるマイケルの歌唱とダンスは100%とはほど遠い声量と勢い(リハーサルだから当然)
 全開のマイケルの歌とダンスを味わいたかった。

 すごい種類の、すごいゴージャスな、すごい凝った衣装の数々の紹介。
 マネキンが着ている服の紹介ではなく、この服を着たマイケルが踊っているところを観たかった。

 あのときの映画館、あのときの空気ではあれほど感動的だった音と映像が、どこかもの悲しいものにしか見えませんでした。

 で、思い出したのが、わざわざ動画サイトでみた紅白でのSMAPのマイケル追悼音頭。

 いつもどおりのSMAPの良くできた素人芸。
 SMAPとマイケルって完全に正反対だと思います。

 スーパースターでありながら、ダンスも、歌も、作詞も、作曲も、メッセージも全てが完璧に超一流であるマイケル。  
 スーパーアイドルでありながら、ダンスも、歌も、コントも、演技も、メッセージも全てが「すごく良くできた素人」レベルであるSMAP。


 おそらく、一度もテレビを観たことがないような人でも、マイケルのパフォーマンスを観れば、彼がスーパースターであることが一瞬で理解できるはず。

 おそらく、日本のテレビを観たことがある人以外が、SMAPのパフォーマンスを観ても、なぜ彼らがスーパーアイドルなのか理解できないはず。

 これは、SMAPを否定しているわけでありません。その立ち位置の違いです。
 
 そして、全てが完璧なマイケルに足りなかったモノが、SMAPがスーパーアイドルたる所以である「親しみ」です。

 マイケルが、「世界にひとつだけの花」を歌っても、「そりゃ、あんたは確かに世界一の華を持ってる天才だよ」ってことで共感を呼ぶことは出来ません。
 下手くそな歌、キレのないダンス、でも一生懸命やっている姿。それが大衆の共感を呼ぶのです。「自分にも出来るかも。」

 映画「THIS IS IT」には、この、「マイケルに足りなかったモノ」が少し入っている気がします。
 リハーサルならではの、ダサイ服装。
 メンバーになかなか真意が伝わらず、それでも必死に伝えようとする姿。
 耳にイヤフォンを入れるのを必死に、それもスタッフに気を遣いながら、拒否する姿。

 そこには、「完璧ではない」マイケルがいました。
 そんな「完璧ではない」マイケルをもっと見せていれば、世界からのマイケルの印象は、バッシングの規模は、もっと違ったモノになったかもしれません。

 ただ、このBlu-rayの中で一番感動したのは、メンバーが話したマイケルの言葉でした。

(「マイケル」という言葉の意味は「最も神に近い」なんだよ、という冗談に対して)

「駄目だよ。謙虚にならなくちゃ。神様は、ごう慢な人間から、宝物を奪っていくんだ。」
「僕らは一緒に与えられた力を生かして、他の人が宝物を探す手助けをするべきだ。」

 やっぱり、彼は完璧だ。
「世界にひとつだけの花」で共感を与えられなくても、彼は別の方法で世界中の人に感動を与えられる。
 世界一の華を、才能を使って、世界中の人の宝物を探す手助けをしてくれていたんだ。

 彼のあふれんばかりの才能。それが織りなす、ダンス、歌。
 でも、それよりも、その思想が完璧に美しい。


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この映画は、1995年に南アフリカで実際に起こったお話です。

 南アフリカは、1980年代まで、アパルトヘイトという黒人差別主義を提唱する国でした。
 イギリスから移民してきた少数の白人が、元々住んでいた黒人たちを差別し、支配している最低の国。
 学校やレストランはもちろん、バスまで白人用と黒人用が別れているイヤな国。

 そんな国の中で、黒人解放の指導者であり、27年間投獄されており、1990年解放、1994年に大統領に就任したネルソン・マンデラがこの映画の主人公です。

 彼の多くの逸話から、監督・クリントイーストウッドが選んだのがラグビーに関する物語。

 この映画の冒頭、
 綺麗な芝生でラグビーをする、白人ばかりの南アフリカナショナルチーム
 小汚い空き地でサッカーをする、黒人のガキども。
 この二つのグラウンドにはさまれた道を、ネルソン・マンデラが乗った車が走っていく。
 それを見て、白人の選手が愚痴を言い、黒人のガキどもがマンデラコールをして殺到する。

 このシーンで、この国の黒人と白人、そしてマンデラとラグビーの立ち位置がわかります。

 そんなマンデラさんを演ずるのは、モーガン・フリーマン。
 マンデラと似すぎ。冒頭の映像は本物のマンデラのニュース映像だと思うのですが、ドラマの世界に入り、マンデラ・フリーマンにすり替わったことが一切気にならないくらいのそっくりっぷりです。

 そして、ラグビー。
 この国では、白人たちがフーリガン的に愛しているスポーツ。
 緑と金のユニフォームを着た、南アフリカナショナルチーム、通称スプリングボクスは彼らの誇りです。

 しかし、黒人が政権を取ったとき、このスプリングボクスの愛称をなくし、ユニフォームも一新しようとしていました。

「今までさんざん迫害してきた白人どもの誇りなんてぶっつぶしてやれ!どうせ俺たちラグビーのルールもしらねーし。」

 アフリカでたくさんの国が独立し、白人政権から黒人政権に生まれ変わっています。
 黒人は白人が憎くて仕方がないのですが、だからといって感情的に白人を排除するとどうなるか・・・

 ジンバブエのようになります。

 社会の中核を担っていた白人を追い出すことで、産業は破綻。管理を出来る技術者がいなくなったため、農園までが荒れ果てる。
 そして、経済は破綻。

 ハイパーインフレが起こり、100000000000ジンバブエドル(一千億ジンバブエドル)
ジンバブエドル

 などというばかげた札が発行されることになります。(詳しくは、コチラを。)

 ネルソン・マンデラの素晴らしいところは、この様な未来を見越して、白人と黒人の対立を避けようとしたこと。
 彼は、スプリングボクスを存続させ、彼らに、国民の士気高揚を託します。

 白人が感じる恐怖をなくすためには、黒人が赦さなくてはならないのだ。
 そして、恐怖をなくすことではじめて、南アフリカはひとつの国になることができるのだ。

 30年近く独房に閉じこめられ、虐待により身体に障害まで残っているマンデラこのような信念を持ち続けていること。
 それが、多くの人々の心を動かすのです。

 1995年。南アフリカで開催されたラグビーワールドカップ。
 ラグビーを通じて、スプリングボクスを通じて、南アフリカの人たちがひとつになっていきます。

 大統領警護のSPたちも、観客席の人々も、白人の主人と黒人の家政婦も、白人の警官と黒人の乞食のガキも。

 スタジアムの熱狂がこだまするラグビーの試合を通じて、たくさんの人たちの心がひとつになっていく様が次々と描かれていきます。

 その圧倒的な迫力は、ネルソン・マンデラという男の力強さと重なって激しく心を揺さぶります。

 それは、北京オリンピックで感じた中国の鼓動のように。
 歓喜の街カルカッタというノンフィクションのラスト、核兵器を手に入れたインド人たちの歓喜の声のように。
 WBCでイチローが放ったセンター前ヒットの瞬間の多くの日本人のように。

「人には、誇れるものが必要なんだ」

「硫黄島からの手紙」で太平洋戦争を日本人の目線で描き、
「グラントリノ」で偏屈なアメリカじじいが、アジア人とのふれあいで心を開く様を描き、
 この、「インビクタス」では、南アフリカ人の歓喜と誇りを描く。

 その描き方は、前作よりもシンプルですが、それゆえのストレートさが、最後の試合の素晴らしい興奮を作り上げています。
 この興奮は、やはり、映画館の大きなスクリーンと、大音響で味わって欲しいものです。

 そして、こんなに次々と新しい文化を、人の心を揺さぶる映画として描き続けているイーストウッドは、御歳80歳。
 この男、超人か・・・。

 ちなみに、モーガンフリーマン73歳。ネルソン・マンデラ92歳。
 じじいばっかのこの映画。

 みんな、長生きしてくれ!

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もりぞおさんは、山手線で通勤しています。
 山手線には、無音のモニターが付いているのですが、ここで見た十六茶のCM。ガッキーがあまりにもかわいすぎる・・と、寝不足と筋肉痛の中、わずかに残った体力を振り絞ってニコニコ動画でCMを探して見てみることにしました。



 ガッキー・・・歌、下手すぎ・・・。
 そして、替え歌、ベタすぎ・・・。目が覚めました。

 と、いうわけで、今週はお疲れのため、昔書いた書評の再放送です。
 お題は、変なCMつながりで、「金麦」です。

  以前、スピリチュアルデブにトラップを仕掛けて、笑いのネタを創ってくれた金麦のCMの人。

 

 この、金麦のCMは、いったい、なんなのでしょう。


 とにかく、最初に度肝を抜かれたのが、この広告です。

 

 

金麦!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 KINMUGIの MU ガ、唇ダー!

 その、あまりにもあんまりな、凄すぎる表現に、
 通勤列車の小田急線で吊り広告を見て、茫然自失としたのをよく覚えています。

 


 ものすごく気になったので、即ネットで検索し、CMの動画を見てさらに呆然。。

 


 

 


 

 夕日の・・・丘?

 家の縮尺、狂ってる?特に、窓、小さすぎ。

 なんで、ハンカチたなびいてるの?

 謎の台詞、「金麦冷やしてたんだから~!」(返答不能)

 とどめの、「すき」

 なんなのだ。

 なんなのだ。

 なんなのだ。これは、いったい。

 背景が、状況が、意図が、全然分からない・・・。

 ホマキ効果を狙ってるのか?
    ホマキ効果とは、
東北なまりの冴えない女の子も、 数十年間の記憶の摩耗と補完により、堀北真希のような絵に描いたような美少女になるように、郷愁は、ハリウッドの特殊メイクよりも強力なメーキャップ効果を魅せること。

 そんな私の困惑に答えてくれたのが、日経ビジネスのこの記事でした。

 Web2.0(笑)の広告学
“金麦妻”は実在するか? 「サントリー金麦のCM」の研究

 ツッコミどころこそカギになる

 金麦のCMをオンエアで初めて見た瞬間「ぜったいこのCMは話題になる」と確信しました。

また、単なる偶然やなりゆきではない「プロによる徹底的に計算しつくされた仕事」だとも思いました。

   中略

 この金麦妻は、実際には2007年の日本には存在しえない、幻想であると皆わかっています。
「いねーよ。ありえねーよ」と突っ込みを入れながら「でも、いいなぁ」と嘆息する。そんなCMなのです。

  中略

 いったい、金麦を冷やす以外に昼間、家でひとり、何をしているのでしょうか?

彼女は映画「ALWAYS 三丁目の夕日」のような、古き良き昭和にいたような、いないような、そんな幻想の中でのみ存在しうる女性なのです。

   中略

   これはもう、ぜったいに偶然なんかじゃなく、確信犯で「どうぞツッこんでください!でもお好きでしょ」という作り手のメッセージが明確に見えてきます。

 
そうか。。そういうことだったのか・・・。

  このCMのクリエイターは、TBCの「ナオミよー」のCMを創った、「女の子CMの達人」こと「くろしゅよしひこ氏」だそうです。

  ソフトバンクの、犬がお父さんのCMなどと同様のツッコミを入れられることを前提として創られたCM。
 テレビというメディアは、作り手から視聴者に一方的に流されるだけのモノでしたが、
 このようなCMは、「ツッコミ」という形で、視聴者から作り手にコミュケーションをさせる。

  一方通行のメディアに、少しでも双方向性を入れようというこの根性。
 広告の世界は、奥が深い。

 そして、2007年の記事で書いた双方向性というのは、twitterのような形で、さらにWeb上で大いに進化していることが興味深い。
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このCMが、ヤバイ。



 宮崎あおいのEarth Music and EcologyというファッションブランドのCM。
 あまりに素晴らしいので、すでに30回は観ています。
 もっといい画質で観たい人や、他のバージョンも観たい人は、公式サイトで。

 ついでに宮崎あおいが歌っている、ブルーハーツの1001のバイオリン



 も、iTunesで購入。(1000のバイオリンは持っていたが、オーケストラバージョンの1001のバイオリンの方がCMのイメージに近い)

 このCMを見つけたのは、mixiニュース。

 もりぞおさんは、ニュースを読むとき、いろいろなサイトをのぞくのですが、mixiニュースは、ニュースの下にたくさんの人が書いた日記がくっついているのが好きです。

 たくさんの人が、ニュースで感じたことを好き勝手文章を書いている。これをみると、世間ではこんな風にも受け取られているのか・・ってのがわかって大変興味深いのです。

 このCMに関しては、おおむね好評。
 宮崎あおいのかわいさと、ブルーハーツの素晴らしさがたくさん語られています。

 しかし、中には、宮崎あおいの歌の下手さを一生懸命解説しているものもありました。

 でも、私の観点からみると、このCMの素晴らしさは、宮崎あおいの歌の下手さなんですよ。

 職場では、「いい仕事」をしていると思われるよう一生懸命頑張り、
 プライベートでは、「幸せそうな女」だと思われるよう一生懸命頑張り、
 いつも一生懸命頑張っている人たち。

 これに対して、宮崎あおいは、下手くそな歌をニコニコしながら、気持ちよさそうに高らかに歌い上げます。

 映像を載っけた「歩く」篇では、頭を振ってとっているリズムが合ってないし、
 「野球」篇では子供が打った球を、全然やる気なく後逸してるし、
 「鉄棒」篇では懸垂全然できてないし。

 冷静に考えると、全然駄目な宮崎あおい。
 でも、ずーっとニコニコしていて、楽しそうなんです。

 そして、この歌の歌詞も

♪ヒマラヤほどーのー 消しゴムひとーつー たのしいことーをー たくさんしたーい
 ミサイルほどーのー ペンをかたてーにー おもしろことをたくさんしたーいー

 小学生男子のような素敵な妄想と共に、希望に満ちた今日を歩いていく歌詞。

 歌なんて下手でもいいじゃん!
 ボールが上手く捕れなくてもいいじゃん!
 楽しくあそぼうよ!
 今日もたのしいよ!

 そんなメッセージが伝わってくるから、このCMは素晴らしいんじゃないかと思うのです。
 だから何度も繰り返して観たくなっちゃうんだと思います。


 これをはじめて観たとき、なんのCMかさっぱりわからなかったのですが、女性用ファッションブランドのCMでした。

 私が今まで観た中で一番キツかった広告は、ブラジルの日本人街で見たJJのこれ。

JJ.jpg

「予定の数だけ、服がいる!」

 日本の女性は、こんな風に脅迫されながら生きているのか・・・と悲しい気持ちになったものです。
 
 それに対して、このCMの力のぬけっぷり。
 3パターンとも同じ服だし。
 なんか、すごく、ほっとするわけです。

 いつも全力は、とても疲れます。
 時には、blogにだらだらと好きな文章書いてみたり、
 twitterにどうでもいいこと書き込んでみたり、
 仕事辞めて世界一周の旅に出てみたり、
 のんびりといろんなことをやってみたいというのは、多くの人の求めることだと思います。

 ただ、成果主義とか氷河期とか日本沈没とか、嫌な言葉がたくさんあって、仕事以外の時間も一生懸命頑張らなくてはならないのではないかと、うっすらとした強迫観念がおおっているのもまた現実。

 そんななかで、宮崎あおいが、下手でもたのしければいいじゃん!という表情と行動を、元気いっぱい表現しているこのCM。

 みんながiPhoneやPCに入れておいて、自分が仕事でミスった時とか、部下が仕事でミスった時とかに、30秒間時間を作ってこの映像を見れば・・・もっと楽しい職場になると思います。

♪おもしろいことをたくさんしたーいー
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一度は途絶えたディズニーアニメーションの復活。
 
 シンデレラや白雪姫などのアニメーションを作ったディズニー。
 しかし、最近は全くヒットせず、トイ・ストーリーなどを作ったピクサーに実質買収されています。

 そして、トイ・ストーリーのプロデューサーが作り上げた、新しいディズニーのプリンセスアニメーションがコレ!

pkiss


 ピクサーのアニメは、おもちゃや魚やロボが主人公でありながら、現代の人間が抱える、不安や悩みを表現し、彼らがそれを克服していくことを魅せてくれます。

 今回の登場人物たちは、どんな闇を抱えているのでしょう?

 舞台は20世紀前半のジャズの都、黒人差別の巣窟ニューオリンズ。
 
 主人公は、貧乏な黒人女性。
 父親は戦争で戦死。父親の夢でもあったレストラン経営のため、仕事をいくつも掛け持ちしてお金を貯めています。

 そこに突如現れる王子様。
 よくわからん国の王子なのですが、全然働いたことがなく、遊んでばかりで、あまりにもバカなので、王様に勘当されたのか、一文無しでニューオリンズに迷い込んできたのです。


 ディズニーの話は、一般的に「宝物としての金貨」はあっても、「お金」は出てきません。
 しかし、この物語の二人の主役は、緑色の札束(=ドル紙幣)に振り回されているのです。

 黒人。アメリカ。金。
 ディズニーが触れてこなかった部分にガンガン踏み込んでいるのが爽快です。

 で、このバカ王子が、悪い魔法使いに騙されて、カエルになるところから物語は始まります。

 ちなみに、英語のタイトルは、The Princess and the Frog (プリンセスとカエル)
 こっちの方が正しい気がします・・・。

 そして、カエル王子も主人公も、絵本で読んで知っているのです。
 カエルにされてしまった王子は、プリンセスのキスで元に戻ると。

 ネバネバしたカエル王子に主人公がイヤイヤキスすると・・・主人公はプリンセスではないので、二人ともカエルになってしまいます・・・。

 現実は厳しいですね。
 なんというか、格差社会を感じます。

 なんやかやで、森の奥に住む魔法使いのババアに人間に戻してもらおうと頼む二人。
 ババアはこういいます。

「欲しいモノと、必要なモノは違うんだよ。」

 主人公が欲しいモノはお金。父の夢でもあったレストランを経営するために、一生懸命働いて、たくさんお金が欲しい。
 王子が欲しいモノはお金。遊んで暮らすために、好きでもない金持ちと結婚してでも、たくさんお金が欲しい。

 大変現実的な、現代アメリカ的なテーマです。


 引き合いに出すのもなんですが、アバター
 この二人の問題は、アバター的世界観をもってするとこの様に分類されます。

主人公 一生懸命頑張る働き者 = 青い宇宙人 = 善。
王子  楽してもうけようとする欲張り = 人間 = 悪。

 主人公が王子をぶっ殺して話が終わってしまいそうです・・・。


 しかし、単純な善悪論で終わらないのがこの映画。

 こんな正反対の道を通って、同じモノを求めている二人のカエルは、冒険を続ける中で少しずつ心を通わせていきます。
 
 野菜を刻んで料理をつくる楽しさを。
 音楽に合わせて踊りを踊る楽しさを。

 正反対の二人が、お互いが楽しいと思うことを知ることによって、もう一段深く考えることになるのです。

「私がレストランを持ちたい理由はなんだろう?」
「私が遊んで暮らしたい理由はなんだろう?」


 そして、物語はおとぎ話のように、観ている人たちに、夢と希望を与える展開に収束していきます。

 最初は、黒人、貧乏、過剰労働という、リアルな問題を描き、
 その後、カエルになっちゃった!という、おとぎ話的な問題に移り、
 魔法使いのババアが、カエルに、リアルな問題の解決の糸口をつかませ、
 その答えが見えたところで、リアルな話とおとぎ話が、素晴らしいひとつの物語になる。

 完璧な、脚本。
 まさに、ディズニーのおとぎ話と、現代人の抱える物語の一体化です。

 現実的にある問題に対して、おとぎ話の中で答えを見つけて、また現実にかえって解決する。
 これは、ある意味、最高の映画体験。「一生モノの映画」ってやつです。

 映画を観る人が幸せになる様を、映画の中で実現してくれる。
 これぞ、まさに子供に夢を与えるディズニーのおとぎ話なのです。

 しかも、子供だけではなく、大人にまでその体験を与えてくれる。
 現実逃避にもなり、現実の問題を直視することにもなる。
 あらゆる人にお勧めの、大傑作です!
 
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こんばんわ。
 今週は、ちとblog書く暇がないんで、宣伝させてください。

 私、2008年から2009年にかけて世界一周旅行していました。
 2日に一度くらいの驚異的なペースで更新してたのですが、それでも書き足らず、帰国してからもしばらく続け、最近は週一ペースで旅で訪れていた国を振り返っていました。

 で、その振り返りも終わり、先週ついに最終回。

ビジネスクラスのバックパッカー もりぞお世界一周紀行
 最終回 旅で学んだこと。日本人として世界で生きていく事への希望
 ことあるごとに、「日本はもうだめぽ」と言っている男の、日本で生きることの希望。
 
 たぶん、ろくでもないことになるけど、死ぬほどではないと思う。(ちなみに、今日は時間があったら「自殺島」という漫画について書こうと思ってた)

 国別にカテゴリ分けしてあるので、気になる国の記事なんかを読んでもらえると嬉しいです。
 個人的なお勧めは、あらゆる意味で日本と真逆の国、キューバ編
 スゴイ風景を見たければ、ボリビア編のウユニ塩湖を。

 どっちの国も、死ぬほど貧乏だけど、国民は楽しく生活しています。

 たぶん、日本経済がろくでもないことになっても、日本人は貧乏慣れして、下手すると今より楽しく暮らせるかも、なんてことも考えたりしています。

 と、いうわけで、さすらーいーもーしないでー このまま死なねえぞ!

 ちなみに、最終回で301話目だった。ホント、よく書いた。
 一話100行くらいだから、三万行。
 自分で自分をほめてあげたい。
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 プレシャス PRECIOUS 宝物
 という名前の女性が主人公の映画。

プレシャス


 舞台は1979年のニューヨーク。ハーレム地区。
 当時治安が悪かったニューヨークの中で、ブロンクス、クイーンズと並んで、スラム化していた地域。

 プレシャスの外見を、有名人に例えると、小錦。
 ものすごくデブの黒人です。

 彼女は母親と二人暮らし。社会保障で生きている。
 父親は失踪中。

 薄暗い部屋で気持ち悪い油まみれの食べ物を食らうデブ母娘。

 母親は、娘をののしり続けます。
 料理が不味いこと。
 どうせ学校に行っても、頭は良くならないこと。
 旦那を奪ったこと。
 旦那との一人目の子供がダウン症なこと。
 そして、旦那の二人目の子供を身ごもっていること。

 プレシャスの心に、父親からレイプされている光景がフラッシュバックされます。

 ここまで、10分。

 映画を観ている私が、あまりの凄絶さに失神しそうになります。

 それは、プレシャスも同じ。いや、もっとひどい。
 そして、プレシャスの心は妄想の世界に飛んでいきます。

 ウーピーゴールドバーグのような美しい衣装を着て、レッドカーペットを歩くプレシャス。
 窓の下をのぞけば、白人の男がバイクに乗ってプレシャスを待っている。

 字が読めないので本も読めず、人生に絶望しているので教室でも一番後ろの席で何も出来ず、あまりにも悲惨なので現実を観ることも出来ないプレシャスの妄想の中の輝かしい世界は、そのギャップが故にあまりにも哀しく、切ないモノです。

 その悲惨さは、ケータイ小説のような無理矢理悲劇をつなげたモノでもなく、金八先生のような無理矢理いい話にするモノでもなく、リアルで、手のつけようがなく、どこまでも深く多層的です。

 それは、この話の作者が、NYで、プレシャスの様な人々と接してきた人だからです。


 妊娠が原因で学校をクビになった彼女は、代替学校に行くことになります。
 そして、そこで出会った美人の黒人の先生。
 彼女から、字を教わり、文章を書くことを教わり、優しさを教わります。
 
 そして、二度目の出産。

 この中で、少しずつ人間性を取り戻す姿。
 最悪の場所から脱出し、自分が生きている理由を見つけ、歩き始める姿。

 彼女が妄想の中で逃げ込むきらびやかな世界とは大きく違っていますが、素晴らしい世界です。

 たぶん、彼女は、アメリカや日本でいうところの、下流社会の人間でしょう。
 それは、最低の世界で暮らしている間も、生きる希望を見いだした後も。

 生活保護の世話になり、汚い部屋に住み、収入もなく子供が二人のシングルマザー。

 その状況説明通り悲惨な姿と、その状況とは逆にしっかりと生きる姿。

 貧乏にもいろいろな種類があり、悲惨の極地からも、ちょっとした出会いや、ちょっとした学びで、生きる希望を見いだせる。

 明らかに、ものすごく、重くて、暗い映画なのに、すがすがしい気分になれる映画なのです。
 これから貧しくなっていく日本に必要なのは、ケータイ小説ではなく、コレだと思います。

 そして・・・さらに幸せになっていくプレシャスの姿を追いかけたいのですが、彼女に与えられた運命はさらに悲惨の極地に突き落とされます。

 その、あまりの悲惨さは。。。この映画を観る予定のない人は、「続きを読む」で確認してください。

 生きていくことの辛さと、それでも生きていける強さ。

 多くの映画の中で普遍的に語られているものですが、そのリアルさと凄絶さで、このプレシャスは群を抜いている気がします。

 東京で2館しか上映していないのは、本当に惜しい。
 是非皆さんに観て欲しい一作です。

プレシャス (河出文庫)プレシャス (河出文庫)
(2010/04/10)
サファイア

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